令和2年度決算

令和2年度下水道事業の決算概況

　名張市の下水道事業は、平成5年度に「名張市下水道整備マスタープラン」を策定し、平成19年度と令和元年度に改訂を行い、合理的な手法の選択と計画的な整備を進め、市民の快適な生活環境の創造と公共用水域の水質保全に取り組んできました。

　このうち公共下水道事業は、平成10年度に事業着手し、平成18年度には中央浄化センターの供用を開始しています。中央処理区では、年次継続的に未普及解消に向けた整備を推進するとともに公共下水道区域の拡大整備に向けた取組を進めています。また、南部処理区では、令和2年度に市管理の南部住宅地汚水処理施設が公共下水道の認可を受け、中央処理区に合わせて名張市公共下水道再構築計画（ストックマネジメント全体計画）に着手しました。

　一方、農業集落排水事業では、昭和61年度から平成30年度にかけて全11地区の整備を終え、持続的な施設管理を行うため機能強化対策事業に取り組んでいます。

　また、令和2年4月から下水道事業の会計を官公庁会計から公営企業会計に移行し、経営状況や財政状況を把握して、持続可能な事業運営に努めています。

業務量等

　事業の整備状況として、令和2年度末現在の処理区域内人口は54,716人となり、行政区域内人口に占める処理区域内人口の割合である普及率は70.8％となりました。また処理区域内水洗化人口は49,876人であり、処理区域内人口に占める水洗便所設置済人口の割合である水洗化率は91.2％となりました。

　次に施設の状況について、令和2年度の年間有収水量は5,413,074立方メートルとなる一方、年間汚水処理水量は6,057,261立方メートルとなり、汚水処理水量に占める有収水量の割合である有収率は89.4％となりました。

経営状況

　令和2年度の収益的収支については、事業収益が2,859,678,224円（税込額　2,963,007,438円）となりました。収益の主なものは下水道使用料が933,269,738円、長期前受金戻入が1,127,459,641円となっています。事業費用は2,712,660,661円（税込額2,789,948,302円）となり、費用の主なものは減価償却費が1,629,901,179円となっています。この結果、収支差引額147,017,563円が当年度純利益となりました。

　次に、資本的収支（税込額）については、収入が781,912,152円に対し、支出が1,204,134,148円となり、収支差引不足額の422,221,996円は損益勘定留保資金等で補填しました。

建設改良の状況

　建設工事については、管路施設整備として、公共下水道事業中央処理区の幹線下水工事等（229,908,400円）や農業集落排水事業のマンホール蓋取替更新工事等（52,211,500円）を実施しました。また、処理場施設整備として、公共下水道事業中央浄化センター実施設計作成業務委託（79,000,000円）や農業集落排水施設機器取替工事等（52,028,350円）を実施しました。

　なお、中央浄化センター増設事業（1期）について、次年度へ98,440,000円を逓次繰越しました。また、公共下水道整備事業や農業集落排水機能強化対策事業において、次年度へ529,847,000円を予算繰越しました。