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名張市

第16回市政一新市民会議

更新日:2015年3月10日

第16回市政一新市民会議 委員議事要旨

1.開催日時

平成16年9月9日(木曜日) 午後3時から

2.場所

庁議室

3.出席者

市政一新市民会議 会長 寺田 伊三男 福祉関係団体
市政一新市民会議 委員 井川 敏雄 区長会
市政一新市民会議 委員 稲沢 克祐 学識経験者
市政一新市民会議 委員 尾形 雅則 経済関係団体
市政一新市民会議 委員 西田 哲也 青年関係団体
市政一新市民会議 委員 小谷 靖 労働関係団体
市政一新市民会議 委員 佐藤 ヨリ子 女性関係団体
市政一新市民会議 委員 中村 宣利 公募委員
市政一新市民会議 委員 野崎 浩子 公募委員
市政一新市民会議 委員 倉橋 忠雄 公募委員
(敬称略)

市長 亀井 利克
助役 松本 豊明
行政改革担当理事 山下 員啓
行政改革評価室長 山本 順仁
行政改革評価室 田中 資三  主査
行政改革評価室 福本 耕平  室員
行政改革評価室 米澤 道隆  室員

4.協議事項

  1. 市長挨拶
  2. 市民会議からの意見書の提出について
  3. 2年間の改革の取り組みを振り返って

第16回市政一新市民会議 内容要旨

1.市長挨拶

皆さんこんにちは。事務局から申し上げましたとおり、先般は台風接近で災害対策本部を立ち上げなければならなくなりましたので、日延べをさせていただきましたこと、お詫び申し上げます。また本日は急なご案内にもかかわらず、ご出席いただきましたこと、重ねてお礼申し上げます。
平成14年の9月に市政一新会議を立ち上げていただきまして、今日でもう16回になりますが、本当に忙しい方ばかりですのに、長期間にわたりまして慎重審議いただき、格別のご指導ご高配を賜りましたこと、衷心よりお礼申し上げます。
平成12年4月の地方分権一括法の施行以来、各自治体においては自立が大きなテーマになったわけでございます。それまで自治体の運営をしていくと言っていたことが、以降、自治体を経営していくと言われるようになってきたところでもございまして、民間の経営手法を取り入れた自治体運営が必要になってきた、NPMと言っておりますが、官の論理から民の論理への転換を図るといった観点から、この市民会議を立ち上げていただきました。国ではご案内のとおり、経済財政諮問会議ということで行財政改革がなされております。そこを梃子に国ではなされておりますが、名張市の場合は市政一新市民会議 委員ということで、知識あるみなさまに、この委員会を立ち上げていただいて、多くの提案をいただいて、プログラムにまとめて、私が本部長をしている市政一新本部において、それぞれの改革を進めさせていただいている、そういうことでございます。
今名張市は、自立・持続可能な自治体を作っていく、あるいは住むことに誇りを感じていただけるまちを作っていく、そういう大きな目標の中で、3つのプログラムを動かしております。1つはこの市政一新プログラムでございまして、財政規模を縮小させつつも、自治体の責任における事務事業を向上させていく、それが主な狙いです。2つ目には福祉の理想郷の実現にむけました、新しい総合計画であるわけでございます。あれもこれもというわけにはいきませんが、あれかこれかの選択の中で、まちづくりをしていく、名張市はこれから、暮らしやすさに特化した、生活者起点のまちづくりをしていこうというなかで、7つのリーディングプランを掲げて、数値目標を設定して、それを実行していくことといたしております。3つ目のプログラムとしましては、市政一新プログラムにも書かれておりますが、住民自治の道を開くためでありコミュニティを再生するための、地域づくり委員会の設置とゆめづくり地域交付金の交付でございます。さらにもう一点、それぞれの目的を持った団体・アソシエーション、これを活性化していこうということで、市民活動支援センターを立ち上げて、住民自治を推進していこうとしております。
この3つのプログラムで、自立し、住むことに誇りを持っていただける名張市を作っていこうとしておるところでございますが、そのもっとも基本のプログラムが、この市政一新プログラムであったわけでございます。
今日は最終ということですが、これからも皆様方には、大所高所からの、引続きのご指導・ご支援を賜りますように、なにとぞよろしくお願い申し上げます。本当にありがとうございました。

2.市民会議からの意見書の提出について

会長挨拶
平成14年の9月に市民会議の委員を命ぜられてから、委員の皆さん方におかれましては、2年間本当に真剣に取り組んでいただきました。名張市の行く末にかかわる大事なプログラムのことですから、われわれ委員としては、行政には素人ですが、われわれ民間の考え方・手法を取り入れていただいたらということで、真剣に討議していただきました。
そのあいだ、行政に対していろいろ失礼な言葉もあったとは思いますが、委員の皆さんの真剣な取組みの結果ということで、お許しいただきたいと存じます。
私も会長を引き受けましたが、たいへん不慣れでございまして、委員のみなさまにはご迷惑をおかけしたことかと思います。どうにか2年間終わりました、どうもありがとうございました。

注:市民会議会長から市長へ意見書が手交されました。

意見書

名張市行政改革推進委員会・市政一新市民会議は、平成14年9月より2年間にわたり市政一新プログラムについて、検討、審議を重ねて参りました。
市民会議の役割は、市政に民間の経営手法の導入についての助言を申し述べ、行財政改革の推進に協力するものであると考えます。各項目にわたり、夫々討議を重ねて来ましたが、2年を経過した現在、改革項目実施計画のなかで目標期日までに達成出来ないものがあります。各担当部として、どの程度積極的な取り組みがなされたのか遅延の理由は様々であり、我々民間人の感覚からして納得の行かない点が目立っております。
又、改革項目についてはいずれも重要なものばかりですが、項目が多すぎた感じで、市民会議では財政健全化への重要項目に絞り込んで議論を深める必要があったかと思われます。2年間にわたり、討議を重ね目的達成のために努力をして参りましたが、項目の結論の中でもっと民間ナイズされたものであってほしかったとの思いもしております。このプログラムの達成は職員各位の実現に向かっての積極的な取り組みにあると考えます。市民会議委員の任期を終えるにあたり、市長はじめ、職員各位の御努力と改革の成果を期待いたしまして、市民会議の意見といたします。

