市民の皆さまへ(中学校給食事業の整備方針の変更について)
更新日:2025年5月28日
市民の皆さまへ(中学校給食事業の整備方針の変更について)
本市は、昨年11月に「名張市行財政改革プラン」を策定し、中期財政計画(令和6年度ローリング版)を踏まえた行財政改革の取組を進めています。この取組の成果といたしましては、令和7年度当初予算におきまして、約5億2千万円の効果額を確保できました。
しかしながら、このような状況のもと、市立病院の直近の経営状況や「中期計画」を踏まえた収支改善に向けた精査を行ったところ、これまでの見込みを上回る繰出金の増額が必要となり、このことが今後の行財政運営や施策、事業の推進に多大な影響を及ぼすことが明らかになってまいりました。
市立病院が、市民に良質かつ安全な医療を提供し、地域の医療機関と連携しながら市民の命と健康を守るという使命を果たしていくために、市といたしましても、一般会計から追加の財政支援を行っていく必要があると考えています。
また、中学校給食につきましては、昨年11月以降、手法や財源確保の見通しについて検討を重ねてまいりましたが、大きな削減には至らない結果となりました。
加えて、トランプ関税や経済状況の変動による税収への影響、人件費や物価・エネルギー価格の高騰など、不安定な要素が多く存在するため、現時点において今後の財政状況の見通しが困難な状況にあります。
こうした状況の中、この度、中期財政計画(令和6年度ローリング版)の時点修正とともに主要施策の方向性の検討・整理を行いました。
そして、その結果、市民の健康や生命を守るべく市立病院の維持・存続を何よりも優先すべきであると判断し、中学校給食の事業着手を当面の間延伸することを決断しました。
中学校給食は、私の公約の一つであるとともに保護者や市民の皆様からも大きな期待を寄せていただいています。事業着手の延伸は、正に断腸の思いでありますが、市民の皆様に丁寧に説明し、ご理解いただけるよう努めてまいりますとともに、市民の命と健康を守るため、市立病院が持続的かつ安定的に地域医療を提供し続けることのできる経営基盤の確立を図りつつ、財政の健全化の見通しを立てながら、この困難な状況を乗り切っていく決意でございます。
延伸期間については、現時点では明確な見通しを示すことは難しい状況でございますが、中期計画による市立病院の経営改革の取組効果が表れ、改善の道筋が見えた段階で、改めて総合的に判断することといたします。
今後も、市民の皆様のご理解ご協力を得ながら、さらなる事業精査や行政組織のスリム化、新たな財源の確保、事務事業や公共施設の見直し、加えて従来の枠組みを超えた広域連携や公民連携などに取り組み、財政危機からの早期脱却を目指すとともに持続可能な行財政基盤を着実に構築してまいります。
引続き、職員一丸となって抜本的・集中的に改革を進め、人口減少社会に立ち向かうフロントランナーとして果敢にチャレンジをし、どこよりも早く人口減少社会に対応した、未来に選ばれるまちを目指してまいりますので、市民の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
令和7年5月27日
名張市長 北 川 裕 之