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名張市

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令和5年度教育行政の方針と施策

更新日:2023年02年28日

はじめに

 

 名張市議会3月定例会の開会に当たり、令和5年度の教育行政の方針と施策を申し述べ、議員の皆様、市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、教育現場におきましても、「子どもたちの学びを止めない」ために、学習活動や行事に様々な創意工夫をするなど、取組を継続しているところです。昨年の夏頃から少しずつではありますが、各学校において感染対策を講じながら、小学校のプール水泳授業や本格的な運動会の実施、また、小中学校音楽会、学校・園美術展覧会を開催するなど、児童生徒の活躍する姿や満足感を得た笑顔を目にすることも増えてまいりました。
 そのような中、コロナ禍の影響から不安や悩み、ストレスを抱える児童生徒の心のケアに取り組むとともに、子どもたちが主体的に取り組み、自ら考え、新たな価値を見い出す力を身に付けるために、教育の果たす役割がますます重要になっていると深く感じているところです。

 教育委員会では、「第二次名張市子ども教育ビジョン」に掲げる六つの基本目標の達成を目指し、市長部局や関係機関と緊密に連携・協調しながら、教育施策を着実に推進し、市民の皆様の信頼と期待に応えるべく、本市教育の更なる充実に取り組んでまいります。

 それでは、新しい市総合計画「なばり新時代戦略」に定める施策ごとに、教育行政の方針と施策を申し述べます。


1.はぐくむ

《学校で元気な「ばりっ子」をはぐくみます》

(1)就学前教育

 小1プロブレム等就学時の課題を解決し、小学校教育への円滑な接続を図るため、退職教員からなる「ピカ1先生」を市内公立私立全ての幼稚園・保育所(園)・認定こども園に派遣し、5歳児を対象とした「ばりっ子ピカピカ小1学級体験プロジェクト」を実施し、小学校への見通しと期待感を持てるようにしてまいります。
 また、幼児教育アドバイザーによる市内小学校及び幼稚園等への巡回を継続して行い、本市独自に作成した「しっかりつなぐ育ちのバトンカリキュラム」に基づき、5歳児と小学校1年生で実践する中で、小学校への接続を更に円滑に進めてまいります。

(2)コミュニティ・スクールを基盤とした小中一貫教育

 各学校において、学校運営協議会の運営等の活性化に努めるとともに、子どもの学びや成長を目指して、地域とともにある学校づくりの視点を大切にして、コミュニティ・スクールの一層の推進・充実を図ります。さらに、コミュニティ・スクールと地域学校協働活動を一体的に捉え、ふるさと名張を愛する子どもを育成し、子どもを核とした地域づくりを目指して、地域と学校が連携・協働するスクール・コミュニティの体制を構築してまいります。
 また、市内各中学校区において、義務教育9年間を見据えたカリキュラムを編成し、系統性・連続性を確保した一貫した指導・支援を行うとともに、小学校高学年での教科担任制を導入するなど、子どもの資質・能力を育むため、発達段階に応じたきめ細やかな指導を進めてまいります。

(3)特別支援教育

 特別な支援を必要とする児童生徒は、年々増加傾向にあります。全ての子どもに分かりやすく理解ができるよう、授業のユニバーサルデザイン化を進め、障がいのある子どもの特性や困難さに合わせて、個に応じた適切な支援をしてまいります。そのために、教職員への研修を充実していくとともに、一人ひとりの教育的ニーズを把握し、特別な支援を必要とする児童生徒の自立に向けた取組を推進してまいります。
 また、幼稚園・保育所(園)等から中学校まで、途切れのないきめ細やかな支援を行うために、個別の教育支援計画や指導計画を作成し、活用するとともに、パーソナルファイルの利用を促進し、保護者や関係機関と密接な連携を図ってまいります。