平成16年9月9日
名張市長 亀井利克 殿

市政一新市民会議
会長 寺田伊三男

3.2年間の改革の取り組みを振り返って

会長 
今日はひとつざっくばらんに和やかに、委員さんから今まで振り返っていろいろとご意見がございましたら、遠慮なく聞かせていただきたいと思います。

委員
最初に言わせていただきます。2点ほどありますが、ひとつは長瀬・国津小学校の統廃合の問題で、小規模校はたいへんな努力をしていろんなことに取組んでいるようです。そういう危機感があったからこそかもしれませんが、そのような取組みをしているということを評価していただいて、財政上の都合があって統合になったとしても、特認校のようなきめ細かな教育、大規模校ではできないような取組みを、きちんと評価していただいて、名張でもトットちゃんのような学校ができたらいいなと感じています。
もう1点、演劇をやっている人からメールをいただいたんですが、青少年センターの使用料がたいへん高いそうです。名張で公演をしたくても公演料が払えない、よそへ行かなければならないということになっているようです。今は大阪で公演しているらしいですが、このようなことでは、名張の文化が遅れていくような気がします。青少年センターの民営化という項目もあったかと思いますが、青少年センターが演劇文化に携わっている人たちにとって使いやすく、市民が自由に使える会館であってほしいなと思いますので、民営化によっていい方向に進むように考慮していただきますよう、今後の委員さんたちにお願いしたいと思います。

委員
この2年間の改革の取組みを始める際に、民間の経営手法というものを盛んに言われておりましたので、私はそういう視点で数字的なものを意図的にかなり言わせていただきました、中には失礼な厳しい言葉を使ったこともあるかと思いますがお許しいただきたい。
市長が14年9月に財政非常事態宣言を発せられて、時を同じくしてこの会議が始まったかと記憶していますので、市政一新プログラムと財政健全化策が同時に進行したということになるかと思います。
結果として15年度の経費節減が、概算13億、12億5千9百万ほどと広報などで読ませてもらいましたが、市政一新プログラムに関係する分についてはそのわずか12パーセント強ぐらいの数字で終わっています。ウエイトからいったら、人件費の削減等の2年間の財政健全化緊急対策が大きいわけで、その結果の15年度の収支決算、その数値がどれだけかで財政状況がどうなっているか分かることになるかと思います。
ところが、当初3つの指標を出されていて、経常収支比率が89.5%、本来は75%くらいが健全な数値であると、また公債費比率が17.8%、これは15%くらいが目処、さらに、財政調整基金が枯渇してどうにもならない、この3つを指標として言われていたかと思いますが、13億の改革効果の結果、この指標がどう変わったのか、どう変わりつつあるのか、それを入れて考えないと、一般市民には分からないし、私にもいまだに分かりません。
プログラムの中で16年度は3億9千万、4億ほどの削減目標がありますが、2年間経って、指標がどうなって、健全化されましたという宣言になるのか、ならないのか、そういうことを示してほしかったと思っています。
また、項目がたくさんある中で、この会議では数値化できるものの議論をとくにすべきであったと思います。項目の中には行政評価制度やシティズンズチャーターであるとか、いろいろ資料をいただいて議論してきましたが、その結果財政の健全化にどう結びつくかといったら、それらはおそらく数値化できないでしょうから、庁内なり別の部門で議論していただいたほうがよかったのではないかと思っています。
これから引続いてやられる委員の方には、民営化をはじめとして、数値化できるところをどう改革してどこまでいけるかということを議論していただいて、その結果として指標がどうなるのが健全化なのか、2年たって健全化できたのか、できてないのか、市民に公表できるように、そこのところを最初からきちんと設定したプログラムであるべきだったと未だに思っています。
具体的にそれぞれの項目について言わせていただきますと、看護専門学校、16年3月が期限になっていますが、民営化については検討するとなっているだけで、成果を出す、民営化するのがいつなのか分からない。検討の期日を示しても意味がないのであって、いつまでに民営化しますというような期日を多くの項目で示すべきであったと思います。聞くところによると専門学校内での民営化委員会でいろいろやっていただいているようで、新聞では民営化するとか合併するとか出ていましたが、他のところで情報が出ていても、この会議ではそのような情報が出てこなかったのも事実です。
また応急診療所の改革も17年3月に延期されていますが、依然としてそれまでに改革できるというようなプログラムの内容になっていません。
小学校の給食の民営化についても16年8月になっていますが、1校だけ民間委託して、それで改革が完了したというわけではないので、あと13校どうするかという議論がなされて、いろいろ問題はあるのでしょうが、何年にするということを、期日としていかないと意味がないかと思われます。
個人的にはまだまだいろいろと思うところはありますが、2年を振返ってみて、そういうところをこれからきちんとしていただきたいと感じています。

