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名張市

令和5年度施政方針

更新日:2023年2月27日

 施政方針は、市民の皆様や議員の皆様に対し、市長より次年度の市政運営に対する市の基本的な考えを申し述べるものであり、例年新年度予算(当初予算)を提案する3月定例会初日に発表します。

 

はじめに

 本日、ここに名張市議会第409回定例会の開会に当たり、市政運営に対する私の基本的な考えを申し述べ、議員の皆様、市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

1.持続可能な未来を目指して

 人口減少、少子高齢化など基礎自治体をめぐる課題は年々複雑化の一途を辿り、より深刻化しております。加えて、新たな感染症の世界的流行をはじめ、国際情勢の急激な変化や想定外の自然災害の発生など社会の在り方や仕組みが大きな転換期を迎えようとしています。
 本市においても、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響等もあり、出生数の減少など少子化が加速している状況にあります。
 混迷の度合いが増した今、地域を持続可能にする未来への投資の重要性は、かつてないほど高まっていると感じております。未来を正確に読むことは誰にもできませんが、現状の背景にどういった課題があるのか、客観的に見極め、想像力を働かせ、持続可能な未来を目指してまいりたいと考えております。

2.語れるまち なばり

 本定例会で提案しております新しい総合計画「なばり新時代戦略」に基づく新たなまちづくりが、令和5年度からスタートいたします。

 「語れるまち なばり」。本計画では、本市の総合計画としては初めてシティプロモーションをその理念に掲げております。
 名張のことを私たち自身がもっと深く知り、みんなで共有し、それらを自ら誇りを持って語れるようになる、また、年齢や性別、世代に関わらず、全ての市民がまちの将来を「自分ごと」として共有し、課題解決や今後の方向性について語り合う。共感や共創意識を生み出すような戦略的な広報・プロモーションを通して、このまちに愛着を持ち、まちづくりに主体的に関わる人をどんどん増やしていく、これが本市のシティプロモーションの狙いであり、持続可能なまちづくりにつながると考えております。この理念を、全ての施策を進める共通の考え方として、令和5年度は「シティプロモーション」キックオフの年にしたいと思います。

3.名張らしさをはぐくむ

 名張らしさを生かした個性的で持続可能な未来を目指すため、これまで進めてまいりました地域共生のまちづくりを大きな土台とするとともに、若い世代がまちの将来に関心を持つ仕掛けや仕組みを構築し、これまでの取組を次世代に引き継いでまいりたいと考えております。
 「変化をおこし 活力あふれ みんなでつくる 大好きなまち なばり」。これは新しい総合計画「なばり新時代戦略」の基本構想に掲げる“目指す10年後の姿”です。社会をはじめ、様々なことは時代とともに変化しています。そういった変化への対応はもちろん、市民の皆様と共に変化をおこす、やりたいことがチャレンジできる、チャレンジする人を応援する、そうすることで活力あふれるまちがつくられ名張が大好きな人たちであふれる、そのようなまちを目指す取組をスタートさせてまいります。
 また、この10年後の姿を目指すため、3つの「おこす」にスポットを当て、重点プロジェクトとして本計画に位置付けております。
 「産業をおこす」として、地域資源を活用した観光や農商工連携などの取組に加え、新しい雇用創出に取り組むとともに、「若者でにぎわいをおこす」として、次代を担う若い世代がチャレンジできる仕組みの構築や、にぎわうことができる居場所づくりの支援に取り組んでまいります。また、市内外から名張を応援してくれる人や地域の様々な場面や取組の担い手として関わってくれる人の増加を目指し、「地域と多様に関わる人々をおこす」を3つ目の重点プロジェクトと位置付けております。
 目指す10年後の姿の実現に向け、様々な「おこす」の取組を進めてまいります。

