なばり新時代プロジェクト~なばりのブランドイメージを創ろう!~
更新日:2023年9月19日
なばり新時代プロジェクトって?

名張市では、地域社会のつながりが再構築され、互いに助け合い共に生きる「地域共生」の取組が積み重ねられてきました。しかし、高齢化の進展により多くの地域で担い手が不足している中、若者を中心とする他の世代にも、この取組の輪を広げていくことが求められています。
そこで、市では、まちに愛着を持ち、まちに関わる「活動人口」を増やし、まち全体の価値を高めていくための「シティプロモーション」(市外からの観光客誘致や移住促進のための手法に留まりません)を進めていくこととしています。
まずは、市民参加のワークショップを通じて、「名張は、どのような人がどのような形で、幸せになれるまちなのか。名張らしい暮らしとはどんな暮らしなのか」を見出しながら、名張市の「ブランドイメージ」を創出していくこととしました。
ここから始まる名張市のシティプロモーション、それが「なばり新時代プロジェクト」なのです!
6月10日、「ブランドイメージ創出ワークショップ」スタート!
名張市のブランドイメージ創出ワークショップが始まったのは、6月10日。
PTAや消防団、自治会、市民団体などさまざまな分野でまちづくりに関わる市民の皆さんや学生さんなど約40人が集まりました。
ワークショップを引っ張っていただくのは、名張市地域力創造アドバイザーの河井孝仁 東海大学教授。
冒頭に「シティプロモーションとは、(地域(まち)に真剣(マジ)になる人を増やす仕組み」、「地域の魅力を挙げられる人が、まちのために活動したいとするという傾向にある」と講義いただきました。
全5回のワークショップを通じて、名張らしい暮らしとはどのような暮らしか、名張で幸せになれる人はどんな人かというストーリーを考えながら、語れるようになることを目指します。
また、その過程から、名張市のブランドイメージ(キャッチコピーやロゴマーク)をつくっていきます。
この日、7つのグループに分かれたおよそ40人が、様々な角度から出し合ったのは、名張の魅力となるキーワードの数々!
オリーブの木、熊坂長範、霧、紙すき、草刈り隊、名張バリバリまつり、風が吹いて田んぼの稲がサーっとなる感じ・・・
「初めて聞いた」「いったい誰?」「そんなんあったん?」「これも名張なん?」「なるほど~」といった声も多く出され、スマホで調べたりする場面も見られました。
参加メンバーにとって、まちを語る言葉を聞く、また、語っていただく場に。そして、名張への熱い想いを持つさまざまな分野の人が一堂に会する貴重な機会となりました。
第1回ワークショップについて詳しくは、こちらから
7月8日、第2回「ブランドイメージ創出ワークショップ」
2回目となるワークショップは、初瀬街道沿いに旧家などが立ち並ぶノスタルジックな名張市街地のまち歩き。
町家、だんじり、江戸川乱歩、旧旅館、路地、城下川、古書店、野菜販売所、造酢店、影絵劇場、人がつながれる場所…。6月10日のワークショップで出された名張の魅力のキーワードを、メンバー同士で体験しようというものです。
単なるスポットの紹介に留まらず、地域共生や市民のユーモアなどを感じられるものとし、「まちは人でできている」ことをまち歩きのテーマとしました。メンバーの皆さんは、名張のまちにあふれるさまざまなコト・モノに触れながら、いろんな人に出会っていきました。
第2回ワークショップについて詳しくは、こちらから
8月2日、第3回「ブランドイメージ創出ワークショップ」
3回目となるワークショップでは、「名張で幸せを実現させていくのはどんな人なのか」を考えながら、ペルソナ(仮想人物)を設定します。
「ペルソナは、3人設定してください。名張太郎なんていう設定上の名前でなく、実際に存在するであろう名前を付けてください」と河井教授。
あくまでも、現実に即した人物像が求められます。
似顔絵とともに、名前、性別、年齢、仕事、世帯年収、居住地(市内と市外在住を1名は含める)、出身地、家族構成、趣味(無趣味も可)、大事にしていること、そして、悩みや課題、希望や野望の12の項目を具体的に考えていきます。
「仕事と育児を両立させたい」
「介護が必要になっても生きがいある暮らしをしたい」
「民泊を始めたい」
「スローライフを満喫したい」
「子どもたちに近くに住んでほしい」
「大阪を超える街にしたい」
「何かを変えたい・始めたい」
