平成27年5月7日 喜楽会・たんぽぽ
更新日:2016年4月12日
市長のまちかどトーク実施結果
内容は記録にもとづいて掲載しています。
掲載日:平成27年6月16日
開催日時:平成27年5月7日木曜日 午後1時
開催場所:南富貴ヶ丘集会所
出席者:38名
ご意見と市長のコメント
今、地方創生、活性化が叫ばれている。
東京圏では、一極集中で転入超過が10万人に達している。若い世代の都市部の出生率は1.1。2.1人産んでもらわないと人口が増えることはできない。全国では1.43、名張市では1.47。地方を元気にして、若い世代に子育てしてほしい。市では、地方創生の戦略を立て、5年間かけて事業を実施していく予定である。
現在、国の予算で、社会保障関係費にかかる割合が非常に多い。また、社会保障給付費のうち、年金が56兆円、医療で40兆円、介護10兆円で高齢3給付と言われている。医療費の半分も65歳以上の人にかかる分であり、今の社会保障給付費はほとんどが高齢者に使われている。子ども子育てにかかる社会保障費は、5兆円しかない。もっと子育て政策に力を入れないとならない。
高齢化が進み、医療も高度化している。日本は、国民皆保険制度があり、安心して病院へ受診できるシステムがある。諸外国に比べても国民一人当たりの病院受診率は多いが、受診1回当たりの医療費は少なくて済んでいる。これは、保険の制度があることで重症化する前に病院へ行くことができ、医療費の抑制につながっているということ。この保険制度を維持していかなければならない。介護保険料も見直しして今年度から3年間、500円値上げになった。医療費や介護給付費をどう抑制していくのか。「病院・施設から在宅へ」この流れを確かなものにしていきたい。
しかし、課題も多い。一人暮らしや認知症になる高齢者は、10年後700万人になると言われている。それで在宅介護を進められるのか。国は、介護保険制度で要支援の認定を受けた人を地域で見守りしていく方法に3年後から改正させる。名張は、住民熟度が高いまちで、すでに住民同士の支え合い事業が進んでいる。今年10月から実施できる地域からやってもらおうと考えている。
また、名張は元気な高齢者の方が多い。病院や他人の世話にならないで生活できるという「健康寿命」は、名張は、男性は78歳、女性が81歳。平均寿命と健康寿命の差を何とかなくしていきたいと考え、健康なばり21計画や名張ばりばり現役プロジェクトを進めている。
人口増減には、自然増減と社会増減がある。名張は、出生数が平成25年で680人、死亡は約700人であり、自然減は近づくことができそうな数字。しかし、社会増減の転入者は約400人、転出者は約600人で約200人が社会減している。進学や就職による転出する社会減を止めることは難しい。
― 意見交換会 ―
<意見>地域支援の取組で、当地域でも助っ人の会というものがあり実施している。しかし、なかなか広がっていかない。市や社協が主体実施してもらった方が利用しやすいのではないか。
<市長>地域づくり組織ごとで実施してもらうと、市も予算的にも支援していく。
<意見>名張の人口減の対策。就労先の確保など人口増加させる施策を検討しているのか。
<市長>名張では、平成12年から人口が減少している。そんな中、進めている施策が、「生涯現役のまちづくり」健康づくり、生きがいづくり、ボランティアや生涯スポーツなどを通じて、いきいきと生活してもらうこと。そして「産み育てるにやさしいまちづくり」の子育て支援策だ。
人口を増やしていくには、
- 安定就労
大きな工場誘致は土地がないためできない。名張に住んで、大阪など市外に就職でいい。名張では、閉校になった校舎に企業を誘致、福祉分野でも就労の場は拡大している。しかし、このまちの規模で全てを完結することは難しい。
- 結婚
独身の人の90%は、結婚したいと考えるが出会いがないらしい。出会いの場を提供する婚活事業も委託事業として団体に実施してもらっている。
- 住宅
増えた空き家を子育て世代に活用してもらおうと、国土交通省のモデル事業の採択を受け、桔梗が丘地域で進めている。
- 妊娠・出産・育児
名張版ネウボラ(充実した子育て相談)を全国に先駆けて実践。
- 保育
0~2歳の待機児童をゼロにしたい。0~2歳児には3人に1人の保育士が必要で、保育士の確保が課題。
- 教育
特色ある教育で小中一貫の学校など整備したい。
これらの一連の流れができないと人口増は難しい。また、進学や就職、結婚による転出は止めることもできない。日本全体の人口増として考えていく。
介護や保育は、核家族化が進み社会環境として難しい課題が多い。フランスなどでは、大家族に対して税金が安い制度(N分のN乗方式)ある。大家族なら家で保育も介護もできる。看取りができれば子どもたちの命の教育もできる。
保育所や高齢者施設を増やしていくことより、社会全体を根底から見直していく必要があると思う。
<意見>介護保険の要支援の認定を受け、リハビリのサービスを利用している。10月からどのように変更するのか。
<市長>体制が整った地域から要介護の状態に進まないように、広場・つどいの場で、認知症予防・介護予防の事業を進めてもらおうと考えているので、利用してほしい。
<意見>高齢者の事業を富貴の森を借りて実施しようと申請をしています。
<市長>高齢者と子どもの交流は、どちらにもメリットがある。全国の中山間地域では、保育所と高齢者施設を併用させる検討も始まっているくらいだ。
<意見>元気な高齢者が学校で子どもたちと触れ合える機会がほしい。ボランティアなど高齢者ができることを積極的に呼び掛けてほしい。また、市をあげてのイベントも検討してほしい。地域づくり単位でも実施しているが参加者も少ない。
<市長>子どもたちとの触れ合いについては、保育所などの保護者協議会、福祉や子育ての分野でも調整したい。
<意見>企業の本社が地方に移転するニュースがあったが、三重県でもそんなことはできないか。大阪に住む孫が将来は名張で働きたいと言っている。そんな若者もいる。
<市長>三重県知事が率先してやってくれている。名張が好きという人、また農業をしたくて名張に移住を決めた人もいる。その人らをサポートしたいし、農業の6次産業化も進めたい。
<意見>ガンなどの治療で月の医療費の支払いが5~6万かかる人もいる。高額医療ということで後から戻ってくるが、年金者には一旦窓口で支払う負担が大きい。
<市長>国の制度で決められたことで、名張だけで変更することはできない。交付税にも影響が出る。医療費を多く使う血友病疾患の方は、1年間で1億5000万くらいかかる。この方らは保険でサポートしていかなければならない人。しかし、不摂生による生活習慣病は何とか防いでいきたい。
<意見>健康づくりなど分かっていても高齢者はできない。1日1万歩達成した人を市で表彰するなど奨励してほしい。
<市長>地域づくりで進めていただければ助かる。健康づくりのためにラジオ体操など毎日実施している地域もある。
午後2時20分終了