令和8年度施政方針
更新日:2026年6月11日
施政方針は、市民の皆様や議員の皆様に対し、市長より本年度の市政運営に対する市の基本的な考えを申し述べるものであり、名張市長選挙が行われる年度においては、新年度予算(当初予算)が骨格予算となることから、6月補正予算を提案する6月定例議会初日に発表します。
1.はじめに
本日、ここに名張市議会令和8年6月定例議会の開会に当たり、市政運営に臨む私の基本的な考え方を申し述べ、議員の皆様及び市民の皆様のご理解とご協力を賜りたく存じます。
はじめに、このたび令和8年4月12日に投開票が行われた名張市長選挙において、市民の皆様から再びご信託を賜り、引き続き、市長として市政のかじ取りを担わせていただくこととなりました。その重責の大きさを深く胸に刻み、これまで培ってきた政治経験の全てを懸け、市政の発展に全力で取り組む決意であります。
1期目においては、市民の皆様とともに新しい総合計画「なばり新時代戦略」を策定し、「語れるまちなばり」を基本理念に掲げ、名張の魅力を高める活動を進めてまいりました。市民発のブランドロゴ「なんとかなるなる。なばりです。」の創出を皮切りに、シティプロモーションを力強く推進し、名張への愛着を深め、まちに 関わる人を増やしていくことで、まち全体としての価値を高める取組を行ってまいりました。
また、観光産業の振興におきましても、赤目四十八滝での「赤目滝水族館」や「赤目小町」の誕生、大阪・関西万博の三重県ブースでのPR展開など、地域資源を生かした魅力発信に注力してまいりました。観光DMOの設立を目指す地域の組織とも連携しながら、着実に成果を積み上げております。
一方で、人口減少や厳しい財政状況への対応は、まさに待ったなしの課題であります。私はこの難局を乗り越えるため、令和6年11月に「なばり新時代の大改革宣言」を発出するとともに、新しい「行財政改革プラン」を策定し、まちづくりの土台となる行財政の基盤づくりを進めてまいりました。
安定した財政基盤の確立に向けて、事務事業の見直し等を通じた歳出の削減はもとより、使用料・手数料の見直しやクラウドファンディング、ネーミングライツ活用施設の拡充、未利用資産の処分、ふるさと納税の推進など、歳入の積極的な確保に向けた取組を進めるとともに、未来を見据えた持続可能な行政運営の視点から、外部人材の活用や公民連携・広域連携の推進、行政DXなどの取組を進めてきたところです。
これらの一連の取組は、単なる経費削減や行政運営の見直しのみを目的としたものではありません。未来を担う次世代に、持続可能で豊かな名張のまちを引き継ぐための礎を築く重要なプロセスであると確信しております。
さて、我が国では、人口減少や少子高齢化、物価高騰、デジタル化の波など、厳しい社会環境の変化が現実のものとなり、暮らしを取り巻く環境は今、かつてない転換期にあります。こうした課題を乗り越え、次世代へ希望をつなぐため、既存の枠組みを超えた新たな発想で持続可能なまちづくりを進めていく必要があります。
本市における行財政改革の取組は、まだ道半ばではありますが、人口減少社会にあっても、しっかりとした行財政運営の基盤づくりを進めつつ、市民の皆様一人ひとりが「暮らしやすさ」と「幸福」を実感できるまちを実現すること。それこそが、今の時代に求められる市政の使命であります。
いかに困難な状況にあっても、未来を切り拓く力は地域にあります。市民の皆様と現実を共有しながら、この難局を必ずや乗り越えていく。その強い決意をここに表明するとともに、人口減少社会に立ち向かうフロントランナーとして、新たな時代を切り拓いていくため、全力で挑戦してまいります。
引き続き、議員の皆様及び市民の皆様のご指導、ご支援、ご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
2.目指すべき新しいまちの姿
暮らしやすさと幸福が実感できる「ウェルビーイング」なまちづくり
次に、目指すべき新しいまちの姿について申し上げます。
まずは、暮らしやすさと幸福が実感できる「ウェルビーイング」なまちづくりについてでございます。
人口減少は、様々な形で私たちの生活に影響を及ぼしています。しかしながら、私たちの住むこのまち名張は、人口減少はあっても市民の皆様の健康で豊かな暮らしが守られる「ウェルビーイング」なまちに転換していくことが可能なまちです。
私が目指すウェルビーイングとは、心身ともに健康であることに加え、生きがいを持ち、人と人とのつながりの中で継続的に幸せを感じられること。すなわち「幸せの持続性」であります。
