”暮らしやすさと幸福が実感できるまち”をめざして(令和8年5月28日)
更新日:令和8年7月6日
1.背景及び趣旨
これまで徹底した行財政改革に取り組んできましたが、物価高騰や金利の上昇の影響に加えて、人口が減り、税収が厳しくなる一方で、老朽化した施設の維持、高齢者福祉や子育て支援などの課題は待ったなしで押し寄せています。このまま何も対策を講じなければ、災害等の不測の事態への備えである「財政調整基金」が令和10年度には枯渇する見通しにあるなど、市の財政負担は極限に達しています。この難局を乗り越え、次の世代にこのまちを引き継いでいくために、現行の固定資産税の標準税率(1.4%)に0.3%を上乗せし、1.7%とする税率の見直しを、令和9年度より実施していきたいと考えています。
2.財源の活用
固定資産税の税率見直しにより確保が見込まれる年間8.2億円の財源は、市民の皆様の今の暮らしを守り、名張の未来を切り開くための「2つの大きな柱」となります。
1つ目の柱:「未来の暮らしを創る着実な投資」
中学校給食の実現をはじめ、子育て・教育環境の充実や生活交通網の維持、医療・防災体制の強化、また地域経済の活性化に活用するなど、将来を見据えた視点で皆さんの暮らしや活動を支えます。
2つ目の柱:「健全な財政基盤の土台を固めること」
将来にわたり市政を安定させ、不測の事態にも揺るがない財政基盤を再構築し、次世代に負担を先送りしない責任を果たします。
3.暮らしやすさと幸福が実感できるまちをめざして
人口減少があっても、市民が心身ともに健康で、まちの将来に主体的に関わり、人と人とのつながりとコミュニティの中で幸福や生きがいを感じながら心豊かな暮らしを実現できる「ウェルビーイングなまち」を目指し、令和12年度までの5年間、次の施策を重点施策に位置づけ推進するとともに、推進していくための基盤となる行財政改革と地域共生社会の更なる充実に努めます。
4.説明資料・動画
(1)説明資料
内容の詳細はこちらの資料をご覧ください。
(2)下記の画像をクリックすると、市長メッセージ動画をご覧いただけます。
5.Q&A
Q1 なぜ、いま税率見直しが必要?
「収支ギャップ」の拡大で、毎年6 億~ 11 億円程度の構造的な収支不足が見込まれる中、市の貯金である「財政調整基金」は令和10 年度に枯渇し、市民サービスの大幅な見直しを迫られる危機的な状況です。
今回の見直しは、財源を補うだけでなく、道路・公共施設などのインフラ整備や、子育て・医療といった未来への投資を安定して進め、次世代に負担を先送りしないための土台づくりを行うためのものです。
Q2 もっと節約できないの?
平成14年以降、行財政改革を重ね、令和5年度までに約238億円の効果を積み上げてきました。
令和6年11月には「なばり新時代の大改革宣言」を行い、行財政改革プランを新たに策定。令和7年度には約5.2億円、令和8年度には約3.2億円の歳入確保と歳出削減効果額を当初予算に反映しています。こうした行財政改革の取組は、今後も継続していきます。
Q3 人口流出が進むのでは?
定住や転入には、税負担だけでなく、子育て支援や教育、医療、インフラ、就労など、暮らしを支える環境が総合的に関わるものと考えます。今回の見直しで、これらの基盤を安定して維持し、「住み続けたい」「住んでみたい」まちづくりにつなげます。
Q4 上乗せ「0.3%」の根拠は?
中期財政試算(5月時点)で、令和9年度以降、行財政改革の追加取組(1.4億円~2.9億円)を進めてもなお、毎年6 億円~ 11 億円程度の収支不足が見込まれます。今回、0.3%の税率上乗せをお願いし、約8.2 億円の財源を確保することで、健全な財政基盤の土台を固めるとともに、公共施設の維持更新や子育て・教育・医療・防災など将来への投資を進めます。
Q5 いつまでこの税率が続く?
市の構造的な収支不足を踏まえ、短期間での措置ではなく、将来にわたり安定した財政基盤を確保するための見直しと考えています。一方で、毎年の財政状況などを確認し、5 年ごとに社会経済情勢なども含めて検証し、必要に応じて税率のあり方を見直します。
Q6 他市の負担と比べると?
全国の類似団体(人口などがよく似た自治体)79市のうち58 市が、道路、公園、下水道などの整備に使う目的税として「都市計画税」を導入しています。
一方、本市は「都市計画税」などを導入せず、行財政改革に取り組みながら、市債(借金)や基金(貯金)によりインフラ整備することで、市税負担を抑えてきました。こうした中、他市と同様の持続可能な行政基盤を整えるために、税率を見直そうとしています。
Q7 税額はどれほど増える?
固定資産税は、土地や家屋、償却資産の評価額で異なりますが、今回の見直しにより、今年度の固定資産税額の約2割増となります。例えば、次のような不動産をお持ちの世帯の場合、税額は概ね以下のようになります。
(1)課税額5万円以下世帯 (市内納税者全体の約7割)の平均年税額(27,000円)に相当する例| 現行(標準税率) 1.4% |
加算額 0.3% |
合計 1.7% |
|
|---|---|---|---|
| 土地(65坪程度) ※ 課税標準額を60万円と仮定した場合 |
8,400円 | 1,800円 | 10,200円 |
| 家屋(概ね築45年、延床面積30坪程度の木造住宅) ※ 課税標準額を130万円と仮定した場合 |
18,200円 | 3,900円 | 22,100円 |
| 合計 | 26,600円 | 5,700円 | 32,300円 |
(2)課税額5万円超10万円以下世帯(市内納税者全体の約2割)の平均年税額(70,800円)に相当する例
| 現行(標準税率) 1.4% |
加算額 0.3% |
合計 1.7% |
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|---|---|---|---|
| 土地(65坪程度) ※ 課税標準額を75万円と仮定した場合 |
10,500円 | 2,200円 | 12,700円 |
| 家屋(概ね築20年、延床面積50坪程度の木造住宅) ※ 課税標準額を430万円と仮定した場合 |
60,200円 | 12,900円 | 73,100円 |
| 合計 | 70,700円 | 15,100円 | 85,800円 |
Q8 確保した財源は何に使う?
将来にわたる健全な財政基盤の土台を構築しながら、中学校給食の実施をはじめ、子育て・教育環境の充実や生活交通網の維持・再編、医療や防災対策、地域経済の活性化など、「市民の暮らしを守り、未来を創るための投資」を進めます。その使途や成果については、今後、広報紙や市HP などで公表していきます。
また、公共施設の更新などに必要な財源とする基金(貯金)への計画的な積立ができるようになり、施設整備に必要な市債(借金)を抑えていくことで、将来世代の負担の軽減につなげます。
Q9 行政をスリム化すべきでは?
限られた財源で持続可能なまちづくりを行うために、「あったほうがいい」から「絶対に必要」な事業へと優先順位を転換し、選択と集中を進めます。
一方、人件費や物件費(委託料、賃借料、光熱水費など)は類似団体と比べ低い水準となっています。さらなる歳出削減は市民生活への影響も懸念されるため、安定した歳入確保が必要です。