委員
この会議に参加させていただいたおかげで、ずいぶん勉強もさせていただいて、啓発を受けました。2年の感想を言わせていただきますと、非常に端整で男前の市長が、相当したたかであったなというのが正直な感想です。また、回を重ねるごとに、当初はさほど思っていなかったのですが、市役所の職員は非常に優秀だなという印象を受けました。
市長のしたたかさというのは、1回目の会議に出たときに、どう進んでいくのかと心配していたのですが、辞令を受けて個々の委員の挨拶があって、テレビカメラや新聞記者さんがずらっとならんでいて、たいへん緊張いたしました。これは市長の無言の圧力、皆さんしっかりやりなさいよという圧力であったかと思うのですが、私はその圧力に負けて言いたいことも言えなかったのですが、回を重ねるごとに非常に職員の方々優秀だなと思いましたのは、委員を選択された、何らかの基準があったのでしょうが、非常に個性豊かな人たちばかりで、熱心な議論をされている。これをあらかじめ見越したのであれば非常に優秀ではないかと。
厳しい意見もありますが、財政と行政の改革という2つの難題を抱えて、膨大な事務量をこなして、2年間ここまで来られた。また一年目の中途から、改革も実施に向かうものが出てきて、意見書には厳しい言葉ありますけれども、個人的には着々と、実施に向かわれたのではないかと言えると思います。市役所もなかなかやるなというか、大丈夫だなという感じもしています。
条件をつけるとするならば、ここで会議しておりまして、窓から見える景観を見ていますと、草が伸びております。以前に、なぜ草を刈らないのかと、お客さんが来るだろうと、指摘した方もいましたが、私も同じ位置で座っておりまして、同じことを考えていましたから、非常に印象を受けました。
その方は民間企業では考えられないことだと、半日でできるじゃないかと発言されていたので、民間手法の導入というのであれば、民間的感覚、吸収されたのかというところ、疑問に思っています。
今日見て、これがきれいに刈られておれば、これから2年先も3年先もきっちりした形で市役所はやっていくのだろうと、安堵の感をもって退任するのですが、少し心配かなと思っています。
また時間があれば、これからのことを2・3申し述べたいと思います。

委員
2年間本当にいろんなことを勉強させていただいて、ありがたかったと思っています。
応急診療所のことに関して申しますと、2年のあいだに一部改善されたところがあったかとは思うのですが、まだ方向付けという点で、前へ進んでないのかなと思います。医師会、薬剤師会との間の問題が難航していることは分かりますが、この2年間進まなかった、今までの体制のままであることは残念です。
また、私たちは消費者団体ですから、会の性格上、ごみの問題についての検討委員会にも会員から参加させていただいております。その中で、先ほど市長が住民自治の道とおっしゃいましたが、それとは違う点が検討委員会にあるのではと感じています。というのは、青山のごみ処理の場所についても、場所の設定については行政のほうにお任せくださいという感じで、レールが敷かれている上での委員会という感じがすると参加している委員が申しておりました。市民感情もあるでしょうし、難しい部分もあるでしょうからお任せというのも分かるのですが、住民自治というからには、すべてを検討委員会の中で検討したうえで、進めていっていただいたらよいのではないかと思っています。

委員
2年前に就任しまして、まず思いましたのは、市の財政は苦しいんやなと、お役所仕事という言葉が浮かんできまして、どうしていくのかなとまず思いました。ところが、改革することがないかと聞いたら、膨大に案が出てきて、市職員はこれだけ考えているのかと、意識の高い方が多いなと感心もしました。
非常事態宣言が出てから2年間、プログラムを進めてきたわけですが、市民会議として議論をして、お願いもしてきましたけれども、出来たこともあったのですが、なかなか進まないものもあったなというのが感想です。
なぜかということを考えますと、一生懸命頑張ったけれども、時間が足りなかったということが考えられますが、それは時間をかけたら出来るということでもあります。また、国の制約や規制にかかって出来なかったということもあろうかと思います。逆に、部署によってはヤル気があるのかなというところもあるかと思われます。市長が危機感を持って改革をしていこうとするならば、一番大事なのは職員の意識改革だと思いますので、できることはすばやくということを念頭に、これからも進めていっていただけたらと思っています。
委員
2年間を通じて、粗野な言葉やエキサイトした発言を行ったのではないかと思っています。というのは、インターネットで議事録を見ると一人だけ言葉尻が違う、これは自分だなと。それはインパクトや、分かりやすさであったりというのを、意識的に込めさせてもらったつもりです。それほど粗野な人間ではないということを最後に言わせていただきたい。
私は数字に明るいわけではないし、分析ができるということもありませんので、ついつい意識改革めいた部分をずいぶん話しさせていただきました。
この2年間で最初に持った疑問は、行政・公務員がこのままやっていくと破綻すると言う、だから民間の知恵を借りたい、いい方法はないかと。そこは大いなる矛盾だと思います。自分から白旗を揚げてどうするのか。公務員はプライドを、自信を持ってやることがあるはずです。白旗を揚げるのであれば、民間のわれわれの言うことを聞いたらいいのにそれは聞けないと、どういうことなのかと疑問に思います。
公務員はリストラはない、給与も多少の削減はあったが、民間のような大幅なことはできない。そうやっていって一番被害をこうむるのは誰か、それは間違いなく市民サービスに響いてくるだろうと思います。
一番言い続けたのですが、ある程度形として出てきているものもありますが、民間では、この程度では改革ではなく改善であるというのが感想です。それが悪いというわけではなく、やっぱり難しい、この程度なんだなという思いです。
一点言わせていただくと、給食の民間委託の問題ですが、われわれがここで議論していたのは百合が丘小学校1校だけの給食の民間委託ではなく、小学校給食の民間委託を全体としてどうしていくのかということでしたが、いまだそこが不明確なままです。
これでは1つの小学校だけでお茶を濁したととられかねない、本当はセンター方式とか、そういう話しもあったかと思うのですが。
保育所ももっと違う形で大きな話があったのに、いつのまにか一園だけの民間委託で、公設民営化ということになっている。前回保育部局の人にこれからどうするのかと聞いたら、民設民営化も視野に入れていると言われる。そのような形になっていないのに、話だけそういうのが出てきています。
一貫してどうなるのかということが謳われないままに終わるのでは困るわけで、継続したものにしていただきたいと思います。
意識改革というのは簡単ですが、民間の人のような感覚を官の人も持たなければならないのではないですか。
また、会議の進め方として、膨大な資料をもらいますが、これだけのものを読みこなして、継続して頭に入れるのは無理です。役所の会議もそのような形でしているのであれば、そこの無駄もなくしたほうがよい。膨大な紙の量ではないですか。これらを全部読んで分析してとなったら相当な努力がいります。一冊資料をいただいて、赤で書き入れてというようなやり方で、今後の会議をやっていただきたいと思います。役所の会議では、資料を読む人がいて、読んでない人がそれでよろしいです、と言うだけではないですか。それが日本的な官公庁の会議のやり方なんでしょうけど、民間ではそういうやり方は通用しない、きつい言い方ですが最後に言わせていただいておきます。以上です。