妊婦や子育て世代、高齢者、障害のある方、さらにはヤングケアラーなど、支援を必要とする方々を含め、市民の皆様一人ひとりが「暮らしやすさ」と「幸福」を実感できる社会の実現は、本市が目指すべき使命であります。その根幹をなすものは、人と人とのつながりであり、地域に息づく支え合いの力であります。
本市におきましては、これまでも先駆的に地域づくりに取り組んでまいりました。また、地域における見守りや支え合いを具体的な形として展開してきた「まちの保健室」の取組は、人と人とをつなぎ、誰もが安心して暮らせる、地域社会を支える重要な基盤として着実に根付いております。
こうした積み重ねの中から生まれた価値観や地域のあたたかさこそが、市民ワークショップと市民発のブランドロゴ総選挙から誕生したブランドロゴ「なんとかなるなる。なばりです。」へと結実したものであります。このメッセージには、悩みや不安を抱えたときにも支え合いの中で「なんとかなる」と思える安心感、そして市民の皆様がはぐくんできた多様な活動やつながりこそが、まちの誇りであるという強い思いが込められております。
私は、このように長年培われてきた地域の力を、本市の揺るぎない財産として位置付け、単なる理念にとどめることなく、地域ブランドとして市内外へ力強く発信してまいります。
その上で、移住・定住の促進や関係人口の創出につなげるとともに、地域課題の解決に一緒になって取り組む人材や企業との連携を一層深めてまいります。
“人と人とが支え合い、他者のために行動することに喜びを感じ、誰もが心豊かに暮らすことができるまち”その実現に向け、ウェルビーイングを基軸としたまちづくりを、着実かつ力強く推進してまいります。
「暮らしを守り、未来を創る」行財政改革
次に、「暮らしを守り、未来を創る」行財政改革について申し上げます。
人口減少や少子高齢化の進展などに伴い、本市の行財政運営を取り巻く環境は、今後も厳しい状況が続くことが見込まれます。
市政の現状・課題や今後のまちづくりの方向性などを市民の皆様と共有しながら、将来世代に過度な負担を先送りすることのないよう、行財政改革プランに基づく取組を一つひとつ着実に推進してまいります。
人口減少社会においても持続可能な行政運営を確立するため、行政が全体をつなぐ役割を担いながら、民間事業者、地域づくり組織、教育機関など、多様な主体との連携を進め、新たな価値やサービスの創出を図ってまいります。あわせて、地域共生の取組を基盤に、まちへの愛着と誇りをはぐくみ、多様な人が地域で活躍できる仕組みづくりを進めてまいります。また、デジタル活用や働き方改革、人材育成、業務改善を通じて、限られた職員数でも必要な行政サービスを提供できる、効率的で柔軟な行政組織への変革を推進してまいります。
また、人口減少社会という転換期を公共施設の在り方をアップデートする好機と捉え、各施設の利用状況や劣化状況、維持管理や更新に要する費用を踏まえ、施設類型ごとに機能の複合化や再編等の今後の方向性を示す再配置計画の策定に向けて取り組んでまいります。
財政基盤の確立に向けましては、効果的な施策推進に向け、中長期的な視点から財政構造の健全化を図るため、財政指標や公共施設・インフラの整備更新内容を分かりやすく可視化する取組を進めてまいります。あわせて、人口減少社会を踏まえ、従来の「すべての事業を維持する」考え方を改め、必要性や優先度に基づき、真に必要な政策資源に財源を再配分するような事業見直しへの転換を図ってまいります。また、財政健全化と将来投資を両立するため、行財政改革プランに基づき、市税収入等の確保、受益者負担の見直し、国県補助金の活用、寄附拡充など、多様な自主財源の確保に向けて引き続き取り組んでまいります。
こうした行財政運営の確立に向けた取組と併せて、将来に向けたまちづくりの土台を確固たるものとし、子ども・子育て支援、教育、地域医療、交通、防災、地域経済の活性化など、市民の暮らしを守り、未来を創るための投資を中長期的な視点で着実に進めていくための財源として、固定資産税の税率の見直しを実施させていただきたいと考えております。市民の皆様には、7月から8月にかけて、市内15カ所で、本市を取り巻く環境や今後のまちづくりの進め方、財政状況、税率の見直しの考え方などについて丁寧に説明をさせていいただきたいと考えております。
3.重点的な取組
新たなコンパクトシティ
次に、重点的な取組について申し上げます。
まず、人口減少社会に対応する新たなコンパクトシティについて申し上げます。