(4)豊かな心の醸成

 昨年2月に発生した中学校内における傷害事件を踏まえ、より一層、教職員一人ひとりが児童生徒の抱える悩みや置かれた状況の把握に努めてまいります。あわせて、児童生徒の発達段階に配慮する中で、自他を尊重し合い、生命を大切にし、いじめを許さない、相手を思いやる心を養う取組や、我が国の社会や文化に対する理解と愛情を深めるとともに、人との出会いを通じて自尊感情を高める取組など、教育活動全体を通じて、人権学習や平和学習、道徳教育を推進してまいります。
 また、近年増加傾向にある外国人児童生徒に対して安心して学校生活が送れるよう、丁寧に日本語指導や生活支援を行います。
 そして、ふるさと学習「なばり学」を学習する中で、子どもたちが「ふるさと名張」を大切に思い、自然を守り、伝統や文化を引き継いでいく一人であるという意識を持てるよう、地域の方の思いや願いに触れる機会を設け、自然体験や農業体験等の体験活動を取り入れるなど、ふるさと名張の自然や歴史、伝統・文化、人、産業・観光をテーマとした学習を推進してまいります。
 さらに、子どもたちがたくましく生きるための健康と体をつくるとともに、子どもの実態に応じた健康教育やその基盤になる食に関する知識と食習慣が身に付くよう食育を推進し、自らの健康を適切に管理・改善するよう指導してまいります。

(5)GIGAスクール構想の実現による学習活動

  GIGAスクール構想によって導入された学習用タブレットを授業等で効果的に活用し、個別最適な学びと協働的な学びの一層の充実を図るため、GIGAスクールアドバイザーの巡回派遣を始め、教職員のICT活用研修や学校現場での実践研究を一層推進してまいります。

(6)不登校対策

 近年増加している不登校をはじめとする長期欠席児童生徒への支援のために、学級満足度調査(Q-U調査)の調査結果の検証等を踏まえ、学校の「めざす児童生徒像」の実現に向け、指導方法の改善を図るとともに、「居心地の良い学級集団」づくりを基盤とした「学びに向かう集団」「学び合う集団」づくりの取組を引き続き進めてまいります。  
 また、「不登校対応マニュアル」等に基づき、いじめなどの人間関係や不安、家族の介護(ヤングケアラー)等、長期欠席の多様な要因や背景を適切にアセスメントして対応方針を定め、学校が組織的に、早期から家庭と共に取り組んでいくとともに、多職種の専門家や関係機関とも連携して、チーム学校として組織的な取組を推進できるよう情報共有等を図ってまいります。
 さらに、適応指導教室(さくら教室)では、支援シートの活用を通して、学校との連携を密にし、アウトリーチ型訪問を含めたスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを活用しながら、社会的自立に向けた支援を行ってまいります。
 加えて、地域や民間団体、外部機関のみなさんの力をお借りするなど、子どもの居場所づくりや学びの保障をしてまいります。

(7)教育センター機能の充実

 教育公務員特例法等の一部改正により、教員に新たな知識技能の習得に継続的に取り組む必要が高まっていることから、より一層、教員研修の充実を図ることが求められています。教育センターでは、今日的な教育課題に係る研究を進めるほか、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善、ICT活用、若手教員・ミドルリーダー教員の育成支援等、教職員の資質や指導力向上を図るための研修の充実を図ってまいります。
 また、不登校児童生徒への支援、家庭教育や子育てに関する学習や相談、低学年を中心とした発達支援教室、子どもの読書活動の推進、ものづくり・科学実験等様々な体験活動を提供する週末教育事業等、子どもの育ち・学びへの支援を充実してまいります。
 さらに、教職員の働きやすい環境を整えていくために、教育よろず相談を窓口とし、必要に応じて関係機関との連携を図りながら、学校や保護者が抱える多様な課題に初期段階から適切に対応していきます。

(8)安心で安全な教育環境の整備

 生徒の心身の健全な発達のため、中学校給食の早期実施に向けて、スピード感を大事にしながら、計画的に取り組みます。令和5年度において、民間活力等導入可能性調査の実施及び基本計画の作成を行い、遅くとも令和9年度中の給食開始に向け事業を進めてまいります。
 児童生徒の教育環境の早期向上及び防災機能の強化を図るため、令和5年度及び6年度において、小中学校の校舎内全ての児童生徒用和式トイレを洋式トイレに改修します。また、市内の多くの学校は建築後30年以上が経過し、施設の老朽化が進んでいることから、「名張市学校施設長寿命化計画」に基づき、財政負担の平準化を図りながら学校施設の老朽化対策を進めてまいります。
 また、学校における働き方改革に資する取組を引き続き行うとともに、令和7年度から学校給食の公会計化の導入に向けた取組を進めます。