「自分らしく生きたい」
いろんな希望や野望をもち、名張で幸せを実現させていこうとするペルソナたち。
名張の現状に沿ったペルソナ像が完成しました。
第3回ワークショップについて詳しくは、こちらから
9月10日、第4回「ブランドイメージ創出ワークショップ」
第3回のワークは、第1回目に出された数々の魅力から「名張は、どのような人がどのような形で、幸せになれるまちなのか。また、どのような暮らしができるのか」を見出していくきっかけとなる仮想人物(ペルソナ)を作成しました。第4回は、ペルソナのストーリーをつくっていく過程へ進んでいきます。
河井教授から出された課題は「第1回で共有した名張の魅力が書かれたフセンを使いこなし、悩みを解決し、挫折を乗り越えつつ、地域への何らかの参画を行い、希望・野望を実現する物語を作ってください」というもの。
「挫折は一回でなくてもいいのでしょうか」と参加者。
「させたかったら何度でも」と河井教授。
「ただし、希望は必ず実現させ、悩みは必ず解決させてくださいね」と続けます。
言い換えれば、実現できない希望や解決できない悩みを設定せず、現実的なストーリーにしていくことが求められます。
「どのフセン(魅力)を使う?たくさんあって、迷いますよね」
「『お金』は必要なんじゃない」
「そら大切ですわな…」
ストーリーづくりに使えそうなフセンを選んでいきます。
「『まちの保健室』のフセン(魅力)で、この人を救ってあげるといいかも」
だんだんと、ストーリーが出来上がっていきます。
3人のペルソナそれぞれに、16枚以上のフセンを使わなければなりませんが、新たにフセンを追加することはできません。みんなが持ち寄ってきた魅力を最大限有効に使っていきます。
だんだんと、挫折を乗り越えて希望を叶えていく流れが見えてきましたね~。
この日は、終了1時間前までに全てのストーリーを作り上げなければなりません。
なぜなら、最後に各グループでのストーリーを発表することになっているからです。
時間が進むにつれ、議論はますますヒートアップしていきます!
みんな頑張って~!
というわけで、苦心の末、各グループでのストーリーが完成!
いよいよ発表が始まります!
各グループでから1人ずつ発表し、発表しない人はほかのグループでのストーリーを見て回る「ポスターセッション方式」で、進行。必ず、全員が発表することになり、一人ひとり自分の言葉で、ストーリーを語っていきます。
発表終了ごとにグループで集まり、「聴いている人に、どんなことが聞かれたか」「このストーリー展開は無理があるんじゃない」といったことをお互いに振り返り、次の発表に移っていきます。
各グループのメンバーがペルソナの物語をアツく語っていきます。
語られたストーリーをひとつ紹介すると…
「子どもをのびのびと育てるためにUターンを決意。名張で働き始めたところ、保育園で長男の発達について指摘され、市の保健師に相談。名張版ネウボラの中で長男の発達支援を受けることに。PTAやFLATBASEで、アクティブなママ友や在宅ワーカー、事業を自ら創業している人たちに出会いながら、自ら就農して有機栽培していくことを決意。それを市内の学校給食で提供できることを目標に掲げて努力している」
ほかにも、「まちの保健室に出会い、悩みを聞いてもらっているうちに……」「若者がまちについて熱く語り合い、何かを実行していく様を目の当たりにして……」「赤目四十八滝に家族旅行で訪れた記憶が甦り……」「自身が大阪出身のこともあって、“大阪出身のにぎやかでおもしろい人”ともたくさん出会い……」など、名張の魅力を使ったオリジナルのストーリーが展開されていきます。
「なるほど、そう来るか~」
「ありそうやな~」
参加者は、だんだんとストーリに引き込まれていきます。
「それぞれの魅力が点から線に結び付いていくようだった」と振り返る参加者も。
「名張では、こんなことができるねん」
「こんな人に元気になってもらいたいねん」
「名張の人にもっと自信をもって住んでほしいねん」
発表している皆さんの姿はまるで、移住希望者や名張に住んでいる人に対して名張の魅力をプレゼンをしているかのよう。
「市のPRを」と言われると、多くの場合は、「観光名所や特産品に触れてほしい」となるかもしれませんが、ワークショップを通じて、「何かやりたい人やちょっと疲れた人に名張に来て元気になってほしい」という思いがあふれ出てきたように思えます。
さて、次回(10月9日)はいよいよ最終回!