委員
区長会代表として3回参加させていただきましたが、前任の委員さんには非常にご苦労いただいたかと思います。3回の参加では、問題点を聞かせていただいただけでしたが、区長会から出てきている以上は皆さんとは違う観点からの意見を言わせていただくことになるかと思います。

委員
唯一名張市民でない委員として参加させていただきましたので、私なりの役割というのを意識しつつ議論させていただいてきました。
市長の言われるとおり、市政一新プログラムの理論でありますNPM理論が自分自身の研究分野でもありますので、その面での意見を主に述べさせていただいてきましたが、この16回の市民会議はなかなかエキサイティングな会議でございましたので、役割を忘れてのめりこんできたところもございました。
まず、この会議の分水嶺になったと思いますのは、15年の2月に市の部長さん方と委員の皆さんと対面してお話をされたことがありましたが、言葉は適切でないかもしれませんが、委員の皆さんが終わったあと、むなしかった・敗北感、ということをおっしゃっておられました。しかし同様に市の部長さん方も同様のことをおっしゃっていたと聞くことがありました。
それは、お互いが勝ったと言っていれば通り一遍の議論しかできなかったのであろうし、どちらかが勝ってどちらかが負けたというのであれば、これは禍根を残すことにしかならないわけで、お互いに言うべきことが言えなかった、伝わらなかったと感じているのであれば、これはかなり真に迫った議論がなされたのであったと思われます。
前歴はあまり申し上げませんでしたが、私は公務員としての経験もありますし、民間企業にいたこともありますので、どちらの環境もある程度存じてはおります。
その経験の中で、公務員社会がいかに変わるのがたいへんかということを実感していますので、あのような会議の場所で市の部長さんが、実際に委員からこの期限の設定が甘いと言われて、ではこの期限にという訂正をあの場で言うということは大変なことであったと思われます。
それは委員の皆さんの理性ある冷静な言葉のやり取りや、理論的な考え方、また名張市民として名張市を何とかよくしたいという思いから発せられた言葉であったことによると思っています。
市長さんのご挨拶の中にNPMが市政一新プログラムの中核の議論であるというご発言がありましたが、NPMを定義しますと、成果重視・市場原理の導入・住民を顧客と考える、ということで、長々と説明はしませんが、この議論に立って行財政改革を進めていきますと、市が必ず出会う副作用がございます。それは、公務員文化と相容れないことをしようとしていることによります。
公務員文化というのは、預かった税金を如何に正しく使うか、どちらかというと成果よりよりもお金の管理、やるべきことを間違いの無いようにやっていくという点が重視されていたわけで、そこに成果を重視しよう、権限を民間に、と言ったときには、まずそれまでやっていた公務員の仕事のやり方を壊さないとできないのが正直なところと考えています。
また、アカウンタビリティの問題、権限を預けられている者は預けている者に対して説明責任があるわけで、その責任、説明責任を果たせないというときには、NPM理論に基づく行財政改革自体が意義を失ってしまいます。
ではアカウンタビリティを果たすにはどうすればいいかというと、シティズンズチャーター制度なども導入されていますが、いかに市民の事情、問題をくみ上げていけるか、それに対していかに責任を持って迅速に対応するかということ。こういったシステムをしっかり作って、システムがありますというだけではなくて、どのような立場の人にもわかりやすいように開かれている、この点を、言うは易く行うは難しですが、しっかりと持っていただきたいと思います。
それと、市場原理の点から申し上げますと、市場原理を導入しますと、行政と民間の垣根が低くなるということになります。いろいろと行政サービスをする人たちが役所以外にも増えてくるわけですが、民間委託については委託して終わりでなくて、市民にとって質の高いサービスを業者が提供しているのかということをチェックする機能を市が持たなければならないということです。
また、民間委託は質の高いサービスを安価に提供できるということが言われていますが、サービスの水準が決まっていれば価格の差は人件費の差でしかないわけで、公と民との違いは、単に給与の格差があるだけということを証明することになってしまいます。
かといって、職員の給与を半分にできない、法律でできないというのであれば、市の職員の仕事の質を2倍3倍にしていかなければならないということです。そうでないと、改革すればするほど、公務員がいかに非効率的であったかということを証明するだけになってしまいます。
これを極端に進めていくと、埼玉県志木市のように、行政パートナー制度を導入して、今何百人いる職員を50人にまで減らすということになるのでしょうが、名張市がそのような方向に舵を切るということはないかと思いますので、今いる職員がしっかりとしたサービスをしているということを市民に明らかに示すことが必要と思われます。
最後に、NPMの理論に基づく改革は、いろいろと副作用を伴いながらも方向としては正しい方向に向かっているのであれば、北風と太陽の話のように、できる限り改革を進めていく職員には太陽を当てていただいて、CS(顧客満足度)はES(職員満足度)という言葉もありますけれども、市民満足を向上させようと思うなら、職員満足を向上させることが必要であるということを最後に申し上げたいと思います。
本当に16回、いい経験をさせていただきました。申し上げきれないのですが、月並みですけれども万感の思いを込めまして、拍手を送りたいと思います。

委員
先日市の幹部の方と議論をさせていただいたときには、ほとんどの人ががっかりしたという感想でした。ヤル気が言葉に感じられなかった。ご都合もあるでしょうが、本当は今日も出てきていただいて、どう変わったかという話をしたかった。意識改革したといっても、目の色を変えているわけでなく、発言も意欲的でなかったのは事実ですから、今後は意見書にも書いてあるとおり、しっかりやっていただきたいと思います。