4.「食と観光」を基軸にした新たな産業基盤の構築に向けて

 令和7年開催の大阪・関西万博に向けて、「食と観光」を基軸にした産業基盤の確立を目指し、令和5年4月から産業部に総括的にマネジメントを行う専属職員を配置するとともに、官民連携による推進組織を設立し、観光誘客と観光消費の拡大による市内経済の活性化に取り組んでまいります。
 本取組では、マーケティングによる企画と販売戦略に基づき、「観光誘客を促進するための目玉づくりと情報発信」「観光消費を拡大させるための商品・サービスの充実」「市内で経済が好循環する仕組みづくり」「安定して供給できる体制づくり」を柱として、観光業や農業、商業、サービス業など産業間の垣根を越え、各種主体と協働し取組を進めてまいります。
 本市の経済の活性化、雇用創出、そして若者が定着し、産業で自立する元気なまち名張。これを本市が目指す大阪・関西万博のレガシーとして、官民一体となり取り組んでまいります。

5.主要施策の展開について

 続きまして、令和5年度の主要施策の概要につきまして、新たな総合計画「なばり新時代戦略」に掲げる基本施策ごとに、順に申し述べます。

【基本施策:はぐくむ】

 「はぐくむ」とは、大事に守って育てること。妊娠・出産・子育ての切れ目ない支援や子どもの健やかな成長、学校教育、観光・商工・農業の各産業、そして名張市に関わる人など様々な「はぐくむ」に取り組みます。

全ての子どもを健やかにはぐくみます

 人口減少社会を迎え、少子化が急速に進展する中で、全ての妊婦や子育て世帯が安心して出産・子育てができるよう、妊娠期から出産・子育てまでの⼀貫した伴走型相談支援と経済的支援を一体として実施するため、これまで取り組んできた「名張版ネウボラ」の充実・発展に取り組むとともに、妊娠期・出産期に交付金を支給する「名張市わくわく・すくすく交付金事業」を実施します。あわせて、名張市子ども3人目プロジェクトとして、多子世帯の負担軽減を図ります。また、多様な保育や地域の子育て支援の担い手となる子育て支援員の養成と活動支援に取り組むとともに、「こそだてサポーター」の輪を広げ、社会全体で子どもの育ちを支える風土創りを進めてまいります。
 さらには、こども家庭庁創設に伴い本格化する「こどもまんなか社会」の実現に向け、子ども・子育て支援の推進体制の整備とともに、困難や課題を抱える子どもの家庭への支援に取り組んでまいります。また、要保護児童対策及びDV対策地域協議会の構成機関との連携により、児童虐待の早期の発見と対応に取り組んでまいります。
 多様化する保育ニーズの対応に向けては、名張幼稚園及び大屋戸保育所の統合による民営認定こども園の令和6年4月開園に向け、施設整備補助をはじめとした移管先法人への支援を進め、引き続き、保育人材の確保等に取り組んでまいります。
 また、発達に心配のある子どもとその保護者に対し、適切な支援を総合的、継続的に行うため、関係機関との連携を強化し、早期発見・早期支援とライフステージに合わせた切れ目のない支援を実施してまいります。

学校で元気な「ばりっ子」をはぐくみます

 「しっかりつなぐ育ちのバトンカリキュラム」に基づく就学前教育を進め、幼児教育・保育から学校教育への円滑な接続を図るため「ピカ1先生」による幼稚園、保育所(園)、認定こども園への派遣を引き続き行ってまいります。
 また、学校運営協議会の運営等の活性化に努め、地域と共にある学校づくりの視点を大切にして、スクール・コミュニティ(子どもを核とした地域づくり)の体制構築を進め、コミュニティ・スクールの一層の推進・充実を図ってまいります。同時に、義務教育9年間の子どもの学びと育ちを見据えて、系統性・連続性を確保した小中一貫教育を推進し、学校、家庭、地域が連携・協働した教育活動の充実を目指します。その中で、児童生徒の個に応じた適切な支援に向け、教職員研修の充実とともに授業のユニバーサルデザイン化を進め、一人ひとりの教育的ニーズを的確に把握し、特別な支援を必要とする児童生徒の自立に向けた取組を推進してまいります。加えて、途切れのないきめ細やかな支援を行うために、個別の教育支援計画や指導計画を作成し、保護者や関係機関等と丁寧に連携を図ってまいります。
 そして、平和教育を学校で更に推進するために、外部講師の招へいやふるさと学習「なばり学」での取組を充実させます。また、学習した内容を校内外に発信し、平和の大切さや平和を自分事としてとらえることができるように進めてまいります。
 中学校給食の実施に向けては、名張市に最適な実施方式、事業手法の方針を決定するための民間活力等導入可能性調査を行い、実施のための基本計画を策定いたします。また、安心安全な教育環境の整備のため、児童生徒が利用する校舎内のトイレ洋式化を令和5年度及び令和6年度に行うとともに、引き続き、学校施設の老朽対策等の改修も実施してまいります。
 通学路の安全確保に向けては、「名張市通学路交通安全プログラム」に基づき、関係機関が連携して、児童生徒が安全に通学できるように通学路の安全確保を図ってまいります。

