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名張市

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令和元年7月4日 青蓮寺オーラック

更新日:2019年9月3日

市長のまちかどトーク実施結果

  • orakku.JPG

市長のまちかどトークでみなさんからいただいたご意見と市長のコメントをご紹介しています。 
内容は記録にもとづいて掲載しています。

掲載日:令和元年8月15日

開催日時:令和元年7月4日 木曜日 午前10時~
開催場所:青蓮寺オーラック
出席者:約50人




ご意見と市長のコメント

<市長>
 私は、障害や難病の有る無しに関わらず、全ての市民の社会参加が叶う互助共生社会を目指そうと市民の皆さんと取り組みを進めてまいりました。そんな取組を10年くらい続けていきますと、さまざまな成果が表れてきました。平成25年から15歳未満の人口は、転出より転入が上回って、昨年から40歳から64歳までの方の人口が転出より転入が上回っています。また健康な方も多くいらっしゃいます。健康寿命では全国平均で男性が75歳、女性78歳なのに対し、名張市は平均で男性が79歳、女性が81歳です。介護認定を受ける方も少ないです。全国平均は18%ですが、名張では16%です。名張市が若いのではありません。高齢化率は全国平均で28%に対し、名張は31%と高いにもかかわらず健康な方が多いのです。名張市は、市民の皆さんのさまざまな活動によって支えられています。

 名張がこれだけ成果を上げてきていると、国もやらなければならないと平成28年に地域共生社会実現本部を立ち上げました。名張の取り組みを研究しようと大臣や政務官、大学研究者、先日はNHKの解説委員にも名張に視察にお越しいただいています。どうしてこんなまちになったのか、国が調査し、全国に横展開していくようです。

 他にも名張がやってきたことが、全国に横展開しているものがあります。子ども・子育て支援の方法「名張版のネウボラ」です。名張が始めると国が実施するようになる事業が増えています。また、ビックデータ活用による地域包括ケアシステムなども東京大学の生産技術研究所が研究しています。これも横展開していけるようにと思っているところです。

 今から進めていかなければならない重要なことは、3年ほど前から始まった共生型サービスです。高齢者はいずれ障害を持ちます。障害がある人もいずれ高齢化していきます。それぞれ1つのサービスでつなげてやっていかなければならないと始まったのが共生型サービスや共生型施設です。小さな自治体にいくと、高齢者、障害者、保育園と分けて施設を持つのは大変です。1つの施設でこれらの福祉サービスが一体となった施設が必要です。

 それでは、職員はどうしたらいいのかという問題があります。看護師、保育士などなかなか人員確保はできません。それぞれ資格がある人が一定の研修を受ければ別の資格も共有できるような仕組みをつくり福祉人材の確保をしたいと思っています。フィンランドで「ラヒホイタヤ」といってこの仕組みが進められていますので、また厚生労働省などにも掛け合っていきたいと思います。

 課題もあると思いますので、皆さんのご意見を市政や県政に反映ができればと思っています。

 

【意見交換】

Q: 
ショートステイで何かあった時に気付いてもらえない。仲間と安心して暮らせるグループホームがほしい。

市長より
ショートステイでは24時間365日体制ではないので不安だというお話ですね。グループホームなら仲間や、何かあったときも施設職員が対応してくれます。施設長さんのお話しもありましたが、グループホームの申請をいただいているのですか。

市担当より
今月27日までに申請するということで施設の方と協議しています。これは、県で審査となるわけですが、この施設の申請が叶えられるように我々も協力していきます。これまでオーラックさんは、同一敷地内でグループホームを建設する予定の申請をしていただいておりました。国は、日中の活動の場と生活の居宅の場は別にしてくださいという方針があり県の優先順位も低かったのではと思います。今年につきましては、隣接の百合が丘住宅地に土地をお求めになられるということで申請を出していただく予定ですので、かなり優先順位が上がってくるのではと思います。

市長より
私が思うに、本来は、これまでこうだったからという規定や規約は変えていかなければならないと思いますね。申請が通るようにできることは協力します。

Q: 保護者からのメッセージを代読させていただきます。
現在、市内では重度心身障害者の受け入れ施設が乏しく、受け入れ可能な「はなの里」でも2床しかありません。私が入院することになった2ヶ月間、短期入所を希望していましたが、6日間行くところがない状態でした。安心して預けられる場所を探してほしかったけれど、関係機関の対応に時間が掛かり不安を抱えた状態でした。緊急時の対応、重度心身障害者の子が安心して預けられる場所を確保してほしいと切に願います。