委員
繰り返しになるところがあるかもしれませんが、お時間をいただいて、3つのことを申し上げたいと思います。
1つは、満足と不満足度、これをどうしていくかという問題。2つ目として、限界効用と優先順位、この問題。3つ目として、具体的事例といいますか、福島県にラーメンで有名な喜多方市というのがありますが、その例でお話してみたいと思います。
他の委員の意見にもありましたように、満足か不満足かが人間の感情のほとんどを占めるわけですけども、市の組織の場合、常に行政と市民との二面性、あるいは市組織と職員との二面性、あるいは議会との関係での二面性というか三面性というか、どちらかが満足すると一方が不満足になる。非常に難しい問題ですが、これからやっていただかなければならないと考えています。
もうひとつ、限界効用と優先順位という問題、われわれ家庭生活でもそういうことを考えてやっているわけですが、自治体を経営する場合、民間とは違いがあるでしょうが、制度的に一単位の投資に対してどれほどの満足度を得るかということ、金銭でも利便性や満足度でもいいけども、このことを今後どう考えていくか、こういうシビアな議論を通じて、どうしていくかという問題があるかと思います。
優先順位も同じで、緊急度、重要度、あるいは効率から見て、いろんな面から何を一番先に優先するのか、常に選択されていく基準が必要だと思うのですけども、一単位の投資に対する効果、これに対する評価、事後であろうが未来に向かってでもいいですけれども、どう評価するのか、そのシステムがまずあるべきです。
なければ、行政評価という項目もあったようですけれども、最終的に市長が判断するんでしょうが、もっと下から声を出したり、あるいは内部で評価して市長の判断を助けるというようなシステムがどうしても必要だと思います。
満足度についても市民満足度調査というような項目がありましたが、まだスタートしていないように思っていますけれども、ぜひ総花的なものではなくて、一単位でもって、深く市民に意見を聞くこと、制度が出来上がった経緯や問題点も洗いざらい出して、現在こういう状態にある、どんなものに対してもひとつずつ意見を聞いて、評価を仰ぐということをしていただきたい。
同時に職員に対する評価もあわせてしてもらって、その制度の創出や変更によって、職員の仕事やら、いろんなものにどういう影響があるかということも是非していただかなければならない問題かと考えています。
具体的には評価制度の問題、満足度調査の問題、具体的に十分検討されて、うまく活用していただくことを期待します。
3つ目、喜多方市の話なんですが、5月か6月に「気功のまち喜多方」という形で、ラーメンではなくて、紹介されていたのを見まして、老若男女を問わず、気功をやられている。インターネットで喜多方市を調べますと、いろいろ出てくるんですが、一番感銘を受けたのが、15年3月に太極拳宣言をされているんですが、2002年にねんりんピックをやられて、それをきっかけに太極拳宣言というのをされています。数十年の実績がないと簡単にはできないと思いますが、太極拳を通じて健康・福祉・教育・交流の4つの調和のとれたまちづくりを目指します、とあります。具体的には、
太極拳により、いつまでもしなやかな精神(こころ)と身体(からだ)でありたい。
太極拳により、癒されながら共に助け合い、心豊かにくらしたい。
太極拳をとおして、好奇心やチャレンジする心を大切にしたい。
太極拳をとおして、世代や性別を超え、思いやりともてなしの心を忘れずにいたい。
もう感動するような言葉が並ぶわけです。
市長が目指されている理念のとおりのことが文字になっていると思います。職員の問題にも絡みますが、削減したりカットしたりとしているあいだにだんだんと夢がしぼんできたりエネルギーを失ったりする、もうちょっと前向きに投資を小さな投資で活力のでる、効果的なものは何かと考えれば、太極拳というのはそんなに烽烽からない、年寄りから子どもまでできる、太極拳だけではないでしょうが、やり方はいくらでもあると思います。
前向きな話しにどうしていくかということ、合間を見つけて検討して具体化していただけたらなと、そういう風に思います。

会長
私たち民間の考え方と公の考え方のものすごい開きを切実に感じました。公務員ですから無理ないでしょうが、学校を出て公務員になって、ずっとその中にいるのだから、今の状況が当たり前だと思うだろうし、民間の苦しい状況が分からない、話を聞いていても実感できない、そういう意味で考え方の開きがある。これは仕方がないことかもしれませんが、われわれが民間の側から見た意見を言うことで、少しでも職員の方に意見を取り入れていただいたらと思ってやってきました。
保育所の民営化について言えば、民営化するといったら、全部ころっと替えると思っていました。それが、定年が来て、人が減っていくのに合わせてということになっています。改革というのはそんなやり方とは違うだろう、改革といったらころっと全部替えるというのが改革と民間では思っていますが、そのあたりに意識の違いを感じました。
具体的に、市立病院とか老健とか看護学校とか、いろいろ議論してきましたが、市立病院については、365日救急医療をやっているなかでは、ある程度の赤字は仕方がないかなとも思います。できるところは倹約していただきたいですけれども、市民の医療を守るために、市民としてはある程度負担も覚悟しなければならないのではと感じています。赤字額を市民一人にしたら約1万円ですので、それで医療が担保されるならという思いです。津や奈良などの、遠いところの病院へ行く必要もなくなりましたし、そのことで本人や付添いや見舞いのための往復にかかる費用などを考えると、市民にとって充分メリットがあると思います。
ゆりの里については、赤字は考えられない。徹底して黒字になるように、頑張ってもらいたい。必ずできるはずです。市立病院といろいろ共同するところもあるでしょうし。
全体的に、何か改革をやるということになると、あれがあるこれがあると、マイナス要因が出てくる。これだからできませんという風潮が強い。それを乗り越えてどうしていくかという積極的な姿勢がないと、2年間やってきて感じました。

