令和7年度施政方針
更新日:2025年3月3日
施政方針は、市民の皆様や議員の皆様に対し、市長より次年度の市政運営に対する市の基本的な考えを申し述べるものであり、例年新年度予算(当初予算)を提案する3月定例会初日に発表します。
1.はじめに
令和6年元日の能登半島地震に加え、同年8月には日向灘を震源とする最大震度6弱の地震発生、また、それに伴う南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)の発表など、近年、大規模地震の切迫性が高まっています。令和7年1月には、政府の地震調査委員会により、30年以内の南海トラフ地震発生の確率が「80%程度」に引き上げられており、いずれ起こりうる巨大地震への対応に向けて、引き続き、市民の皆様と防災対策の取組を進めるとともに、安心、安全な生活を守るため、更なる防災力の強化に努めてまいりたいと考えております。
また、令和6年4月には、民間の有識者グループ「人口戦略会議」から、全国の市区町村の4割超に当たる744自治体が「消滅可能性がある」と発表されました。本市は、消滅可能性自治体からの脱却を果たしましたが、2050年には人口が約5万人になると予測されております。今後、全国各地で人口の減少が想定される中、国は地方創生推進のための予算倍増、二地域居住の推進による新たな人の流れの創出など、人口規模が縮小しても経済成長し、社会を機能させる適応策を講じようとしています。“人口の奪い合い”ではなく“人口のシェア”、すなわち関係人口の増加を図るため、本市では、総合計画「なばり新時代戦略」を策定し、シティプロモーションに力を注いできたところです。令和5年度には、まちに愛着を持ち、まちに関わる活動人口を増やしていくため、市民や学生等で構成するワークショップを開催し、ブランドロゴの作成に取り組みました。あわせて、ブランドロゴを決定する総選挙では、市民の皆様から8,000を超える投票をいただき、本市のブランドロゴ「なんとかなるなる。なばりです。」が令和6年3月に誕生しました。
さらには、名張の魅力や情報をよりわかりやすく伝えるため、令和6年4月からカラー化した広報なばりについては、「2024年度三重県広報コンクール」で最高賞となる特選を4部門獲得する快挙を成し遂げました。職員はもちろん、市民の皆様の活動が評価された結果だと考えており、これまで取り組んできたシティプロモーションの力を今以上に発揮する時が来たと感じているところでございます。「名張の魅力を伝えたい」「名張をもっと元気にしたい」と思う全ての方々と共にブランドロゴの浸透に向けた取組を進め、市民参画型のシティプロモーションを更に加速させたいと考えております。
「語れるまち なばり」の実現に向け、まちの魅力を市内外に発信し、名張が大好きで、名張に関わっていきたいと思ってもらえる魅力あるまちづくりを進めていくことが大切です。市民の皆様におかれましても、本市が発信する情報に興味を持っていただき、本市と共に市内外へまちの魅力を発信いただくなど、名張の“推し活”にお力添えをいただきますようよろしくお願い申し上げます。
一方で、本市では人口減少に伴う歳入減、社会保障費の増大や老朽化した公共施設の更新、過去の債務返済などが積み重なり、非常に厳しい財政状況が続いております。このようなことから、令和6年11月に「なばり新時代の大改革宣言」を発出し、市民の皆様のご理解の下、この難局を乗り越えるべく、抜本的、集中的に行財政改革を推進していくため、新たな行財政改革プランを策定いたしました。今後、本プランを推し進めることで、人口減少社会に立ち向かうフロントランナーとして果敢にチャレンジしていく決意でございます。
それでは、総合計画「なばり新時代戦略」に掲げる各施策体系に基づき、令和7年度の主要な取組について申し述べます。
2.重点プロジェクト おこす
”産業をおこす” ”若者でにぎわいをおこす” ” 地域と多様に関わる人々をおこす”
目指す10年後の姿「変化をおこし 活力あふれ みんなでつくる 大好きなまち なばり」の実現に向け、重点プロジェクトとして“産業”、“若者”、“ひと”にスポットを当てた取組を進めております。
コロナ禍において、観光客数が激減した赤目四十八滝の再生をベースに観光産業をおこしていくという考えの下、この3年間注力し、事業を展開してまいりました。水族館アドバイザーの中村元氏を地域力創造アドバイザーとして招へいし、観光誘客に対して様々な視点でアドバイスをいただくことで、“赤目四十八滝の自然と繋がる水族館”をコンセプトに「赤目滝水族館」がリニューアルオープンされました。また、赤目小町等周辺の環境整備とも相まって、令和4年度には9万人台まで落ち込んだ延べ観光入込客数については、令和5年度に約11万人、令和6年度見込みが約12万4千人と徐々に回復しつつあります。これらの成果は、赤目四十八滝渓谷保勝会をはじめ、このまちを何とかしようと一緒に取り組んでいただいた関係者の方々のご協力がなければ実現できなかったと考えております。今後も赤目四十八滝への延べ観光入込客数20万人という大きな目標の達成に向け、新たな誘客コンテンツや観光商品・サービスの造成、観光消費の拡大など様々な取組を実施し、観光誘客による地域経済の活性化につなげてまいります。