2.つなぐ

《文化をはぐくみ、次世代につなぎます》

(1)市民文化の創造
 

 芸術文化にふれることで、より豊かな市民生活につながるよう、誰もがいつでも文化に触れることができるまちづくりを進めます。
 本市には現時点では、公共のギャラリーは有りませんが、名張藤堂家邸を始め、名張地区に点在する歴史的建造物を活用し、例えば、名張市美術展覧会の開催に当たって、町家をお借りして、作品展示や、美術工芸品の製作体験を行うなど、日常的に芸術文化体験ができるような取組を進めてまいります。 
 また、本市の芸術文化活動の拠点であるadsホール(青少年センター)において、名張文化協会をはじめとする文化団体や、adsホールの指定管理者、三重県文化会館等と連携し、各種文化事業を開催するなど、一層の市民文化が育まれるよう進めてまいります。

(2)文化資源の保護と活用  

 令和4年度には、新たに1件の文化財が登録有形文化財となり、市内の国・県・市の指定文化財及び登録有形文化財の合計は111件となりました。こうした文化資源を活用した事業の実施により、郷土への愛着と誇りが醸成されるよう、取組を進めました。本年度においても、郷土資料館、名張藤堂家邸、夏見廃寺展示館といった施設を活用し、郷土史家や関係機関の協力の下、企画展示等を通じて、本市の魅力の発信に努めます。
 また、市域に生息する特別天然記念物のオオサンショウウオの保護に取り組むとともに、郷土資料館で飼育している交雑種のオオサンショウウオを活用した環境学習などの取組を進めます。

(3)なばりの文化の振興  

 能楽の大成者である観阿弥は、小波田の地で初めて座を建てたといわれており、その伝統を引き継ぎ、「名張子ども狂言の会」を始め、各団体が伝統芸能の継承に努めています。本年度も、観阿弥祭、名張子ども伝統芸能祭り等を開催し、伝統芸能に触れる機会を提供するとともに、伝統文化の継承に努めてまいります。
 また、令和5年度は、市制施行70周年及び名張市観阿弥顕彰会創立55周年に当たることから、11月に記念公演を予定しており、広く全国に向け、「観阿弥創座の地なばり」を発信するとともに、次世代を担う子どもたちに「能文化」を継承するため、市内学校において能楽に関する講演会を行うことにより身近な場所で能に触れる機会を創出するなど、取組を進めてまいります。

3.つくる

《青少年の健全な育成環境と生涯学習社会をつくります》

(1)子どもを核とした生涯学習ネットワークの構築
 

 令和4年度には、市社会教育委員会議から「家庭・地域の教育力の向上」、「持続可能な社会の創り手の育成」、「子どもの社会への主体的参画」を目指した子どもを核とした生涯学習ネットワークの構築に向けた提言をいただきました。今後、提言の具現化に向けて、社会教育委員を始め、多くの関係者の協力を得ながら、ネットワークの構築を図ってまいります。

(2)生涯学習機会の総合的整備 

 生涯学習の推進に当たっては、地域の生涯学習の拠点となっている市民センターとの連携を一層深めるため、生涯学習リーダーが集まる「生涯学習推進協議会」を定期的に開催し、生涯学習のための情報提供や、センター間での情報交換の場を設けることで、市民が生涯にわたって学び続けることができる仕組みと、学習成果を地域に還元し、市民全体の絆を作り上げていく場の構築に努めてまいります。
 また、皇學館大学や近畿大学工業高等専門学校等の高等教育機関との連携を進めており、令和4年度においては、従来から実施している皇學館大学ふるさと講座に加え、近畿大学工業高等専門学校との共同研究において、名張地区の町家研究の成果について、名張藤堂家邸で展示、発表をいただきました。今後も両校と共に、市民の学びのニーズに適応した事業を実施してまいります。
 生涯学習における人権教育・人権啓発の推進については、「第3次名張市人権施策基本計画」に基づき、一人ひとりの人権が尊重され、誰もが自分らしく暮らせる社会を実現するために、各市民センターで実施される主催講座等において、人権尊重を基本に据え、地域の人権課題解決や、参加者のつながりを深める内容の講座を実施いたします。

(3)青少年の社会参加活動促進 

 子どもの居場所づくりを目的とする放課後子ども教室については、地域との協議の結果、令和4年度に新たに1教室、開設することができました。令和5年度には、更に3地域から新規開設の要望をお聞きしているところです。今後も、全地区での開設に向けて、取組を進めるとともに、刻々と変化する子どもを取り巻く状況を注視しつつ、「子どもの居場所」の在り方について、市長部局や関係団体等との協議を進めてまいります。
 また、地域における青少年健全育成活動等の指導者であるジュニアリーダーを養成するとともに、ジュニアリーダーの活動組織である「名張Kidsサポータークラブ」の活動を軸に、青少年健全育成市民会議等の関係団体との連携により、子どもの社会活動への参加を促進してまいります。