委員
今の話にもありましたが、公務員と民間の意識の違いというものは、これはもう埋められないということがいやというほどわかりましたし、無駄な抵抗はやめようと思いました。公務員というひとつの人格が、民間とは全く違うんですね。官民一体で汗を流そうという気持ちにならないといけないと思っていましたが、制度的に非常に難しいということが分かりました。
ひとつ疑問に思っているのですが、パブリックコメント、これほんとにすべて正しいのか。誰でも彼でも意見聞いたらいいというものではないと思います。専門家で、ほんとに少人数でも正しいことを言っている、誰がなんと言おうと正しいこともあると思います。
そういうものを市長には忘れずにキャッチしていただきたい。全部聞いてそこから選ぶというのであれば、専門職というのはいったい何のために存在しているのか。
今の世の中というか、名張市だけではありませんが、そのような風潮に疑問と不安を感じます。
委員
パブリックコメントについては、おっしゃられたような懸念はパブリックコメント制度そのものではなく、やり方の問題であろうかと思います。
もらった意見をどう生かすのか生かさないのか、その判断こそが必要かと思います。専門家から意見を聞いてという形もできるわけで、たとえば少数の専門家から意見を聞くということもできますが、専門家でも偏った意見もありますので、それをどうするかというと、デルファイ法というような、多数の専門家に同じ質問を繰り返し聞いていく中で、ひとつの見識を練り上げていくという方法もあります。
パブリックコメントを実施したら、それが免罪符になって、それでよしとするのではなくて、どういうところでどういう立場の人からどういう意見が出てきて、それを意思決定の中でどう活用したのかということが重要かと思います。
イギリスではパブリックコメントというのははっきりとやり方が決まっていて、聞いた意見に対して、どこまでやってやらないのか、思い切って出してしまう。それはどういう理由によるのかもはっきりと応えることになっています。当然対立を生みますが、それもひとつの決断ではっきりと決めたことに対して責任を持つということです。"現下の情勢において"とか、そういったどうでもいい言葉で理由をごまかすのではなく、われわれの決断と責任でということを明確にしています。
非常に大きなテーマですので答えきれていないと思いますが。

委員
今のお話の中で、公務員と民間人とは相容れないという意見があったかと思いますが、そうではないと考えています。民間においても牛乳や自動車や、いろんな問題があるわけで、企業倫理というもののあり方が問われているところがあるかと思います。いろんな問題を起こしているところは、内部でチェック体制があったかどうか、昔なら労働組合というのもそのひとつであったのでしょうが、いろいろなチェック機能が組織の中にあるかどうかが問題かと思います。相容れないのはやり方の問題で、それは制度的な制約があるのでしょうが、倫理というのは、公務員であろうと民間であろうと一緒であると思っています。

委員
市長もいろいろな報告を受けて、審議していただいているのでしょうが、期日が遅いとか内容がおかしいとか感じられることはありませんでしたか。それをどんどん突っ込んで指導されていたとは思うのですが、最後に当たってそのあたりの率直なご感想をお伺いしたいのですが。

市長
それはあります。ありますし、いろいろとご意見をいただいたのでそのあたりのことも含めて申し上げましょうか。
官と民の感覚が全く違うということですが、公務員の意識改革ができれば改革というのは8割方成功なんですね。明治以来130年間続いてきた中央集権社会、官尊民卑といっては言葉が悪いですが、そんななかで文化が築かれてきました。それが平成12年4月に地方分権一括法ができたから一気に変わるかというと、それは非常に難しいことです。しかしそれぞれ国も県も市町村でも、リーダーシップのある首長が率先してやっていくべきだと思っています。
まさに80年代にレーガンやサッチャーが大改革をしまして、それによって自治体の首長も奮起して改革をやっていったわけですから、私は意識改革等も含めてやっていけると思っていますし、またやっていかなければ自治体の自立ということもありえないので、必ずやっていきたいと思っています。
ただ、2年間で130年間積み上げられてきたシステムを一気に変えるということはできませんので、徐々にではありますがやっていきたいと思っています。
それから、改革の中の遅れている部分につきましては、それぞれに理由はありますが、市民に対して、または議会に対しての説明責任を果たすのに時間を要しているのもありますし、法の制約があって難しいものもあります。
具体的には給食の民間委託などはずいぶんと関係各方面への説明に時間を費やしました。毎年一校ずつ民間委託を進めていくという計画はできていますし、着実にやっていきたいと思っています。
また、応急診療所の問題につきましては、応急診療所だけの問題ではなくなってきておりまして、365日24時間体制の病院を維持していくのに大きな課題を背負い込んでいます。それは医師不足の問題ですが、それを組み入れて考慮しないといけない状況になってきています、これはもうちょっと時間をいただきたいなと思っています。
あと法的な制約につきましては、看護学校の民間委託なんかは簡単にできると思っておったのですが、厚生労働省はそうでもないですけども、文部科学省が頭が固くて、設置者でないと学校を運営できないという規定がありまして、内閣府のかなりの後押しを受けてやってきましたけども、特区が受けられませんでした。
保育所は公設民営を、所管官庁が厚生労働省ですからやっていっているわけですが、幼稚園は文部科学省の管轄ですので、公設民営ができないと、こういう問題があります。
文部科学省は一番頭が固いと思っていますが、以上のような問題があって、内閣府としてはこういうところから突破していきたいと、かなり頑張っていただいたのですが、まことに残念で申し訳ないということで出来ませんでした。今後は違う知恵も出しながらやっていきたいと思っています。こういった法の規制もあるということをご理解いただきたい。
民間委託につきましては、だいたいのレールを引いてもらってありますので、効率よく推進していくということですが、ただ、会長さんからご指摘いただいておりました点につきましては、給食などの民間委託でも、一挙にやってしまうと、財政負担がかえって増えてしまうという現実があるわけです。現場の職員を他の部署に異動というのは難しい面もありますし、職員が減らないまま一挙に委託費が必要になりますので、退職者をみながらやっていかなければならないのはやむをえないところであるとご理解いただきたい。
保育所のほうは検討委員会を作ったのですが、学校の空き教室の利用も視野に入れながら、きちっとしたものを作っていこうと、そういうことも考えてやっていきます。
民間の方から見れば、一気にやったらどうかと思われるでしょうが、かえってそれで財政的負担が増えてしまいますので、そのあたりご理解をいただきたいと思います。
また病院やゆりの里の赤字の問題につきましては、今後市民にお示しするのに、ややこしい企業会計の数字を出すんではなくて、入りは頑張ってこれだけ、出づるはこれだけ制しましたと、単純に市民に分かっていただけるものを作っていこうかと考えています。減価償却がいくらとかそういう難しいことは措いておいて、収入はこれだけ増やせました、支出はこれだけに抑えました、赤字額はこれだけ減りました、減価償却を除いたら、トントンでやっていけるようになりましたと。そうやって市民の方にわかっていただけるような、複雑な企業会計ではなくて、わかりやすいものを出していったら、職員もヤル気でますから、やっていきたいと思っています。
ゆりの里については減価償却費を除いたら、おおよそ収支がトントンになるぐらいにまでやってきています。
青少年センターのこともいろいろ聞かせていただいておりまして、青山ホールに利用者を取られているという話も聞いておりますが、できればかかわっている団体さんなんかに運営をしてもらうということを検討しています。スポーツ施設なんかは"おらが施設"みたいな感覚を種目団体に持ってもらっていて、率先して掃除や器具の修理や除草などをやってもらっています。青少年センターではそういうことがないので、舞台を利用される団体さんがそういうことにも携わっていただいたらと思います。会議室だけの利用であったり、舞台だけ借りて稽古するとか、もっとフルに活用していただける方策を考えています。