あわせて、2025年大阪・関西万博の開催まで50日を切り、観光誘客の拡大、市内経済の活性化を目指す「なばりEXPOチャレンジ」も最終年度を迎えるに当たり、この千載一遇の機会を逃すことのないよう、万博会場の関西パビリオン内に常設される三重県ブース、三重県主催のイベント等に積極的に出展し、大阪都市圏近郊でありながら山紫水明の地である本市の伝統や自然の魅力を広くPRすることで認知度の向上と観光誘客に努めてまいります。万博終了後においても、官民連携による観光を基軸とした市内産業の活性化を継続的に推進していくための体制づくりに努めてまいります。
また、若い世代によるにぎわい創出として、ブランドロゴ作成に参画いただいた市民の皆様を中心に、サイクリング大会やおしごと体験フェスなど、観光産業、農業、食育の活性化に関連したイベントが開催され、まちに関わる人を増やす取組が少しずつ、確実に成果を重ねていると実感しているところです。「あそこに行けば新しいつながりが生まれる」、「新しい価値観と出会える」など、コロナ禍を経て人々の価値観がアップデートした今、多様な年代がにぎわいをおこすための“チャレンジできる環境づくり”やその支援に引き続き取り組んでまいります。
名張の子どもたちが、10年先もこのまちで住み続けたい、このまちで働きたい、このまちで子育てがしたい、このまちとずっとつながっていたい、そう思ってもらえるまちを未来に残していきたいという思いで、重点プロジェクトをはじめとする各施策の取組を進めてまいります。
3.重点的に取り組む事業
「財政」、「災害」、「人口減少」の3つの危機に対して、市民の命と安心を守り抜く予算として令和7年度当初予算編成を行い、次の取組をはじめとする各種事業の取組を進めてまいります。
○なばり新時代の大改革宣言に係る行財政改革プランの推進
行財政改革プランについては、係長級職員を中心に構成した「なばりの未来創造ワーキンググループ」で検討を重ね、各改革項目に対する具体的な方針や目標、行動計画を定めました。加えて、本プランに掲げる各改革項目を推進していくため、「新たな歳入確保」「開庁時間及び電話対応時間の短縮」「使用料、手数料及び利用者負担等の見直し」「草刈り業務」をテーマとしたワーキンググループで検討を進め、それぞれの分野での改善策を提案し、具体的な施策を実践してまいります。
○公民連携の取組推進と外部人材の活用
人口減少、少子高齢化など社会情勢の変化により、地域課題は複雑化しており、行政の知恵や力だけでは対応できない課題が増えつつあります。そのような中、民間事業者等と行政が対話による相互理解を進め、アイデアを出し合い、互いの強みを掛け合わせることで、地域課題の解決や新たな価値を創出するため、令和7年4月に公民連携の対話窓口を設置します。また、地域おこし協力隊に加え、地域活性化起業人など新たな外部人材を積極的に取り入れてまいります。
○南海トラフを想定した防災力の強化
南海トラフ地震等の大規模災害に備え、令和7年1月には、要配慮者の良好な避難環境の確保を目的として、名張市社会福祉法人連絡会との共催による本市初の福祉避難所開設運営訓練を実施しました。また、同年2月には、市内のホテル事業者との災害時における宿泊施設の利用に関する協定を締結いたしました。
今後は、国の交付金等を活用し、防災備蓄品の整備や孤立集落への対応、また、住環境への防災対策としては、住宅の耐震補強工事や耐震シェルターの設置に対する補助など、本市の総合的な防災力の強化に向けた取組を推進してまいります。
○名張あんしん出産・子育て応援事業
令和7年1月をもって市内に分娩施設がなくなったことを受け、妊婦や子育て世帯が安心して出産、子育てができるよう、これまで取り組んできた名張版ネウボラの拡充を行ってまいります。また、4つの新たなサポート事業として、同年2月から実施している妊婦にやさしい遠方出産支援事業、妊婦情報事前登録制度、産婦人科・小児科オンライン相談に加え、同年4月からは産後ケア事業(デイサービス型)を開始いたします。
○ユースプレイス(子ども・若者の居場所)の整備
放課後や休日などに子どもや若者が気軽に集い、安心して過ごすことができる“居場所“を総合福祉センターふれあいの3階に整備します。そのため、現在3階にある老人福祉センターふれあいについては、多世代の地域交流や共生型施設としての活用に向けて、令和7年4月から総合福祉センターに統合し、一元化いたします。
また、令和8年4月からのユースプレイスの供用開始に向けて、順次必要な施設改修等を行い、子どもから高齢者まで、市民のふれあいの場として、総合福祉センターを新たな交流の拠点に位置付けてまいります。
○市立病院の経営改革、独立行政法人への移行
市民の皆様に安心、安全な地域医療を継続的に提供するため、令和7年10月に地方独立行政法人の設立を予定しています。今後、設立前の準備として、中期目標の策定のほか、必要な手続を着実に進めてまいります。