発表された数々のストーリーの中から「これは名張の魅力が生かされている!」というものを、メンバー同士で選び合い……
乞うご期待!!
名張市地域力創造アドバイザー 東海大学教授 河井孝仁さん
東海大学文化社会学部広報メディア学科教授の河井孝仁氏(写真右)に、「名張市地域力創造アドバイザー」として、ワークショップをはじめ、シティプロモーション推進を支援いただきます。
河井教授は、シティプロモーションの第一人者として、全国各地の自治体でアドバイザー等を務め、地域ブランド化に係る住民ワークショップなどのコーディネーター等も積極的に行っています。
また、中央官庁における情報発信、地域人材育成、関係人口系形成等に係る委員会、研究委員を多数務めています。
【関連リンク】河井孝仁教授のWEBサイト
キャッチコピー案・ロゴマークの作成 studio-L 西上ありさ さん

市のシティプロモーション戦略では、名張市がこれまで築いてきた「地域共生社会」の取組を引き継ぎ、持続可能なものとしていくことを目指しており、市の「地域共生社会」の取組をよく知る会社「studio-L」に、ワークショップで話し合われた内容を踏まえたキャッチコピー案からロゴデザインに関する編集会議を別途開催いただきます。また、ロゴ等を発信するウェブサイトも制作いただく予定です。
「studio-L」は、これまで、内閣府「孤独・孤立防止に向けたプラットフォームづくり」に参加し、ワークショップを通じて「まちの保健室」のキャッチコピーやロゴマーク、ウェブサイトを作成いただいたり、市内のモデル地域で孤独孤立を防ぐワークショップを開催いただいたりしています。
【関連リンク】studio-L
ワークショップの開催日・場所・内容
日時 | 場所 | 内容(予定) |
6月10日(土曜日) 午後1時30分~4時30分【終了】 |
名張市役所 1階大会議室 |
グループワーク 名張の魅力を9つの視点「ひと・こと・もの・ところ・仕事・わざ・過去・みらい・くうき」から出し合おう |
7月8日(土曜日) 午後1時30分~4時30分 【終了】 |
市内 | 現地視察 みんなが知らなかった名張の魅力を見学しよう |
8月2日(水曜日) 午後6時~8時30分 |
名張市役所 1階大会議室 |
グループワーク 名張市は、どんな人が、どんな風に幸せになれるまちなのか、ペルソナ(仮想人物)を設定しよう |
9月10日(日曜日) 午後1時30分~4時30分 |
名張市防災センター | グループワーク ペルソナ(仮想人物)をもとに、ストーリーをつくろう |
10月9日(月曜・祝日) 午後6時~8時30分 |
名張市防災センター | グループワーク ストーリーをもとに、ブランドメッセージをつくろう |
今後のスケジュール(予定)
令和5年12月 | キャッチコピーを選ぶ市民総選挙 ・広報なばり12月号でお知らせ |
令和6年1月 | キャッチコピー決定 ・総選挙の結果を元にキャッチコピーを決定 |
令和6年3月23日 | キャッチコピー・ロゴマークの発表(予定) ・名張市制施行70周年記念行事で活用方法なども含めて紹介予定 |
※ワークショップの終了後も、「なばり新時代プロジェクト」の参加メンバーを中心に、名張市のシティプロモーション推進に向けての取組を進めていきたいと考えています。