委員
知人はそういうのにもかかわりたいと言っているのですが、どうしたらかかわっていけるようになるのでしょうか。

市長
今教育委員会で検討しております。文化団体の方々に"おらが施設"だと思っていただけるようになったらもっとフル稼働するでしょうし、小さな単位ででもお貸しできるようにしたいと思います。公民館は自主運営になったので、そのあたりは弾力的な運用がなされています。そうなったらすばらしいと思いますし、そのあたりを今検討しています。

委員
時期的にはどうですか。

事務局
文化施設については今年来年と検討してやっていきたいと考えています。体育施設については来年度から実施します。

事務局
青少年センターの運営は非常に厳しい面がありまして、収益は年間1千万くらいのところを、費用が5~6千万くらいかかっています。その差は市の補助金という形で支出していますが、当初は8~9千万あったのを、縮小していただいてきています。ただ、あのような文化会館などは黒字というのはなかなか難しい面がありまして、名張のような地方都市では一般の興行が少ないし、地理的条件から1時間ほどですばらしい施設で見ることができるわけですから、この施設を建てるに際してはだいぶ議論がございました。

委員
赤字だからじゃあダメだということでは文化が低下していくと思うんですね。

事務局
皆さんに活用していただけるような仕組みを作っていかないとと思っています。

委員
そういう検討を続けていただきたいし、早急にやっていただきたいと思います。

委員
ただあの会館で、音楽を聞いたり劇を見たりするにはまったく中途半端なんですね。舞台が狭苦しくて。造るときにもうちょっと本格的なものができておれば需要もあるでしょうが。

事務局
当初の計画では舞台はもっと小さなものだったのですが、それぞれ使い勝手があるということで、音楽や演劇の専門家に入っていただいて、奥行きが14メートル、おそらくあの規模では1200人~2000人クラスのホールと同じような仕様になっています。

委員
さきほど市長が保育園のことに触れられましたが、プログラムの中に幼保一元化というのがありまして、最近政府が幼保一元化の指針を打ち出していたかと思いますので、それを受けてこれは加速していくというプログラムになるのでしょうか。

市長
これはですね、特区を受けてやろうとしているところもありますが、幼稚園への入園者が少なくなってきて、保育所志向になってきていますので、今名張幼稚園で0歳児から2歳児の保育をやっています。もっとそれを拡大していけないかということを検討課題として認識しています。桔梗南幼稚園も少ないので、今ある施設をフル活用するような検討をしていくということです。
それから、数値目標を立てて進めていかなければならない、目標と結果も数値で出していくということは、当然のことですので、できる限りしていくようにいたしたい。
学校給食の民間委託については、一校だけでお茶を濁すということではなくて、教育委員会で計画を立てております。
効率だけいえば、他の自治体の例もありますが、市で人材派遣会社をつくって、調理師の資格者を募集して、各学校へ9時に送っていって3時に迎えに行くと、土曜も日曜も休みで、季節ごとの休みもあって、時給7~800円でしていきますと、今の経費の22%でやってしまえるという試算もあります。
ただ、このやりかたでは今のレベルを維持するだけで、向上するところがないわけでして、今以上のものを求めるのであれば、民間がそれだけのノウハウを持っていらっしゃるわけですから、民間へ託して今よりももっとすばらしい提案なんかも出していただけると思っています。そういうことも期待して公設民営に踏み切らせていただいたということです。
また、費用対効果のことであったり、満足度調査のことであったり、いろいろとご意見をいただいておりましたが、総合計画策定のおりに、去年の6月に市民満足度調査をしています。同時期に三重県でも調査をしていますが、ただ、こんなに差があるのかと思いましたのが、医療の問題でして、不満足のトップは県の調査の場合、医療の不満が伊賀ではダントツに高いという結果でした。
ところが市のアンケートの中では医療に対する不満は低いという結果が出ておりまして、それはなぜかということを考えていたのですが、伊賀には3次医療がありませんので、名張の方は伊勢方面や奈良・大阪方面の病院へ行かれている方もある程度いらっしゃるでしょうから、なぜ3次医療が伊賀にはないのかという不満が県の調査では出ているのかなと思っています。
ところが、市の調査ではそれがないというのは、名張の1次2次医療はそれなりに評価していただいているのかなと思ったりもしています。
住民満足度の調査では、名張を気に入っている、このまま住み続けたいという人が80%以上あるんですが、県に住み続けたい、県を気に入っているというのは、伊賀が一番低いんですね。
次に不満が多かったのが、移動手段の問題。名張では車がないと住みにくい、不便であるということで、それは他の自治体で5年以上お住まいいただいていた方が名張では60%以上おられるわけです。以前の自治体では数分ごとにバスや電車が来るという生活をなさっていた方が多いので、そういう結果が出ていると思われます。
県の調査では紀州のほうが移動手段に関する満足度が高いわけですが、ではそういうところに移住されるのかというと、そんなことはないわけで、前の自治体との比較において満足度の水準が高いところにおかれているからと思われます。