4.各施策の主要な取組
【基本施策1 はぐくむ】
<施策名>全ての子どもを健やかにはぐくみます
妊婦や子育て世帯が安心して出産、子育てができるよう、名張あんしん出産・子育て応援事業に取り組み、名張版ネウボラの更なる充実を進めます。また、子育て支援員の養成と活動支援に取り組むと共に、こそだてサポーターの輪を広げ、社会全体で子どもの育ちを支える風土づくりを進めます。
あわせて、令和6年度に設置したばりっ子まるまるセンターを中心として、全ての妊産婦、子育て世帯、子どもへの一体的な相談支援と、児童虐待の予防、早期発見、早期対応に努めてまいります。
放課後の子どもの豊かな時間、安全・安心な居場所を確保するため、14小学校区にある24の放課後児童クラブにおいて、放課後の子どもの受入れを実施していますが、高学年の受入れニーズに対応するため、名張小学校区放課後児童クラブの第4クラブ室を整備し、令和7年4月からの開所に向け準備を進めております。
また、小学校の夏休み期間の子どもの居場所づくりを行い、仕事と子育ての両立に向けた取組を進めるとともに、子どもや若者の第三の居場所として、また、多世代が交流できる場所として、施設や環境の整備を進めてまいります。
加えて、延長保育や休日保育、病児・病後児保育など、社会経済環境の変化に伴う多様な保育ニーズに引き続き対応していくと共に、なばり保育士・幼稚園教諭就職フェアの開催等により、保育人材の確保に取り組みます。あわせて、名張市子ども3人目プロジェクトとして多子世帯の負担軽減を図ります。
発達に心配のある0歳から18歳までの子どもとその保護者に対し、適切な支援を総合的、継続的に行うため、保健、医療、福祉、教育、保育等の関係機関との連携を強化する中で、早期発見、早期支援及びライフステージに合わせた切れ目のない支援を進めてまいります。
<施策名>学校で元気な「ばりっ子」をはぐくみます
幼児教育・保育から小学校教育への円滑な接続を図るため、引き続き、幼稚園、保育所(園)、認定こども園に「ピカ1先生」を派遣してまいります。
また、「地域とともにある学校づくり」及び「子どもを核とした地域づくり」の視点を大切にして、コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的な推進に取り組んでまいります。これらのことを基盤として、義務教育9年間を見据えたカリキュラムを編成し、系統性、連続性を確保した小中一貫教育を行ってまいります。特に、小中学校間の段差を緩やかにするため、小学校高学年を中心に教科担任制を充実させるなど、子どもの発達段階に応じたきめ細やかな指導、支援を行ってまいります。
増加する不登校の児童生徒に対しては、未然防止や初期対応に取り組むと共に、家庭環境などの多様な要因や背景を踏まえ、地域福祉教育総合支援ネットワークのエリアディレクター等と連携した不登校対策に取り組んでまいります。加えて、特別な支援を必要とする児童生徒の割合が年々増加傾向にあることから、名張市特別支援教育システムに基づき、各関係機関との連携を図り、発達検査の実施や福祉及び医療の専門家等によるスーパーバイズ等を通して、特別な支援を必要とする児童生徒への有効な支援に役立てていきます。
また、幼稚園・保育所(園)から中学校まで、切れ目ない支援を行うために、保護者との連携を強固なものにして、個別の教育支援計画や指導計画を有効活用し、支援の充実を図ってまいります。
平和教育については、令和6年度から本市の非核平和事業の一環として、戦争の悲惨さと平和の尊さを継承していく「なばりピースメッセンジャープロジェクト」に取り組んでおり、令和7年度も引き続き、各中学校からの代表生徒「ピースメッセンジャー」を募集し、平和を考える学習会や懇談会等を通して学びを深めると共に、生徒が取組の企画、実践を重ねる中で、市民の皆様に向けて平和メッセージを伝えていく活動を進めてまいります。
学校施設につきましては、安心、安全に過ごせる学校施設に向けて、錦生赤目小学校屋内運動場(体育館)の改築工事を実施すると共に、中学校へのエレベーター設置を進めてまいります。また、中学校給食については、財政状況を勘案しながら、事業の実施に向けて資金調達方法、スケジュール等について検討を進め、令和7年度の早い時期に改めて、事業の進め方をお示ししたいと考えております。
<施策名>観光産業をはぐくみます
官民が一体となって、マーケティング・マネジメントや地域資源を活用した商品造成、プロモーション等を行い、観光客の誘致により観光を軸にした地域産業の活性化及び地域課題の解決を図ることを目的とする観光地域づくり法人の形成及び確立を推進します。
長年課題となっている赤目四十八滝の交通渋滞の解消に向けて、令和6年の秋に実施したパークアンドライド検証事業について、1年を通じて継続するとともに、赤目四十八滝を訪れる方に市内を周遊していただくための仕組みづくりを行います。また、東奈良名張ツーリズム・マーケティングが中心となり、2025大阪・関西万博を目的に来訪する訪日外国人を本市に誘致するためのプロモーションを行います。