市長より
 重度心身障害者の方の受け入れ施設はなぜ少ないかというと、先ほど申し上げましたが、高齢者や障害者の施設が別々になっていることです。ネックになっているのが、職員がいないということです。専門職種を兼ねられるように制度設計をして進めようと思っても「我々の仕事はそんなに軽いものじゃないと。」関係団体にもっていくと猛反発に合います。この問題を応急的にでも何とかならないかということだと思いますので、機会があれば施設にもお願いしていきたいと思います。しかし、職員がいない、体制が整っていないなどの理由で対応できないと言われると、何かあっても困りますし、難しいことはご理解いただきたいです。早く解決していきたいと思いますが。
 鳥獣害防止柵は、国補事業で実施しており、市(獣害協議会)が購入した資材を地元の皆さんが施工いただくことで全て補助で賄えますが、事業の要件として1mあたりの上限単価が設定されております。扉の材料費までは上限単価を超えるため全ての地域でお断りしている状況です。
 なお、他の地域ではさまざまな形で、支給した材料の中で扉を自作するなどの対応をしていただいておりますので、また他の事例などもご紹介させていただきます。

Q:以前から視力障害がありましたが、主人の看病も経て、今、視力低下も進み身体障害者手帳2級です。どう生活すればいいのが不安でしたが、地域の民生委員、まちの保健室、配食ボランティアの方などとうまくつないでいただき、日常生活に不安を感じないように皆さんの手助けをいただきました。市へどんなサービスが受けられるか相談すると、白杖を持ちなさいと教えていただき、自宅で短い訓練を受けました。また本を読みたいという私の願いを叶えるため、視覚障害者用のライトも持って来てくれました。私は障害を持っても、重度であっても一人で外出もしたいし、生活もしたいと市役所にもお願いに行きました。自分の言葉でサービスを受けることを希望し、一人で何とか生活したいと思いました。この施設の利用者の皆さんも、何かしたいという気持ちがあると思います。特別なことではありません。
 
名張は、素敵なまち、福祉に手厚いまちですが、すみずみまで行き届いているのでしょうか。グループホームが百合が丘にできて、地域と連携、つながっていくことを期待します。

市長より
 人は生まれながらや不慮の事故など、さまざまな形で障害を持ちます。そうなっても生涯を通じて名張での生活が叶えられるようなまちをつくっていくことが大きなテーマです。共生社会の実現、皆が助け合う社会です。今、まちの保健室が大きな役割を果たしてくれています。いろんな所をつなぎ社会的処方という取組をしています。体がしんどい時、診察や検査、投薬は医療行為で医師しかできません。この人はどうしてこうなったのか。これからどう生活をすればよいのか。などを考えていける人が必要だと思います。まちの保健室の役割を全国に広げていきたいと思います。
 すみずみまで行き届いているかというご指摘もありました。これからも啓蒙啓発に取り組んでいきたいと思います。

Q:オーラックの施設の利用者は、他の施設より重度の方が多い。それで職員の方は大変熱心に対応していただいています。この子たちを世話していただくのは、この施設でないと無理だと思います。

Q:この施設で16年前から子どもがお世話になっています。私ども夫婦とも60歳を超え、先日医者から将来、心筋梗塞や脳梗塞になると脅かされました。年齢に勝てずこの子ともいずれ別れがくるのだと思います。

市長より
 お父さん、お母さんはできるだけ長く、このお子さんとの生活が叶えられるように健康づくりに努めていただきたいと思います。障害のある方も生まれてきて良かったと言ってもらえる社会にすることが私の務めでもありますので、ご協力ください。親なき後の課題ですが、安心が叶えられるようにやっていきたい。

Q:ボランティアとして17年くらい通っています。オーラックのテーマソング「僕らはみんな生きている」の替え歌で、‟利用者、保護者、職員、ボランティアも通っている~“という詩もあります。オーラックは皆の生きる場所となっています。利用者さんの生きる姿勢に感銘を受け、私ができる得意分野で皆さんの活動の幅を広げたいと思っています。我々はボランティアですが、職員さんは常に利用者の身体の状況を把握し、配慮しています。利用者と職員さんの間にはつながりがあります。施設の中では安心して生きられます。しかし、施設にいる平日6時間以外は保護者のもとで生活しています。この時間をもう少し、社会の中に取り込んで、自立していく場面が必要だと思います。グループホームとして生きる場所ができたら、さらに多くの人々がボランティアとして参加して地域の輪が広がり、気軽に子どもたちとも交流できたらと思います。

市長より
 最後にまとめになりますがなぜ、共生社会なのか。日本の社会保障制度は、2025年~2042年の山をどう越えて行くかが最大の課題です。2025年には3人に1人が65歳以上。5人に1人が75歳以上です。2042年の社会保障費は190兆円になり、今の1.6倍になります。これはどうやって凌ぐのか。消費税を30%にもできないし、経済GDPをもっと伸ばすことも難しい。政府に任せていきますが、我々自治体も給付を抑えることなどしていかなければならないです。福祉の専門職の方々と多職種連携ができるように、また、まちの保健室の取組も充実させていきます。
 共生社会は、江戸時代のような皆で助け合っていく社会です。これからの社会は、野球型からサッカー型にしていかなければなりません。自分のポジションだけ守る野球型ではなく、サッカーのように守るときも攻めるときも全員で何役もする。支えられる人が多い社会では、皆が支え合っていかないと成り立ちません。できる範囲の中でやってくれればいいのです。そんな意識の人がひとりでも多くいる社会にしたいと思います。
 課題や要望は、我々としてもこれからの市政に反映させるよう努力していきます。


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