委員
若い人が大学へ行ってそのまま向こうで就職したりということがあるかと思いますが、そういう人たちが帰ってきているかという調査はその中にあるのでしょうか。やはり、出た人が帰ってくるというのが都市の魅力なんですね。そこをどうしていくか、今は出て行った人がどこに住んでいるのかもおそらく掴んでおられないと思いますが、そのあたりを考えていただいて。
市長
それも少ないと思います。というのは核家族化しているということがあって、毎年平成10年から人口が100人くらい減っていますが、世帯数は400世帯ずつ増えているという現実があります。もうひとつは高齢者だけのお住まいも多くなってきています。
そういう方々は、若いころにこちらに来ていただいたのですが、高齢化してくると草の手入れなんかがつらいとなって、大阪環状線の中にあるマンションなんかもいまは3000万ほどでありますので、今の家を売って退職金を出したら、十分に買えるわけでして、そうなると、車に乗る生活もしなくてよく、高度な行政サービスも受けられる、そういう理由で帰られる方もたくさんいらっしゃいます。
逆に、リタイアして自給自足の生活にあこがれて、こちらに来ていただく方もいらっしゃいます。今はその割合が出て行かれる方のほうが多いということが原因ではないかと思います。
委員
若い人が帰って来る企業がないですよね、その受け皿が。大阪・名古屋の通勤圏ではありますけども。

市長
大都市の不動産が安くなっているということがあるかと思われます。通勤だけで大阪へ8000人、上野市・伊賀町・阿山町を中心に6300人通ってもらっている。ですから368号が毎朝非常に混んでいるわけですが、しかし住むのは名張と言ってもらっています。それを受けて、暮らしやすさに特化した、生活者起点のまちづくりをしていこうということで、今回の総合計画を立てています。保健・医療・福祉や教育・情報といった分野を強化していかなければならないと考えています。

委員
2年前の満足度調査で80%の市民が満足とおっしゃいましたが、私も興味があって自分なりに分析したのですが、いずれ移り住みたいという回答を、市長は満足度に入れて計算されていますよね。いずれ移り住みたいという理由はさまざまあるでしょうが、否定的にとれば万の単位で市民が出て行きたいと思っているという数字になります。万の単位で出たいというのは異常じゃないかと思うのですが。

市長
不満の方が多いのは、他の自治体でお住まいいただいていて、比較するものがあるからと思われます。紀州であれば住み慣れたところがよいという回答になるでしょうが、名張の市民は60パーセント以上の方が他の自治体で5年以上住んでいただいていますから、比較するものがありますからね。
そういう方の意見もお伺いするために、「市長への手紙」という制度を設けましたが、年間370件、一日ひとつは手紙をいただいております。他の自治体ではこんなにないらしくて、市長会ではそんなことしても1ヶ月だけでしょうと言われていましたが、コンスタントにずっと続いています。

委員
住みたいか住みたくないかのアンケートもいいでしょうが、住むのに不安か不安でないかのアンケートもとったほうがよいと思います。どこかに行きたいとか、行けるという人はいいですが、行きたくても行けない人がいるわけで、将来このまま名張に住み続けることに、不安を感じるのか安心なのか、それが行政にとってもっとも大事なアンケートではないですか。住みたいか住みたくないかは、お金もっていたら自由だから、住みたくても事情があって移住する人はいるでしょうが、住み続けることに不安を感じないか、そこが最も重要なところと思います。

市長
住民自治という観点から、地域のコミュニティーが再生されてくれば、今ある多くの課題が解決されていくところも多分にあります。
また、ごみ処理施設の問題については、住民自治を推進するなら立地もお任せになったらというご意見があったかと思いますが、まだそこまで理解が進んでいないというところです。ごみ処理施設は、現在の段階では忌避施設、迷惑施設と思われています。いろいろ候補地はあって回ってきましたけども、地権者が多かったり、当たってみてダメだったり、絞り込んできた中で、市内で1ヶ所候補地があったわけですが、20年6月の期日には間に合わないということで、今環境アセスを違うところでしているわけですが、この問題については、自治体の責任において位置などを決めていかなければならないと考えています。
理想を言えば、市内14地区でそれぞれに何らかの施設ができていったらよいとは思いますが、費用対効果からすれば合理的でないし、そこまで意識が進んでいないと思われます。
名張の方は、土地の値段が下がるということにだいぶ抵抗があるようで、今まで土地の値段は上がってきましたから、忌避施設が来たら地価は下がることが避けられない、それは困ると思われているのではないでしょうか。
委員
もうひとつは、名張市が財政的に困難な状況にあるのですから、今回特区が認められたように、市内の他の場所にも土地があるのですから、わざわざよそになぜ作るのかという意見もあります。
ただ施設ができる地区の人たちの気持ちもあるでしょうから、なかなか難しい面もあるでしょうが。

市長
あまり情報を公にしますと、その地区の住民を責めることにもなってきますので、水面下でいろいろと動いていたということがございますが、現段階では市内で推進していくということは難しいという判断になりました。
ただ、工業団地は特区が認められてから引き合いがいろいろと来ていますので、どこかの時点で判断しないといけないと考えています。製造だけでなくして、いろいろな用途に使えることになりましたので、いろいろなところからいろいろな提案が出てきています。それは市にとって好ましい状況になってきたと思っています。

委員
市立病院について申し上げますが、よその町では市立で病院を建てたけども、医師不足で、箱物は残ったけれども診る人がいないというようなところもあると聞きます。名張は福祉の理想郷ということを掲げているわけですから、医師不足は解決していかなければならない課題になっているかと思いますが、アイディアはいろいろ考えられるわけで、お医者さんになろうと思ったら、お金が非常にかかるということがあるわけですから、将来名張市で医師になるという前提で奨学金を出すとか、そのような方策も考えていっていただければと思います。

会長
まだまだいろいろとご意見はあるかと思いますが、今日はこの辺で。
本当に2年間ありがとうございました。

以上

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