市民の皆様の暮らしやすさを維持しながら、都市機能や行政サービスを持続可能な形で確保していくことが、今まさに求められております。分散型の都市構造を集約化するという考え方を更に発展させ、本市独自の特色や資源を生かしながら、最大の効果を生み出すまちづくりを進めていかなければなりません。
本市は、県内の町を除いた14市のうち2番目に小さい面積を有するという特性を持ち、仕事場、医療機関、商業施設など、日常生活に必要な場所へ概ね15分から20分で移動できる、極めてコンパクトな都市構造を既に備えております。私は、この強みを最大限に生かし、市民の皆様との対話を重ねながら、人口減少社会にふさわしい、新たなコンパクトシティの実現に挑戦してまいります。
市街地循環型コミュニティバス「ナッキー号」や、交通空白地を運行する「あららぎ号」、さらには地域が主体となって運営するコミュニティバスは、燃料費の高騰や担い手不足といった課題に直面しており、従来の枠組みだけでは持続が困難な局面を迎えております。
こうした状況を踏まえ、令和8年度から薦原地区において公共ライドシェア「コモコモらいど」の本格運行を開始するなど、新たな移動手段の導入にも踏み出しております。
交通に関するノウハウや実績を有する外部人材を登用しながら、多様な主体との連携支援、公共ライドシェアの今後の展開に向けた関係者協議など、地域交通課題の解決に向けた取組を進め、柔軟かつ持続可能な交通体系を構築してまいります。
加えて、コンパクトシティによる市民サービスの向上に向けては、「移動の確保」にとどまらず、「出かけたくなるまち」を創ることも重要であります。すべての方が、名張の豊かな自然環境、地域に根付く歴史的・文化的な催しやイベント、多種多様な民間事業者の企画や発信による魅力的な介護予防の取組などに、自らの力で移動できなくてもつながることが可能になる仕組みづくりも併せて行ってまいります。
「コンパクト・プラス・ネットワーク」の考え方に基づく都市機能の最適化と併せた鉄道、路線バス、地域コミュニティバス等の公共交通から福祉施策による移動支援までを一体のネットワーク機能として捉え、市内の移動の在り方を都市インフラのみの枠組みから福祉施策との連携にまで拡大、発展することにより、持続可能な交通体系を実現し、市民の皆様の移動手段を確実に確保することで、人が集い、交流し、社会参加できる場を創出し、すべての方が生きがいを持ち、地域とのつながりを実感できる環境を整えてまいります。
都市機能の最適化、移動手段の再構築、そして医療・福祉を含めた生活基盤の強化を一体的に進めることにより、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができる、単なる縮小ではない、新たな価値を創出するコンパクトシティの実現に全力で取り組んでまいります。
若者、子育て世代に選ばれるまち
次に、地域の未来を担う若者や子育て世代に選ばれるまちについて申し上げます。
本市の持続的な発展を支えていくためには、若者や子育て世代に選ばれるまちであり続けることが不可欠であります。そのため私は、「産み育てるにやさしいまち」の実現に向け、切れ目のない支援を一層強化してまいります。
これまで本市では、子育て施策の充実を図ってきたことにより、「名張は寄り添い支援が充実しており、安心して出産・子育てができるまちである」との評価を多くいただいております。とりわけ、24時間365日体制で小児救急に対応する小児救急医療センターの存在は、子育て世代にとって大きな安心につながっております。
今後は、市内における分娩取扱施設の回復に全力で取り組むとともに、産前産後を通じた支援の更なる充実を図り、地域で安心して子どもを産み育てることができる環境を一層強固なものとしてまいります。
具体的には、緊急時における迅速な対応を可能とする妊婦情報事前登録制度や、24時間いつでも医師・助産師に相談できるオンライン相談体制、遠方の分娩取扱施設への交通費等支援、デイサービス型の産後ケアなど、妊娠期から子育て期まで切れ目のない支援を引き続き推進してまいります。
令和8年4月からは、乳児等通園支援事業の実施により保育環境の充実を図るとともに、公立保育所において、食育の推進と子どもの健やかな成長を支えるため、3歳児から5歳児までを対象とした主食及び牛乳の提供を開始するなど、保護者の負担軽減と子どもの健全育成を両立する取組を進めております。
物価高騰の影響を受ける子育て世帯や若者世代への支援としましては、一定期間の保育施設等における主食費・副食費の無償化や、小学校給食費の実質無償化を実施するとともに、中学生世帯や若者世代に対するデジタル商品券の配布を通じ、家計負担の軽減を図ってまいります。