観光産業をはぐくみます

 SDGsをテーマとした広域周遊・滞在型のツアー商品の造成と旅行会社へのセールスに取り組み、引き続き国内外からの観光誘客を図ってまいります。
 市内観光関連事業者へのGoogleビジネスプロフィールの活用支援や三重県の観光マーケティング事業への参画など、デジタル技術を活用した観光誘客を推進します。
 また、新たに地域おこし協力隊1名を採用し、自然や歴史を生かした新たなエコツアープログラムづくりに取り組んでまいります。

経済をささえ、はぐくみます

 物価高騰等により依然として中小企業を取り巻く環境が厳しい中、商工会議所をはじめ関係機関と一層連携を密にし、市内事業者の支援体制を強化します。加えて、名張市事業承継人材マッチング支援協議会(フミダス)では市内事業者のIT利活用をサポートするデジタル支援員の育成を図り、更なる事業承継の取組を進めてまいります。
 また、ウィズコロナの取組やDX活用を促進し、事業所の新事業展開や業態転換等、攻めの経営の伴走型支援を行うなど多方面から市内事業者の事業継続に取り組むとともに、若者移住定住チャレンジ支援事業により創業する若者を支援してまいります。

緑の循環を促進し、豊かな森と緑をはぐくみます

 緑の循環の促進に向け、所有者の意向調査や境界明確化の推進など、引き続き適切な森林経営管理に取り組んでまいります。また、森林環境整備による産業振興を目的に、森林管理のための作業道整備の補助制度を創設し、木材生産量の増加に取り組むとともに、豊かな森と緑を市民共有の財産として育むため、森林環境教育や木育の普及、拡充に取り組んでまいります。

協力者、関係人口を増やし、「名張」らしさをはぐくみます

移住・定住の促進、関係人口の創出に向け、関西圏・中京圏への効果的なプロモーションに取り組むとともに、地域おこし協⼒隊の活動を支援し、地域の活性化に取り組んでまいります。

【基本施策:つなぐ】

 「つなぐ」とは、引き合わせる、ひとつづきにすること。地域の保健・医療・福祉、文化や情報、まちを次世代につなぐための住民自治や人口減少対策や広域連携、更には交通環境の取組など様々な「つなぐ」に取り組みます。

地域の保健・医療・福祉をつなぎます

 地域で支え合い、安心して暮らせる地域共生のまちづくりに向け、支援を必要とする方やその家庭に対して、地域住民の見守りやリンクワーカーによる伴走型支援といった社会とのつながりを回復するための「社会的処方」による支援機能の充実・強化に取り組むとともに、全世代・全対象型の相談支援や、交流の場・居場所の確保等の地域づくりに向けた支援を⼀体的に実施するなど、地域福祉教育総合支援ネットワークによる包括的な支援を進めます。また、地域の健康づくり・福祉活動の拠点として位置付けた「まちの保健室」について、地域の様々な福祉資源を結ぶプラットフォームとして機能の再構築や情報発信・認知度の向上に取り組むとともに、ひきこもり・医療等に関する講演会を開催するなどにより、相談支援体制の拡充につなげてまいります。
 コロナ禍において生活困窮のリスクが高まる中、様々な生活課題に対して早期に対応し、経済的支援などにより生活基盤を支えるとともに、適正な社会保障制度の利用につなげるための支援を行うなど安心できる社会保障制度の運用を図ってまいります。