<施策名>経済をささえ、はぐくみます
市や商工会議所、地域の金融機関など計10機関において、中小企業者等の持続的な発展及び地域経済の活性化を目的に、令和6年10月に「中小企業・小規模事業者支援に関する連携協定」を締結しました。この協定に基づき、令和7年度は各団体の専門知識やネットワークを活用し、中小企業・小規模事業者に対する創業支援、新事業の展開支援などを総合的に実施することで、行政だけでは生み出すことのできない新しい仕組みや価値を創出し、中小企業者等の持続的な発展及び地域経済の活性化を図ってまいります。
また、人口減少を和らげることができるよう、移住定住支援や空き家対策施策などとの一体的な取組はもちろん、定住自立圏形成に関する協定によるビジョンを踏まえ、近隣自治体と共に、若年層だけではなくセカンドキャリアを生かした就職支援や創業支援を行い、チャレンジしやすい風土を醸成することで、皆様と共に魅力ある名張を発信してまいります。
ふるさと納税に関しましては、同市場に対する戦略的なマーケティングの実施により、返礼品を通じた地場産品の認知度向上や、新たな返礼品開発などにおいて、事業者と共創し地域経済の活性化につなげてまいります。
持続可能な産業・雇用創出を目指し、地域資源の魅力の掘り起こし、面的、横断的な取組を行うことができるよう、新たな商工業振興プランを策定いたします。
<施策名>緑の循環を促進し、豊かな森と緑をはぐくみます
災害に強い森林づくりを目指し、未整備林の整備を促進するとともに、所有者に代わって森林整備を行う森林経営管理制度の普及啓発を行い、境界明確化など整備環境が整った地域においては、着実に森林整備を進めてまいります。
また、市民の森林への理解を深めるため、みえ森と緑の県民税市町交付金を活用し、地域づくり組織等が行う森林環境教育や里山保全等の支援に取り組みます。
<施策名>協⼒者、関係人口を増やし、「名張」らしさをはぐくみます
関西方面をターゲットにした移住体験ツアー等を開催するとともに、仕事を変えずに、あるいは本市で仕事を見つけての暮らし方、また、恵まれた自然環境や子育て環境、やりたいことが実現できる環境など、各種媒体を活用して、本市の魅力を発信してまいります。
また、都市と地方の両方に生活拠点を設ける二地域居住の取組を推進させ、地域の担い手確保や活性化につなげる関係人口の創出や拡大を目指します。
【基本施策2 つなぐ】
<施策名>地域の保健・医療・福祉をつなぎます
地域で支え合い、自分らしく、安心して暮らせる地域共生のまちづくりに向けて、支援を必要とする方やその家庭に対して、地域住民の見守りや「リンクワーカー」による伴走支援等の“社会とのつながり”を回復するための「社会的処方」による支援機能の充実、強化に取り組みます。あわせて、全世代・全対象型の相談支援や、交流の場、居場所の確保等の地域づくりに向けた支援を一体的に実施するなど、地域や多様な団体との共創を図りつつ、「地域福祉教育総合支援ネットワーク」による包括的な支援を進めます。
地域の健康づくり、福祉活動の拠点である「まちの保健室」については、地域の様々な福祉資源を結ぶプラットフォームとして情報発信、認知度の向上に取り組み、相談支援体制の拡充につなげます。
また、生活困窮のリスクが高い方に対し、家賃支援、就労支援、家計改善支援などの一体的支援を行うことで生活基盤を支えてまいります。さらには、現に生活に困窮する方には生活保護制度の利用を図るなど、安心できる社会保障制度の運用を図ってまいります。
<施策名>文化をはぐくみ、次世代につなぎます
豊かな心と文化の息づくまちづくりの推進に向け、文化協会等の関係団体や市内高等教育機関と連携し、文化事業の充実に努めると共に、名張市美術展覧会等を引き続き開催し、市民文化の醸成に努めてまいります。あわせて、上級武家屋敷である名張藤堂家邸跡において、令和6年度から新たに取り組んだ芸術工芸等の展示会を継続的に開催するなど、施設の更なる有効活用を図ってまいります。
加えて、令和7年は昌福寺(夏見廃寺)建立1300年の記念すべき年に当たることから、記念イベントを通じて情報発信に努めてまいります。
さらに、地域に根付く伝統文化である能楽の振興のため、観阿弥祭などの関連団体が実施する事業を支援すると共に、令和7年10月に本市で開催される三重県能楽連盟主催の「第33回三重の能楽まつり」にも協力してまいります。
また、令和7年10月に本市で開催する「日本オオサンショウウオの会名張大会」に向け、オオサンショウウオが生息する「清流のまち名張」を全国に発信する取組を進めてまいります。
<施策名>共感を生む情報発信でひと・まち・行政をつなぎます
より分かりやすく、特に若者への訴求力を高めるため、令和6年度から広報なばりをカラー化しました。引き続き、市民参画型のシティプロモーションを進めるため、共感と共創が生まれ、多くの人がまちに愛着と関心を持ち、地域活動に参画できるような情報発信と市民参画を促すための広聴活動の充実に努めてまいります。
