市長から市民の皆さんへメッセージ（令和3年12月）

　早いもので、今年も残すところ1カ月となりました。

　一年の締めくくりの月でもあり、本格的な冬の到来に備えて、何かとお忙しいことと存じます。

　一年を振り返りますと、本年も再三にわたり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の波が押し寄せ、その対応に追われた一年でした。

　特に、8月から9月にかけては、本市でも感染が急拡大し、ひと月に100人を超える感染者が発生するなど、かつて経験したことのない危機的な状況となりました。

　そのような厳しい状況の中、患者の命を守るため、昼夜問わず最前線で懸命に治療等にあたられた医療従事者の皆さん、そして、外出や移動の自粛をはじめ、飲食店などでの営業時間の短縮、公共施設の臨時休館やイベントの中止など、度重なる厳しい感染対策の要請に応じていただきました市民及び事業者の皆さんのご協力により、本市では、医療提供体制の崩壊といった最悪の事態は回避することができました。

　ただ、全国的な感染拡大の影響によりまして、本年開催予定でありました「三重とこわか国体・とこわか大会」の中止及び延期申請の見送りが決定されることとなり、国体出場を目指し、競技に励んでこられた選手及び監督をはじめ、地元での国体開催を楽しみにしておられた大会関係者や市民の皆さんにとりまして大変残念な結果となりました。

　一方、本市では新年早々、新型コロナウイルスワクチン接種推進本部を立ち上げ、国や県、関係機関と連携を図りながら、円滑かつ迅速なワクチン接種体制の整備を進めてまいりました。

　国からのワクチン供給が不透明な状況でしたが、医療関係者をはじめ、名張商工会議所や各事業所の皆さんのご理解、ご協力により、11月中に概ね8割の市民の皆さんが2回目のワクチン接種を済ませていただきました。

　本市では現在、2回目の接種が完了された方への3回目接種の準備を進めており、第6波に備えて、引き続き、国や県、関係機関との連携を密にしながら、抜かりなくワクチン接種体制の整備を進めてまいります。

　また、平成29年の台風第21号による東山墓園第1期区域内の被災については、本年3月、ようやく崩落箇所の本復旧工事が完了、9月には合同追悼所が完成し、全ての復旧工事を完了することができました。

　墓園のご使用者、ご家族の皆さんには、被災から4年の長きにわたり、ご心配をおかけいたしましたことを改めてお詫びいたしますとともに、復旧作業にあたり多くのボランティアやシルバー人材センター、関係者の皆さんのご尽力を賜りましたことに、深く感謝申し上げます。

　ご案内のとおり、先月10日、第2次岸田内閣が発足しました。

　去る11月19日に閣議決定された「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」では、新型コロナウイルス感染症の「第6波」に向けた対策として、病床確保や自宅・宿泊療養者に対する対策の徹底など医療提供体制の強化を図ることや、ワクチンの追加接種の無料実施や治療薬の確保に取り組むことなどが盛り込まれておりますほか、新型コロナウイルスの感染拡大により影響を受けた人たちへの支援や経済の立て直しに向けて、18歳以下の子どもがいる世帯や生活困窮者、経済状況が厳しい学生らを対象とした支援や看護・介護・保育職等の処遇改善を図ることなどが含まれており、国と地方の歳出などを合わせて、総額55兆7千億円の規模となっております。

　本市では、国補正予算を効果的に活用し、スピード感をもって取組を推進してまいりたいと考えております。

　年末年始にかけて、飲酒や会食の機会が増えてまいりますと、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザの感染リスクが高まってまいります。また、海外ではヨーロッパなど新型コロナウイルス感染症が拡大傾向にある地域もあり、最も警戒レベルが高い「懸念される変異株」に位置づけられる新たな変異株「オミクロン株」も現れるなど、警戒すべき要因が多くあります。
　ワクチン接種を済まされましても、「マスクのしっかりした着用」「丁寧な手洗いと手指消毒」「こまめな換気」「人混みを避ける」など基本的な感染防止対策とともに、「マスク会食」「黙食」の実践など、感染リスクの高い場面では感染防止対策を徹底いただきますようお願いします。

　時節柄、ご健康には一段とご留意いただき、お健やかに新しい年を迎えられますようお祈り申し上げ、本年最後のご挨拶とさせていただきます。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　令和3年12月

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　名張市長　　亀　井　　利　克