文化をはぐくみ、次世代につなぎます

 文化あふれる豊かなまちづくりに向け、令和5年4月より新たに文化施策の推進を図る専属の職員を配置いたします。
 また、文化に触れる機会をより多く創出するため、市美術展覧会や名張市民文化祭などを開催するとともに、夏見廃寺跡や名張藤堂家邸跡等、名張が誇るべき史跡の更なる周知、文化施設等を活用した取組を進め、地域の活性化につなげてまいります。
 さらには、地域の伝統文化を守り、発展させるための事業の1つとして、名張市観阿弥顕彰会と協力し、令和5年11月に市制施行70周年記念事業として能楽公演を開催するとともに、市内学校を対象とした能楽に関する講演会を実施し、本市の伝統文化である「能」を若い世代へ継承する取組を進めてまいります。

共感を生む情報発信でひと・まち・行政をつなぎます

 市民参画型のシティプロモーションを進めていくことで、シビックプライドの醸成や市政への関心・参画意欲を高め、主体的にまちづくりに関わる人や交流人口・関係人口を創出します。また、令和5年策定予定のシティプロモーション戦略に基づき、本市独自のブランドイメージの創出や情報発信コンテンツの再構築を進めてまいります。

持続可能な住民自治を未来につなぎます

 これまで進めてきた住民相互の助け合いや住民主体のまちづくりを継承しつつ、今後も若い世代を含めた住民全体が参画し、多様な主体と連携・協働しながら、急激な社会情勢の変化に対応できる持続可能なまちづくりを進めてまいります。

ひととひと、まちとまちを交通環境でつなぎます

 「コンパクトシティ+ネットワーク」のまちづくりと連携し、地域間、拠点間をつなぐ交通軸を構築するため、鉄道、路線バス、コミュニティバス、タクシー等が円滑に連携し、誰もが分かりやすく安心して利用できる公共交通ネットワークの整備に取り組んでまいります。また、世代特性や地域特性を踏まえ、市民や地域づくり組織を含め産学官民の協働、連携により、多様化する移動ニーズにきめ細やかに対応できる交通まちづくりを進めてまいります。

ひととまちを次世代につなぎます

 総合計画を軸とする各種施策の推進、予算編成等につながる行政評価システムの再構築に取り組むとともに、本市の課題解決や持続的な発展に向け、大学や企業など市内外の機関とのパートナー構築、また、周辺自治体をはじめとする県内外の関係自治体との連携強化に取り組んでまいります。

 

【基本施策:つくる】

 「つくる」とは、形あるものないものに限らず何かを生み出すこと。性別や国籍、人種を超えた誰もが幸せに暮らせる社会や生涯学習社会、農業の新たな価値、環境負荷の少ない社会、魅力ある都市など様々な「つくる」に取り組みます。

多様性を認め合える男女共同参画と多文化共生のまちをつくります

 市民⼀人ひとりが性別や国籍、人種に関わりなく、互いの違いを認め合い、安心して暮らしていけるよう多文化共生センター、地域づくり組織、事業所、学校など多様な主体と連携し、支援・相談・啓発の充実に努めてまいります。

少年の健全育成と生涯学習社会をつくります

 青少年を取り巻く環境が大きく変化する中、心身共に健全で、たくましく成長していけるよう学校や家庭、地域等の関係機関が連携し青少年の健全育成に取り組みます。
 また、生涯を通じて学ぶことができる環境整備と多くの学習機会を提供するため、生涯学習ネットワークの構築を図るととともに、郷土資料館や図書館の機能向上に努めてまいります。