また、ブランドロゴを浸透させるため、市民自らがまちの魅力を語りたくなるようなツールを展開し、具現化してまいります。
<施策名>持続可能な住⺠自治を未来につなぎます
高齢化や地域の担い手不足が顕著になる中、地域づくり活動を維持していくため、時代に見合うようゆめづくり地域予算制度の見直しを図り、地域づくり組織がそれぞれの地域の課題解決や魅力向上に取り組んでいただけるよう支援してまいります。
加えて、名張ゆめづくり協働塾では、地域づくりを担う人材の育成を目的として、地域づくり組織の事務局機能の向上を図る研修を開催するなど、組織力強化の取組に努めてまいります。
また、若者が地域活動へ関わるきっかけづくりとして、各地域において中高生や大学生と連携した取組が広がっています。令和6年8月には、三重大学の学生9名を受入れ、地域の課題を学ぶ授業の一環として、市内クリニックや美旗地域でのフィールドワークに取り組みました。本取組では、現地学習を通して、まちづくり活動の楽しさを学ぶことができることから、引き続き、令和7年度も三重大学の現地型授業の受入れを行い、次世代を担う活動人口の拡大につなげてまいります。
<施策名>ひととひと、まちとまちを交通環境でつなぎます
集約連携型のまちづくりを目指し、地域間、拠点間をつなぐ交通軸を構築するため、鉄道、路線バス、コミュニティバス、タクシー等が円滑に連携し、誰もが分かりやすく、安心して利用できる公共交通ネットワークの整備に取り組んでまいります。
また、世代特性や地域特性を踏まえ、市民や地域づくり組織を含め産学官民の協働、連携により、多様化する移動ニーズにきめ細やかに対応できる交通網の再編を進めてまいります。
<施策名>ひととまちを次世代につなぎます
多様化する社会課題への対応や本市の持続的な発展に向け、東京藝術大学をはじめとする高等教育機関との連携に加え、民間事業者等との連携体制の仕組みを構築し、新たな施策の創出を図ります。
また、人口減少や少子高齢化など社会情勢の変化を踏まえ、近隣自治体と更に幅広い分野で相互に補完、協力し、定住自立圏構想による伊賀市等との具体の取組の推進など、広域的な関係づくりの強化を図ります。加えて、令和6年度に見直し策定を進めました「なばり新時代戦略(デジタル田園都市構想総合戦略版)」に基づき、人口減少を可能な限り緩やかにする取組、人口減少を見据えた持続できるまちづくりの取組を進め、本市の機能維持、発展に努めてまいります。
【基本施策3 つくる】
<施策名>多様性を認め合える男女共同参画と多文化共生のまちをつくります
令和6年度に実施した男女共同参画に関する市民意識調査の結果を踏まえ、「第3次名張市男女共同参画基本計画」の策定を進めます。また、これまでの成果や課題を基に、社会情勢の変化やSDGsの視点、家庭、教育現場、働く場、地域などあらゆる分野での共同参画と協働が進むよう啓発や取組を進めてまいります。
多文化共生社会の実現に向けては、多文化共生センターと連携し、外国人住民を支援する人材の育成や、外国人と日本人が共に地域で生活する上で必要な相互理解、環境づくりのための交流を進めるとともに、気軽に相談できる多言語相談窓口の充実に努めてまいります。
<施策名>⻘少年の健全育成と生涯学習社会をつくります
社会情勢が目まぐるしく変化していく中で、青少年を取り巻く諸問題は、多様化、複雑化、潜在化しています。その中で、多くの大人が、子どもの育ちに関わりを持って、相互に連携し合う、子どもを核とした生涯学習ネットワークの構築を進めてまいります。
また、子どもの居場所を充実させるため、放課後子ども教室等の子どもたちが安心して過ごせる場をつくると共に、地域と学校との多様な連携が更に進むよう支援してまいります。
<施策名>農業・農村の新たな価値をつくります
多彩な担い手が活躍し、価値の高い農産物づくりを目指す“なばり農業”の実現のため、担い手への支援や地域特産物の育成に引き続き取り組みます。
また、オーガニックビレッジとしてのステップアップを目指し、伊賀地域で有機農業により栽培された農産物のブランド化にチャレンジしてまいります。
加えて、地域と連携を図り、地域が主体となって取り組む農地等の適切な保全管理への支援を行ってまいります。また、水路や農道等の農業用施設の老朽化が進行する中、関係団体と情報共有を図りながら効率的な更新、補修に取り組んでまいります。
<施策名>環境負荷の少ない社会をつくります
将来にわたり持続可能なごみの適正処理を確保するため、令和6年4月に設置した伊賀市、名張市、笠置町及び南山城村ごみ処理広域化検討協議会において、ごみ処理の広域化・集約化の実現可能性等を検討するための基本構想の策定に向けた調査、審議を進めてまいります。なお、現在稼働しております伊賀南部クリーンセンターについては、操業開始から16年が経過し、昨年10月に1号砂循環エレベーターが破断故障するなど、老朽化が進んでいますが、市民サービスが低下しないよう必要に応じた対策に努めてまいりたいと考えております。