また、民間事業者と連携した全天候型の子どもの遊び場「のびっこピクニック名張店」の利用促進、子育てしやすい職場環境づくりなどに取り組む企業を「ばりっ子すくすく応援企業」として認定する制度の創設を行うなど、官民が一体となった子育て支援にも取り組んでまいります。
教育環境の整備も重要な課題であります。児童生徒数の減少を見据え、「名張市未来のよりよい学校の在り方検討審議会」において、これからの時代にふさわしい学びの環境について議論を重ね、未来を担う子どもたちの可能性を引き出すために、教育環境の構築に取り組んでまいります。
中学校給食の実施につきましては、早期に実現すべきと強い要望をいただいており、私の公約の大きな柱でもございます。令和11年9月の実施に向けて、施設整備や運営コストの最適化、財源確保の方策を整理し、スピード感を持って取組を進めてまいります。
加えて、すべての子どもたちが安心して成長できる環境を整えるため、困難を抱える子どもや若者の新たな交流拠点として、子ども・若者の第三の居場所「Nabaりnk」を令和8年6月に開設し、地域全体で子どもを支える体制を強化するとともに、高校生や若者世代の主体的・自主的なまちづくり活動への支援、若者が気軽にまちづくりに参画するきっかけづくりを行い、若者がまちの一員だと感じられる瞬間を大切に、大事に育ててまいります。
これら一連の取組を通じ、子どもたちが健やかに育ち、若者が未来に希望を持ち、子育て世代が安心して暮らすことができるまちの実現に向け、本市を選ばれるまちへと更に進化させてまいります。
賑わいをもたらす空間の創出
次に、まちに新たな賑わいをもたらす空間の創出について申し上げます。
まちの活力を維持・向上させていくためには、人が集い、交流し、新たな価値が生まれる場を戦略的に創出していくことが不可欠であります。私は、「訪れたくなるまち」「歩きたくなるまち」の実現に向け、賑わいの核となる空間整備を着実に進めてまいります。
現在、名張川の改修工事により創出される河川親水空間と、名張川・宇陀川の背後地を一体的に活用し、新たな賑わい創出拠点の整備を進めております。ここでは、イベントの開催が可能な親水広場や四季を感じられる桜並木、さらには子どもたちが水辺環境について学ぶことができるエリアの整備を行い、あらゆる世代の市民の皆様が憩い、交流し、自然と触れ合うことができる空間を創出してまいります。
こうした取組により、「あそこに行けば人と出会える」「新しいつながりや価値観に触れることができる」と実感してもらえる、まちの新たな魅力を形成し、名張の新たな観光や物産の交流拠点として充実させてまいります。
さらに、これらの拠点整備と併せて、旧細川邸やなせ宿、初瀬街道といった歴史・文化資源が集積する名張駅西エリアを、まちなかエリアとして一体的に整備してまいります。
本市がこれまで大切に守り、受け継いできた歴史や文化、人情のあたたかさといった地域固有の価値を生かしながら、現代的な賑わいと融合させることで、思わず歩きたくなる、回遊性の高い名張の原風景と人情が息づく魅力ある空間へと再構築してまいります。
また、本市に息づく伝統行事や地域文化、さらには市民の皆様の多様な文化活動についても、こうした空間と有機的に結び付けることで、文化が日常の中に自然と溶け込み、新たな交流や賑わいを生み出す仕組みづくりを進めてまいります。
人の流れを生み出し、まちに賑わいを取り戻すことは、地域経済の活性化にとどまらず、市民の皆様のまちへの誇りと愛着を一層高めることにつながります。
その実現に向け、自然、歴史、文化、そして人と人とのつながりという本市の強みを最大限に生かし、新たな価値を創出する空間づくりを力強く推進してまいります。
地域経済の活性化
次に、地域経済の活性化を図る取組について申し上げます。
市民の皆様の暮らしを支え、本市が将来にわたって活力を維持していくためには、地域経済の安定と発展が欠かせません。そのため、本市の強みを生かしながら、地域の中で経済の好循環を生み出していく取組を進めてまいります。
とりわけ、観光は地域の魅力を発信し、交流人口の拡大や経済の活性化につながる重要な分野であります。その推進に当たっては、観光地域づくり法人、いわゆるDMOが地域の司令塔として機能することが不可欠であります。
本市においては、令和7年度から名張市観光協会がDMOとして中核的役割を担えるよう基盤強化に取り組んでまいりました。今後は公的な立場から必要な支援を行い、DMOとしての活動基盤の確立を後押ししてまいります。