農業・農村の新たな価値をつくります

 多彩な担い手が活躍する“なばり農業”の実現を目指し、引き続き「隠(なばり)やさい」をはじめとした地域農産物の育成に取り組みます。
 また、価値の高い農産物づくりの一環として有機農業の産地づくりの推進とともに、観光業と連携し地元有機農産物による「食」を名張で楽しんでいただける環境づくりを進めてまいります。
 さらに、良好な集落・営農環境づくりに向けて、関係団体と連携し、持続可能で効果的な鳥獣害対策や安心安全な農林業基盤整備を推進します。

環境負荷の少ない社会をつくります

 市民・事業者・行政が一体となったごみの減量化・資源化の促進に向け、更なるごみの排出量削減に努めるとともに、バイオマス資源の利活用やプラスチック類の資源化について調査研究を進めてまいります。
 また、一般廃棄物の処理につきましては、伊賀南部クリーンセンターの操業期限が令和16年3月であることから、新たな清掃工場の建設に向け、伊賀市や伊賀南部環境衛生組合と連携しながら広域化等に向けた取組を進めてまいります。

風土と暮らしが共生する魅ある都市をつくります

 集約連携型の都市構造の実現を推進するため、名張市立地適正化計画の策定に取り組み、都市機能、居住地域の高機能、高密度化を目指したまちづくりを進めてまいります。
 また、地域間をつなぐネットワークの整備として、名張市地域公共交通計画と連携を取りながら、社会情勢に応じた都市計画道路の合理的な見直しを行い、コンパクトシティ・プラス・ネットワークの都市形成を目指してまいります。

 

【基本施策:すすめる】

 「すすめる」とは、前進させること、更に高めること。消防・救急体制、社会づくりを支える土地利用、行政改革、デジタル改革及び行政運営など様々な「すすめる」に取り組みます。

消防・救急体制の強化をすすめます

 複雑・多様化する災害や、増加・高度化する救急需要に的確に対応するため、装備や施設、隊員教育の充実と消防団員の確保に取り組んでまいります。また、伊賀市との消防連携・協力を更に強化し、令和6年度からの消防指令業務共同運用に向け、令和5年度中に共同消防指令センターの整備を行ってまいります。

未来を見据えた社会づくりを支える適正な土地利用をすすめます

 自然災害に対する危険箇所、警戒区域等の指定状況を踏まえながら、都市計画の方針に基づく用途地域の指定、変更を実施し、都市的機能の集約を誘導するとともに、農業振興地域整備計画など関係規定に定められた農地、森林、自然公園等を適切に保全し、秩序ある土地利用に取り組んでまいります。
 また、地籍整備につきましては、所有者不明土地問題の解消や適正な土地利用及び管理を促進するため、第2次地籍調査事業実施計画に基づき、箕曲地区での地籍調査を進めるとともに、調査が完了した名張地区等の早期認証・登記手続きを進めてまいります。

社会変化に対応した行政改革とデジタル改革をすすめます

 多様化する市民ニーズや公共施設等マネジメントなど複雑化する行政課題への対応に向け、変化に対応できる質の高い職員の育成とともに、効率的に行政運営を進めていくことができる組織体制を構築してまいります。
 また、デジタル技術による行政機能の向上と市民視点に立った快適で利便性の高い行政サービスの提供を目指し、名張市DX推進計画に基づき、デジタル社会の実現に向けた取組を進めてまいります。

持続可能な財政運営をすすめます

 健全な財政運営を行うため、財政調整基金の取崩しや市債借入れに頼らない歳入に見合った予算編成を原則とし、社会経済動向等に左右されない安定した行政サービスを提供できる持続可能な財政運営を進めてまいります。
 また、様々な行政課題への対応に向け、更なる事業の見直しや選択を行うとともに、ふるさと納税等の税外収入を含めた財源確保に取り組んでまいります。

 

【基本施策:ささえる】

 「ささえる」とは、維持すること、支援すること。健康、地域医療、高齢者の安心した生活や障害者の自立と社会参加、安全な水道水のある暮らしなど様々な「ささえる」に取り組みます。