また、ごみの減量につきまして、市民、事業者及び行政における4R推進の実践に加え、生ごみ減量化に関する取組の強化を図るなど、更なるごみの排出量削減を目指すと共に、不法投棄や不適正排出のパトロールによる生活環境の保全に努めてまいります。
地球温暖化対策につきましては、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロとする「ゼロカーボンシティ」を目指し、環境マネジメントシステムの実践や公共施設の照明のLED化など、本市の事業による環境負荷の低減を図るとともに、太陽光発電設備等設置費の補助による再生可能エネルギーの利活用や脱炭素型のライフスタイルの推進など、市民や事業者の皆様と共に温室効果ガス排出量削減に取り組んでまいります。
<施策名>風土と暮らしが共生する魅⼒ある都市をつくります
集約連携型の都市構造の実現を推進するため、都市マスタープランや令和6年7月に策定した名張市立地適正化計画に基づき、都市機能、居住地域の高機能、高密度化を目指したまちづくりを進めてまいります。
また、地域間を連携するネットワークの整備として、名張市地域公共交通計画を踏まえた上で、社会情勢に応じた都市計画道路の合理的な見直しを行い、「コンパクト・プラス・ネットワーク」の都市形成を目指してまいります。
【基本施策4 すすめる】
<施策名>消防・救急体制の強化をすすめます
建築工作物等の構造変化や老朽化などに伴い、複雑化、多様化する火災、事故に適切に対応するため、消防職員数を増員するとともに、装備の充実と隊員の知識、技術の向上に努め、指揮、警防、救助体制の強化を進めてまいります。
また、高齢化の進行に伴い年々増加する救急事案への対策として、救急救命士を市立病院へ派遣し、連携・協力体制を強化すると共に、令和8年度からの日勤救急隊発足に向けた準備を進めてまいります。
消防団を中心とした地域防災力を強化させるため、軽量化と機動性を向上させた消防ホース等を本格的に運用し、火災対応への迅速化を図るとともに、大規模災害への対策として、道路が寸断し救助隊が被災地へ到着できなかった能登半島地震の教訓を踏まえ、バール等の震災系資機材を配備し、消防団と地域住民が協力して重量物除去などの救助活動が行える体制づくりを進めてまいります。
<施策名>未来を見据えた社会づくりを支える適正な土地利用をすすめます
自然災害に対する危険箇所、警戒区域等の指定状況を踏まえながら、名張市都市マスタープランや名張市立地適正化計画に基づき都市的機能の集約を誘導すると共に、農業振興地域整備計画をはじめとする関係法令等に定められた農地、森林、自然公園等を適切に保全し、秩序ある土地利用に取り組んでまいります。
また、地籍整備につきましては、所有者不明土地の解消や適正な土地の利用及び管理を促進するため、第2次地籍調査事業実施計画に基づき、令和6年度に引き続き箕曲地区での地籍調査を進めると共に、完了した地区の早期認証、登記手続きを進めてまいります。
<施策名>社会変化に対応した行政改革とデジタル改革をすすめます
デジタル技術を活用したツールの導入により、アナログで非効率な業務を効率化し、オンラインでの手続や情報提供を充実させ、持続可能な行政サービスの提供を目指します。加えて、働き方改革の一環として、開庁時間及び電話対応時間の短縮を実施し、職員がより集中して業務を遂行できる環境を整えると共に、短縮により確保した時間は業務改善等に向けた取組に活用し、市民サービスの更なる向上に努めてまいります。
また、入札参加者の利便性の向上及び入札事務の効率化を図るため、電子入札システムを導入し、令和7年度より運用を始めてまいります。なお、老朽化が進む公共施設等については、引き続き、劣化状況調査を実施し、より効率的、効果的な公共施設等の再配置を行うための検討を進めてまいります。
働きやすい職場環境づくりに向けて、必要な職員数を確保するため、職員採用を計画的に行いながら、適正な人員管理に努めるほか、職員のマネジメント能力を高めることを目的とした階層別研修等の充実により、職員の意識改革と人材育成を進めてまいります。
<施策名>持続可能な財政運営をすすめます
令和6年度に策定した名張市行財政改革プランに掲げる財政健全化に向けた歳入確保及び歳出削減の取組を確実に推進することにより、見込まれる単年度赤字額を削減し、財政の健全化を図ります。
また、本市の財政状況を広く分かりやすくお知らせしていくと共に、決算、行政評価から予算編成、予算策定までの流れの見える化を進めます。
【基本施策5 ささえる】
<施策名>市⺠の健康をささえます
第5次健康なばり21計画及び第3次歯と口腔の健康づくり計画に基づき、市民が主体的に取り組む健康づくりを総合的に支援するとともに、生活習慣病の発症予防、重症化予防など具体的な取組を進めてまいります。
また、第2次名張市ばりばり食育推進計画に基づき、食育に係る関係者の連携を図り、子どもから成人、高齢者に至るまで、生涯にわたって大切にしたい食育の取組について、積極的に情報提供に取り組んでまいります。