あわせて、地域活性化起業人などの外部人材の活用を進め、「稼ぐ観光」と、本市が有する自然、歴史、文化、人のあたたかさといった魅力の継承との両立を図り、持続可能な観光地域づくりを推進してまいります。
地域経済を支える中小企業・小規模事業者の振興に向けては、連携協定に基づき関係機関との協議を重ねながら、市内事業者が活動しやすく、成長できる環境整備を進めるとともに、オールなばり地域経済活性化事業により、若者の市内就労促進、市内企業の人材確保を目的とする交流イベントの実施など、雇用確保、事業継承、新事業展開、新たな起業、創業への支援を進めてまいります。
加えて、物価高騰の影響を受ける事業者に対しては、生産性向上や業態転換に資する施設整備等への支援を行うなど、地域経済の下支えを図ってまいります。
こうした取組を通じて、地域における経済の循環を着実に高め、本市の持続的な発展につなげてまいります。
シティプロモーションの進化
次に、本市の魅力を戦略的に発信し、共感と関係を生み出すシティプロモーションの取組について申し上げます。
人口減少が進む中にあっても、本市が選ばれ続けるためには、これまで培ってきた多様な魅力を的確に捉え、効果的に発信していくことが重要であります。私は、まちの価値を市内外に広く伝え、共感と関係を生み出すシティプロモーションを積極的に展開してまいります。
本市には、人と人とのつながりに支えられた暮らし、子育て世代に寄り添う切れ目のない支援、地域医療・福祉の安心感、コンパクトな都市構造による暮らしやすさ、さらには豊かな自然や歴史、文化、人情味あふれる地域性など、他にはない強みが数多く存在しております。
こうした魅力を「なんとかなるなる。なばりです。」というブランドメッセージの下で一体的に整理し、本市ならではの価値として明確に打ち出してまいります。
その上で、観光分野におけるDMOの取組とも連動させながら、専門的なスキルを有する外部人材を登用し、戦略的・効果的なアウタープロモーションを強化することで、交流人口や関係人口の創出・拡大につなげるとともに、仕事や住まいの情報発信による移住・定住の促進へと結び付けてまいります。
市民の皆様自らがまちの魅力を発信する主体となる仕組みづくりを進めることで、共感の輪を広げ、持続的な情報発信体制を構築してまいります。
本市の魅力を磨き上げ、それを力強く発信し、人を呼び込み、関係を育てていく。その好循環を確立することにより、「選ばれるまち」としての地位を一層高めてまいります。
その他、地方独立行政法人名張市立病院の経営健全化と安定した病院運営に向けて、中期計画の進捗を着実に確認しながら、設立団体として必要な財政的支援を行うとともに、法人と連携しながら、医師・看護師の確保に全力で取り組んでまいります。
また、次代のごみ処理に向けては、自治体の枠組みを超えた広域連携や、民間の高度な専門性と資金力を呼び込む民間連携など、これまでの手法にこだわらず、あらゆる可能性を視野に、人口減少社会における最適な仕組みの構築に向け、取り組んでまいります。
4.おわりに
以上、市政運営に対する所信と講じるべき主要な取組について申し述べました。
申し上げました内容は、いずれも本市の将来を見据えた重要な課題であり、議員の皆様、市民の皆様と力を合わせて取り組まなければ、決して実現することはできません。私は、この現実を真正面から受け止め、一つひとつの課題に対し、責任を持って着実に前進させていく決意であります。
本市を取り巻く環境は厳しさを増しております。ただ、そのような中にあっても、子どもたちが未来に希望を抱くことができるまち、そして人口が減少する時代においても、市民の皆様が「暮らしやすさ」や「幸福」を実感できるまちを実現していかなければなりません。
そのためには、市民の皆様との丁寧な対話を重ね、思いを共有しながら、ともにまちづくりを進めていくことが何より重要であります。対話と共創を通じて、持続可能で活力ある名張を築き上げてまいります。
また、名張市職員一人ひとりが強い使命感と責任感を持ち、組織一丸となって市政運営に取り組むことで、市民の皆様からの負託に確実にお応えしてまいります。
いかなる困難な状況にあっても、歩みを止めることなく、未来に向けて挑戦を続ける。その強い意志のもと、市政運営に全力を尽くしてまいります。
議員の皆様及び市民の皆様におかれましては、引き続き、より一層のご支援、ご指導を賜りますようお願い申し上げ、施政方針といたします。


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