市民の健康をささえます

 市民が主体的に取り組む健康づくりの総合的な支援とともに、特定健診、がん検診の受診率向上と生活習慣病予防に取り組んでまいります。
 また、名張ケンコー!マイレージ事業などを通して、健康無関心層の行動変容と社会参加の機会の拡大を図るとともに、地域づくり組織や関係機関と連携し、食育や健康寿命の延伸に向けた健康づくりの取組を行うなど、住み慣れた地域で自立した生活が送れるよう支援を進めてまいります。
 新型コロナウイルス感染症への対応については、三重県や関係機関と連携して感染防止対策に取り組むとともに、国の動向等を注視しながら、市民の皆様の安心安全な暮らしの再構築に向けた取組を進めてまいります。

地域の医療をささえます

 令和6年度に予定されている三重県の第8次医療計画の策定を見据え、県、伊賀市などの関係機関や伊賀地域の3つの基幹病院とともに、病床の機能分化・連携や新型コロナウイルス等新興感染症対応を踏まえた医療提供体制の構築、在宅医療の充実に係る協議を進めてまいります。
 また、二次救急医療体制の確保のため、3病院による救急輪番体制や一次医療と二次医療の適切な役割分担と連携強化に引き続き取り組んでまいります。
 市立病院に関しては、医療従事者の確保、更なる経営改革に取り組む必要があります。令和5年度は、在り方検討委員会の答申内容を踏まえ、市民や地域医療関係者等の意見も伺いながら、市立病院経営強化プランを策定し、今後の市立病院の方向性等をお示ししていきます。

高齢者の安心した生活をささえます

 高齢者が住み慣れた地域で安心して日常生活を営むことができるよう、地域や関係機関と連携して医療や健康づくり、介護予防の⼀体的な推進に取り組みます。
 また、高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画に基づき、介護予防や重度化防止、認知症ケア、在宅医療・介護連携の推進などの取組を進めるとともに、現在の取組検証を行い、介護サービス基盤の計画的な確保に向け、令和6年度からの次期計画策定に取り組んでまいります。

障害者の自立と社会参加をささえます

 障害者を取り巻く課題が複雑化・多様化する中で、様々な支援ニーズに適切に対応するため、窓口等での相談の充実や関係機関との連携強化を図り、基幹相談支援センターを中心とした総合的・専門的な相談支援体制を整えるとともに、持続可能で質の高い障害福祉サービスを提供できるよう取り組んでまいります。
 また、障害者が生きがいを持って社会参加ができるよう、障害者人材センターと関係機関との協働により、障害者雇用に繋げるための就労支援や、その後の就労継続・就労定着に向けた支援を進めてまいります。

安全な水道水で市民のくらしをささえます

 水道施設の管路及び機械・電気設備の更新・改良を計画的に進め、安定したライフラインの確保に取り組むとともに、水道水の水源となるダムや川の水質を的確に把握し、おいしさやにおいに影響する原因物質を取り除くなど、浄水場における水質管理を維持してまいります。

 

【基本施策:ととのえる】

 「ととのえる」とは、点検して望ましい状態にしておくこと。スポーツ環境、活動の憩いの場となる緑地や公園、住環境、下水道による快適な住環境など様々な「ととのえる」に取り組みます。

生涯スポーツができる環境をととのえます

 「ホッケーのまち なばり」の推進を図るため、三重県など関係機関と連携し、⼤会等の開催を通して市民の機運向上とまちづくりの活性化に取り組んでまいります。また、ジュニア世代から、中学校、高校、そして社会人と切れ目のない育成体制を整えることで、競技力の向上及び指導者養成を図ります。

活動や憩いの場となる緑地や公園の環境をととのえます

 住宅団地の緑地機能である緑空間の創出を推進するとともに、地域づくり組織をはじめ市内のボランティア団体など多様な主体と連携・協力し、身近にある都市公園・親水公園等の適切な維持管理を進め、快適な憩いの空間確保に取り組みます。また、ユニバーサルデザインの理念に基づき、誰もが安心して利用できる都市公園の整備を目指してまいります。