<施策名>地域の医療をささえます
県の第8次医療計画に基づき、関係機関や伊賀地域の3つの基幹病院とともに、病床の機能分化・連携や新興感染症対応を踏まえた医療提供体制の構築、在宅医療の充実に係る協議を進めます。また、二次救急医療体制の確保のため、3病院による救急輪番体制や一次医療と二次医療の適切な役割分担と連携強化に引き続き取り組みます。
周産期医療体制の確保については、緊急時の移動等のフォロー体制や、心配事の相談ができる仕組みの構築、産後ケアの充実等に取り組むなど、出産を控える妊婦への支援等の短期的施策と、市内で分娩できる体制整備等の中長期的施策を進めてまいります。
引き続き、市民の皆様が安全に、安心して出産し、子育てできる環境の整備に取り組み、妊娠・出産・育児の切れ目のない支援を進めます。
<施策名>高齢者の安心した生活をささえます
名張市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画に基づき、介護予防及び重度化防止の推進、認知症施策の推進、在宅医療の充実と在宅医療・介護連携の取組を進めてまいります。
また、取組の効果の検証を行い、介護サービス基盤の計画的な整備や介護給付費の適正化、在宅生活を支えるために必要なサービス提供に向けた施策等の検討、推進を図ると共に、高齢者が住み慣れた地域で生活するための安心、安全を確保できるよう、地域や関係機関と連携し、医療や健康づくり、介護予防の一体的な取組等を更に進めてまいります。
<施策名>障害者の自立と社会参加をささえます
名張市障害者福祉計画等に基づき、障害者が生活する上で複雑化、多様化する課題やニーズに対し、関係機関と連携しながら支援の充実を図ってまいります。あわせて、地域で安心して暮らせるよう、関係機関や支援者間の連携強化と調整を進め、全ての障害者が本人の意思確認を自身の力で最大限行えるよう支援者のスキルアップの促進を図るなど、今後も障害者の意思決定支援等を現実のものとする取組を進めてまいります。
<施策名>安全な⽔道⽔で市⺠のくらしをささえます
水道施設の管路、機械、電気設備の更新及び改良を計画的に進め、国の上下水道DX推進事業を活用し、富貴ケ丘浄水場中央監視制御設備の更新に着手することで、安定したライフラインの確保に取り組むとともに、水道水の水源となるダムや川の水質を的確に把握し、おいしさやにおいに影響する原因物質を取り除くなどの措置を講じることにより、浄水場における水質管理を維持してまいります。
【基本施策6 ととのえる】
<施策名>生涯スポーツができる環境をととのえます
市民一人一人が、ライフスタイルに応じたスポーツやレクリエーション活動に親しめるよう、関係団体等と連携し、スポーツの日常化を図ることができる環境づくりに取り組んでまいります。
老朽化するスポーツ施設等については、安心安全に利用できるよう指定管理者と連携した施設の維持管理を行うと共に、スポーツ施設の整備を図るため、ネーミングライツをはじめとした財源確保の取組にも努めてまいります。
また、本市が進める「ホッケーのまちなばり」の取組については、令和7年3月にホッケー日本代表選手等をゲストに迎え、「夢を追うのは君の番!なばりホッケー教室」を開催します。今後も大会やイベントを通した市民の機運向上とまちづくりの活性化に引き続き取り組んでまいります。
<施策名>活動や憩いの場となる緑地や公園の環境をととのえます
公園、緑地の本来の機能である快適な緑地空間の確保を推進するとともに、地域づくり組織や市内のボランティア団体、NPO法人など多様な主体と連携、協力しながら、都市公園等の適切な維持管理を行い、全ての市民によって身近で快適な都市緑地空間の創出に取り組んでまいります。
また、利用者の多い公園を対象にインクルーシブ遊具の設置検討を行うなど、ユニバーサルデザインの理念に基づき、誰もが安心して利用できる公園整備を進めてまいります。
<施策名>家や住環境をととのえます
増加する空き家については、空き家バンク制度や空家リノベーションの支援、ふるさと納税制度を活用した空き家管理サービスなど、所有者の経済的状況や家庭的な実情に合わせ、寄り添った相談に努め、効果的、効率的な適正管理を促進すると共に、利活用が困難で危険な空き家等の除却の支援を行ってまいります。
また、耐震性が不足する木造住宅については、耐震診断から耐震補強へと、災害に強い住宅を目指したきめ細かな支援を実施してまいります。あわせて、高齢者や障害者が暮らしやすい住宅、子育て世帯が移住定住できる住宅の促進のため、住宅の「質」の向上に努めてまいります。
<施策名>下⽔道で快適な住環境をととのえます
中央処理区内の未整備地の整備促進や、美旗地域への区域拡大整備を進めるとともに、中央浄化センターにおいて、水処理施設の増設事業に取り組んでまいります。
また、中央浄化センターの監視制御設備の更新など下水道施設の老朽化対策に取り組みながら、既存施設の規模、処理方式の適正化や再編、統廃合などの検討を行ってまいります。
【基本施策7 まもる】
<施策名>みんなの人権をまもります
