子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の副反応について
更新日:2024年11月7日
ワクチン接種の副反応の症状について
(小学校6年~高校1年相当の女の子と保護者の方へ大切なお知らせ(厚生労働省発行リーフレット)より抜粋)
子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)接種後には、接種部位の痛みや腫れ、赤みなどが起こることがあります。
まれですが、重い症状(重いアレルギー症状、神経系の症状)(注1)が起こることがあります。
発生頻度 | 2価ワクチン(サーバリックス®) | 4価ワクチン(ガーダシル®) | 9価ワクチン(シルガード®9) |
50%以上 | 疼痛、発赤、腫脹、疲労 | 疼痛 | 疼痛 |
10~50%未満 | 掻痒(かゆみ)、腹痛、筋痛、関節痛、頭痛など | 紅斑、腫脹 | 腫脹、紅斑、頭痛 |
1~10%未満 | じんましん、めまい、発熱など | 頭痛、そう痒感、発熱 | 浮動性めまい、悪心、下痢、そう痒感、発熱、疲労、内出血など |
1%未満 | 知覚異常、感覚鈍麻、全身の脱力 | 下痢、腹痛、四肢痛、筋骨格硬直、硬結、出血、不快感、倦怠感など | 嘔吐、腹痛、筋肉痛、関節痛、出血、血腫、倦怠感、硬結など |
頻度不明 | 四肢痛、失神、リンパ節症など | 失神、嘔吐、関節痛、筋肉痛、疲労など | 感覚鈍麻、失神、四肢痛など |
因果関係があるかどうかわからないものや、接種後短期間で回復した症状をふくめて、HPVワクチン接種後に生じた症状として報告があったのは、接種1万人あたり、サーバリックス®またはガーダシル®では約9人、シルガード®9では約3人です。(注2)
このうち、報告した医師や企業が重篤(注3)と判断した人は、接種1万人あたり、サーバリックス®またはガーダシル®では約5人、シルガード®9では約3人です。(注2)
- 重いアレルギー症状:呼吸困難やじんましん等(アナフィラキシー)、神経系の症状:手足の力が入りにくい(ギラン・バレー症候群)、頭痛・嘔吐・意識低下(急性散在性脳脊髄炎(ADEM))等
- HPVワクチン接種後に生じた症状として報告があった数(副反応疑い報告制度における報告数)は、企業からの報告では販売開始から、医療機関からの報告では平成22(2010)年11月26日から、令和5(2023)年6月末時点までの報告の合計。
出荷数量より推計した接種者数(サーバリックス®およびガーダシル®は413万人、シルガード®9は32.9万人)を分母として1万人あたりの頻度を算出。 - 重篤な症状には、入院相当以上の症状などがふくまれていますが、報告した医師や企業の判断によるため、必ずしも重篤でないものも重篤として報告されることがあります。
痛みやしびれ、動かしにくさ、不随意運動について
- ワクチンの接種を受けた後に、広い範囲に広がる痛みや、手足の動かしにくさ、不随意運動(動かそうと思っていないのに体の一部が勝手に動いてしまうこと)などを中心とする多様な症状が起きたことが報告されています。
- この症状は専門家によれば「機能性身体症状」(何らかの身体症状はあるものの、画像検査や血液検査を受けた結果、その身体症状に合致する異常所見が見つからない状態)であると考えられています。
- 症状としては、知覚に関する症状(頭や腰、関節等の痛み、感覚が鈍い、しびれる、光に対する過敏など)、運動に関する症状(脱力、歩行困難、不随意運動など)、自律神経等に関する症状(倦怠感、めまい、睡眠障害、月経異常など)、認知機能に関する症状(記憶障害、学習意欲の低下、計算障害、集中力の低下など)などいろいろな症状が報告されています。
- 「HPVワクチン接種後の局所の疼痛や不安等が機能性身体症状をおこすきっかけとなったことは否定できないが、接種後1か月以上経過してから発症している人は、接種との因果関係を疑う根拠に乏しい」と専門家によって評価されています。
- また、同年代のHPVワクチン接種歴のない方においても、HPVワクチン接種後に報告されている症状と同様の「多様な症状」を有する方が一定数存在することが明らかとなっています。
- このような「多様な症状」の報告を受け、様々な調査研究が行われていますが、「ワクチン接種との因果関係がある」という証明はされていません。
- ワクチン接種を受けた後や、けがの後などに原因不明の痛みが続いたことがある方は、これらの状態が起きる可能性が高いと考えられているため、接種については医師とよく相談してください。
予防接種健康被害救済制度について
極めてまれですが、予防接種を受けた方に重い健康被害を生じる場合があります。
HPVワクチンに限らず、日本で承認されているすべてのワクチンについて、ワクチン接種によって、医療機関での治療が必要になったり、生活に支障が出るような障害が残るなどの健康被害が生じた場合に、その健康被害が接種を受けたことによるものであると厚生労働大臣が認定した時は、法律に基づく救済(医療費・障害年金等の給付)が受けられます。
詳しくは、厚生労働省「予防接種健康被害救済制度(外部リンク)」をご覧ください。
ワクチン接種の効果や副反応などに関するお問い合わせ先
接種後に、健康に異常があるとき
まずは、接種を受けた医師・かかりつけの医師にご相談ください。
各都道府県において、「ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に生じた症状の診療に係る協力医療機関」を選定しています。
協力医療機関の受診については、接種を受けた医師またはかかりつけの医師にご相談ください。
不安や疑問があるとき、困ったことがあるとき
各都道府県において、衛生部局と教育部局の1箇所ずつ「ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に症状が生じた方に対する相談窓口」を設置しています。
HPV ワクチンを含む予防接種、インフルエンザ、性感染症、その他感染症全般についての相談
「感染症・予防接種相談窓口」では、HPVワクチンを含む、予防接種、インフルエンザ、性感染症、その他感染症全般についての相談にお答えしています。
電話番号:0120-469-283
受付時間:平日9時~17時(土曜、日曜、祝日、年末年始は除く)