(4)青少年健全育成に向けた環境づくり

 青少年を取り巻く環境や問題は年々変化しており、特に近年は外出を控える傾向もあることから、子どもの学校外での活動が見えにくくなってきています。さらには、全国的にSNSを通じて青少年が被害に遭う事例も増加していることから、未然防止のため関係機関同士のより緊密な連携が求められています。そのため、青少年補導センターが中心となり、地域や関係団体・機関と、より一層の連携を図るとともに、「名張少年サポートふれあい隊」との合同パトロールのような、大規模なパトロールを状況に応じて実施することで、全市的な青少年健全育成活動を進めてまいります。
 また、「子どもを守る家事業」や「有害図書回収作業」等の地道な活動を継続するとともに、「校外生活指導連絡協議会」において、情報の集約・共有を行い、関係機関による打合せ会や「要保護児童対策及びDV対策地域協議会」との連携により、迅速かつ的確な対応を図れるよう取り組んでまいります。

(5)図書館サービスの充実

 図書館は、子どもから高齢者まで全ての年齢層の身近な情報拠点として、また、自由に読書に親しめる場として重要な役割を担っています。そのため、積極的に利用者の声を聞くなど、利用者ニーズの把握に努めるとともに、サービスの向上と業務の効率化に向けて、図書館運営の在り方を検討してまいります。
 また、いわゆる読書バリアフリー法の趣旨等を鑑み、図書資料等の音訳、点訳、デジタル化等を進め、全ての市民が障がいの有無にかかわらず、読書を通じて文字・活字文化の恵沢を享受できる社会の実現を目指します。
 あわせて、名張藤堂家関係資料をはじめ、古文書や市出版物等の郷土関連資料のデジタルアーカイブ化等を通して、市民が郷土資料に親しみ、活用することにより、郷土愛を育む取組を進めます。
 引き続き、図書館業務民間委託事業者や県内外の公共図書館と協働して市民の学習意欲を高める取組を進めるとともに、関連機関のみならず、関係団体やボランティアなど多様な主体とも連携し、本年度策定を行う「第四次名張市子ども読書活動推進計画」の着実な推進を図ります。


4.ととのえる

《生涯スポーツができる環境をととのえます》

(1)スポーツ活動等の充実
 

 新しい生活様式の中で、市民が継続してスポーツ・レクリエーション活動を行うことが可能となるよう、子どもから高齢者まで幅広い世代の方がスポーツ等に親しむことができる機会を提供いたします。
 また、より身近な地域で、誰もが様々なスポーツ活動を楽しむことを目的とし、五つの総合型地域スポーツクラブが活動を行っています。現在、赤目地域において、総合型地域スポーツクラブ設立準備委員会が組織され、令和6年度のクラブ設立に向けた取組に対して、支援を行うとともに、引き続き既存の総合型地域スポーツクラブの支援も行いながら、クラブが設立されていない地域への新たなクラブ創設の機運向上を図ります。

(2)スポーツ活動を通じたまちづくり 

 体育施設については、建築から相当年数が経過していることから、安心安全にスポーツに親しめる環境の整備と利用者のニーズに応じた利便性向上に向け、指定管理者と緊密に連携し、適切な維持管理に努めてまいります。その中でも、市民プールについては、現施設のろ過装置や更衣室等の改修に多額の経費が必要な状況にあり、また、公式競技の実施できるプールである一方、遊具等のない中で、近年の利用者ニーズに即した運営手法についても喫緊の検討が必要な状況となっています。このことから、市民プールの在り方を民間活力の活用も含め検討するため、名張市スポーツ推進審議会等の有識者による第三者委員会へ諮問するなど具体的な検討を進めてまいります。
 また、「ホッケーのまち なばり」の推進を図るため、関係協会と協議を行いながら、はなの里スタジアム(市民ホッケー場)を活用した各種大会の開催や競技スポーツ人口の拡大に努めます。


 《おわりに》

 今後も皆様の参画を得て、未来を担う子どもの教育環境の向上を目指した教育行政を教育委員会及び事務局職員が一丸となって推進してまいります。皆様の一層のご支援とご協力をお願いし、令和5年度の教育行政の方針と施策とさせていただきます。

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教育委員会事務局 教育総務室
電話番号:0595-63-7849(総務担当)・0595-63-7873(施設・学事担当)
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令和5年度教育行政の方針と施策(令和5年2月)