令和7年4月に新たに策定する第4次名張市人権施策基本計画に基づき、あらゆる差別を解消し、一人一人の多様性が尊重され、互いに認め合い、支え合う誰一人取り残されることのない共生社会の実現に向け、人権課題に対して正しく理解し、行動できるように啓発を進めるなど行政のあらゆる分野において人権尊重の視点に立ち、各施策を推進してまいります。
<施策名>犯罪や交通事故からまもります
警察や地域の防犯及び交通安全に関する取組と連携し、多様な主体による地域全体での見守り体制を強化することで、子どもや高齢者を含む全ての住民を犯罪や交通事故から守り、安全に暮らせるまちづくりを推進してまいります。
<施策名>防災・減災でまちをまもります
南海トラフ地震や、これまでに経験のないような豪雨など、災害に対する備えを万全にするため、関係機関との連携を強化するとともに、総合防災訓練を通じて地域の実情に応じた主体的な訓練への支援を行ってまいります。加えて、能登半島地震から得た教訓を踏まえ、避難所の環境整備や孤立集落への対応を強化し、配慮が必要な方々の円滑な避難行動を実施するための取組を進めます。
また、土砂災害防止の砂防堰堤事業の円滑な推進などを通じ、引き続き、関係地域の皆様と共に災害に強いまちづくりに向け取り組んでまいります。
名張かわまちづくり一体型浸水対策事業については、名張川引堤及び河道掘削の推進など、事業主体である国土交通省と連携し、継続的に取組を進めてまいります。加えて、地域の活性化・賑わい創出・観光振興を一体的に推進するため、河川の背後地を地域振興拠点エリアとして、来訪者を受け入れるための駐車場、トイレ、遊具等を備えた親水空間を整備すると共に、歩きたくなるまちなかの整備を一体的に実施することで、かわまちエリアとまちなかエリアの間に新たな人の流れを生み出すための取組を進めてまいります。
<施策名>生活の環境をまもります
工業団地を中心に、事業者との自主的な規制基準等を定めた環境保全協定の締結及び協定に基づく測定報告による観測を進め、公害による被害の未然防止に取り組んでまいります。
また、水質、土壌及び騒音振動などの調査、分析を継続的に実施し、良好な水質の保全や土壌汚染の防止を図るなど、生活に影響を及ぼす環境負荷の低減に努め、快適で安心した生活環境を守ります。
<施策名>道路をつくり、道路をまもります
幹線道路のネットワーク化による代替機能の向上と広域道路網の整備を促進すると共に、ユニバーサルデザインを基本とした道路空間の質の向上を進めてまいります。
また、名阪国道への重要なアクセス道路である国道368号の4車線化事業及び東西の基幹道路である国道165号の整備促進につきましては、「国道368号改修期成同盟会」及び「国道165号(中和津道路)整備促進協議会」において、事業主体である三重県並びに関係自治体と連携し、取り組んでまいります。
橋梁については、法定点検を継続して行い、予防保全型へ管理手法の転換を図るとともに、既存橋梁に対しては効率的、効果的なメンテナンスサイクルを継続いたします。また、地域と連携した維持管理の実施を行うとともに、各要望につきましては事業効果を検証し、整備を進めてまいります。
令和5年6月の集中豪雨により被災した坂の下橋の復旧につきましては、国の災害認定を受け、工事を進めており、令和6年度に橋脚の設置工事、令和7年度に上部橋桁の設置工事を行い、令和8年4月の供用開始に向け、事業を推進してまいります。
5.おわりに
以上、市政運営に対する所信と講じるべき主要施策について申し上げました。
冒頭でも申し上げたとおり、本市を取り巻く状況は非常に厳しく、人口減少、少子高齢化による将来の地域の担い手不足など、複雑化する地域課題を抱えています。あわせて、財政面でも、令和6年11月に中期財政計画を発表し、大変厳しい財政状況であることをお知らせしました。これは不安をあおっているわけではなく、何より市民の皆様に正確な情報をお伝えし、まちの課題を共有し、共にまちの課題を解決したい思いでお知らせしたところです。
「なばり新時代の大改革宣言」の発出と合わせて策定しました名張市行財政改革プランでは、“変化を受け入れ、未来を共創する”を基本理念に掲げております。名張市職員一丸となって、単に厳しい財政状況の回避策を遂行することに留まらず、創造的な発想で新たな価値を生み出し、市民の皆様の満足度を高める取組を進めることで、10年先、名張に関わる全ての方が“名張が大好きだ”と言える持続可能で豊かなまちを皆様と共に創ってまいります。
“No Retreat No Surrender(ノー リトリート ノー サレンダー)”、“決して後退しない、決して負けない”という言葉であります。本市を取り巻く厳しい環境から逆襲をしていく、反撃していく、そういう思いでこれからも市政運営を進めてまいりますので、市民の皆様におかれましては、より一層のご支援、ご指導をお願い申し上げ、施政方針といたします。
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