家や住環境をととのえます

 移住・定住支援となる移住者向けリノベーション事業や空き家バンクをはじめとした空き家の利活用・空き家の適正管理の促進並びに利活用が困難な著しく危険な空き家等の除却支援の実施について、地域と一体となって積極的に取り組んでまいります。

下水道で快適な住環境をととのえます

 中央処理区内の未整備地の整備促進や、美旗地域への区域拡大整備を進めるとともに、中央浄化センターにおいて、生活排水処理施設の新設並びに水処理施設の増設事業に取り組んでまいります。
 また、下水道施設の老朽化対策に取り組みながら、既存施設の規模、処理方式の適正化や再編、統廃合などの検討を行ってまいります。

 

【基本施策:まもる】

 「まもる」とは、大切なものとして保護する、大事に保つこと。人権、犯罪、防災、道路、生活環境など生活の基盤など様々な「まもる」に取り組みます。

みんなの人権をまもります

 全ての人の人権が保障され、自分らしく暮らせるまちの実現に向け、行政のあらゆる分野において人権尊重の視点に立ち、各施策を推進してまいります。これまでの人権課題に加え、性の多様性、コロナ差別、インターネットによる差別など様々な人権課題に対しても正しく理解し、行動できるように啓発を進めます。
 また、第4次名張市人権施策基本計画策定に向け、その基礎資料とするため、「人権に関する市民意識調査」を実施いたします。

犯罪や交通事故からまもります

 警察や各地域で行われている防犯・交通安全の取組と連携し、様々な主体による見守りが行き届いている環境づくりに努めてまいります。
 また、消費者生活に関する相談体制の充実、啓発に取り組んでまいります。

防災・減災でまちをまもります

 南海トラフ地震やこれまで経験のないような豪雨などの大災害の脅威が高まる中、市総合防災訓練を通じた関係機関との連携、各種受援体制の構築、各地域の実情に応じた主体的な訓練への支援等により、備えを万全なものとしてまいります。特に、災害時には誰一人取り残さないという視点に立ち、配慮が必要な方の円滑な避難行動に向けた体制づくりに取り組みます。
 また、国が実施する名張川河川改修事業や宇陀川流域の土砂災害防止の砂防堰堤事業の円滑な推進などを通じ、引き続き、関係地域の皆様とともに災害に強いまちづくりに向け取り組んでまいります。

生活の環境をまもります

 事業者との自主的な規制基準等を定めた環境保全協定の締結を進め、公害の未然防止に取り組むなど、快適で安心した生活環境を守ります。

道路をつくり、道路をまもります

 幹線道路のネットワーク化による代替機能の向上と広域道路網の整備を促進するとともに、今後、高齢化社会の進展など、多様化する道路交通需要に的確に対応するため、ユニバーサルデザインを基本とした計画による道路空間の質の向上を進めてまいります。
 名阪国道への重要なアクセス道路である国道368号の4車線化事業及び東西の基幹道路である国道165号の整備促進につきましては、事業主体である三重県、並びに関係自治体と連携し取り組んでまいります。
 橋梁については、法定点検を継続し、予防的修繕を実施する予防保全型へと管理手法の転換を図り、既存橋梁に対して効率的・効果的なメンテナンスサイクルを継続いたします。
 また、地域と連携した維持管理や事業の選定を進めるとともに、事業効果の検証を行いながら生活道路の整備を進めてまいります。

 

おわりに

 以上、市政運営に対する所信と講じるべき主要施策について申し上げました。

 全職員が一丸となり、市民の負託にお応えできるよう全力を尽くしてまいりますので、議会の皆様をはじめ、市民の皆様におかれましては、なお一層のご支援ご指導をお願い申し上げ、施政方針といたします。

 

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令和5年度施政方針(令和5年3月)