メニューにジャンプコンテンツにジャンプ
名張市

第15回市政一新市民会議

更新日:2015年3月13日

第15回市政一新市民会議議事要旨

1.開催日時

平成16年7月26日(月曜日) 午後4時から7時

2.場所

庁議室

3.出席者

市政一新市民会議 会長 寺田 伊三男 福祉関係団体
市政一新市民会議 委員 稲沢 克祐  学識経験者
市政一新市民会議 委員 井川 敏雄 区長会
市政一新市民会議 委員 尾形 雅則 経済関係団体
市政一新市民会議 委員 西田 哲也 青年関係団体
市政一新市民会議 委員 小谷 靖 労働関係団体
市政一新市民会議 委員 佐藤 ヨリ子 女性関係団体
市政一新市民会議 委員 中村 宣利 公募委員
市政一新市民会議 委員 野崎 浩子 公募委員
市政一新市民会議 委員 倉橋 忠雄 公募委員
(敬称略)

助役 松本 豊明
事務局 山本 順仁 行政改革評価室長
事務局 田中 資三 行政改革評価主査
事務局 福本 耕平 行政改革評価室員
事務局 米澤 道隆 行政改革評価室員

4.協議事項

  1. 重点改革項目について
    病院の経営改善について
    保育所の民営化推進および統廃合の検討について
    小学校給食業務の民間委託推進について
  2. 平成15年度改革実績(概要)について
  3. その他

5.内容要旨

第15回市政一新市民会議内容要旨

会長
本日は病院の経営改善、保育所の民営化、小学校給食業務の民間委託等について審議をしていただきます。長時間にわたっての会議になりますがどうぞよろしくお願いします。

事務局
議論に入っていただく前に、本日の議題に3つの項目を出させていただいた経過について事務局からご説明いたします。
本日ご議論いただく重要改革項目は、これまでの市民会議の数多い論議の中でも特に重要であると考えられるものでございます。現在、改革進行中の項目でございまして、今後の進め方やその方向性について十分な意見交換をしていただくべき項目として、本日議題に挙げさせていただいたところです。
経営観点の導入ということで、病院の経営改善について、また民間活力の導入の観点から、今まで議論となりました保育所の民営化、小学校給食業務の民間委託について現時点での考え方をご説明させていただき、ご議論いただきたいと考えております。項目によってはまだ完全に考え方が構築されていない部分もございますが、このあたりについては特に委員の皆様のご意見もいただきながら、これからの改革の考え方に反映していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

1.重点改革項目について

病院の経営改善について

事務局説明
(市立病院事務局長、病院政策室長より資料に基づき説明)
「市立病院経営健全化計画」による第1年度(平成15年度)の取り組みの成果および病院機能評価受審等について説明。

意見・質問

会長
ひととおり説明いただきましたが、まず収益的収入および支出の部分で何かご質問があればお願いします。

委員
ご説明をお聞きして、大変な努力をされた成果だと感じているのですが、事業数値の中で、例えば材料費比率や経費比率、医業収支比率などについては、目標年度である平成18年度の目標数値にほとんど到達している状況です。今後どのような対策をしていくのか、もうこの部分はほとんど目標を達成しているから節減の余地がないのかどうかという点について教えていただけますか。

担当室長
経費につきましては、内訳としては委託料が高い比率を占めています。委託についてはこれまで随意契約で行っていましたが、今年度につきましては競争入札を取り入れていきたいということで10月頃からそれに取り組んで、17年度予算ではこの割合をさらに下げていきたいと考えています。材料費については、成果は大変上がっているのですが、医薬材料費はある程度成果が上がっていますが、薬剤費について、業者と薬科との交渉をすることなどにより、もう少し成果を上げていきたいと考えています。いずれも、現行の18年度目標以上に成果を上げていきたいと考えています。

委員
外来患者数は基準年度である13年度より15年度は8千人程度減っていますが、18年度はほぼ13年度と同じぐらいの人数(12万3970人)を目標としておられます。このギャップを、さらにここまで減っているにもかかわらず、ある年度突然ここからずっと増えていくというようなことが期待できるのでしょうか。期待できるとしたらどういったことが根拠となっているのかが知りたいです。

担当室長
平成15年度の目標(120,295人)よりも実績(115,441人)が下回っていることについては、診療報酬の見直しがありまして、薬の投与の関係が2週間単位の投与であったものが1か月単位で投与できるようになったことにより、外来患者が減ったということが挙げられます。そういった動向も勘案しながら、目標数値についても見直していかなくてはならないと考えています。
また、外来診療単価につきましては、平成15年度の目標(8,320円)よりも実績(9,083円)が上回っておりますので、これについてはどういう理由で上回っているか
を分析した中で、18年度の目標数値を見直していく必要があると考えております。

委員
単純な疑問で恐縮ですが、1日あたり外来患者数は減少しているのですが、15年度は開院日数を246日で計算しているのでしょうか。うるう年は関係あるのですか。

担当室長
1日あたりの外来患者数というのは、土・日、祝・休日を除いた病院を開院した日数でもって算出しています。平成15年度は開院日数が246日であったということです。
うるう年は、入院日数には関係してきます。開院日数はその年の休日数などにより変動します。

委員
例えば、薬だけいただいて診療はしないから外来患者数が減少したということで、18年度の目標数値についても見直しをする必要があるということだったと思いますが、診療単価や診療収入も患者数が減れば普通は減っていくのではないでしょうか。

委員
薬を1回に、より長期間分渡せることになったということです。今までは2週間単位であったものが、28日単位で渡せるようになりました。それにより、外来患者数が減少したということです。

委員
単純に考えますと、病院収益から費用を引いたものがマイナスになるかプラスになるかということになると思いますが、収益をあげるための一番のキーは何になるのでしょうか。

担当室長
市立病院が2次医療という役割を担っていることからいえば、入院患者数をきっちりと確保して治療するということが一番大事であると思います。

委員
その入院日数を減らして回転率をよくするということも必要です。
回転率をよくするということは、患者さんに対して、やはり多少良くなったら日にちを決めて出てくださいというようなことになってしまうのでしょうか。

会長
厚生労働省自体も、回転率をよくして病床を減らせるということを言っています。今後、包括医療になってくると盲腸であれば何日の入院というような基準も出てくるであろうという話もあります。

委員
当初にこの議論をしたときには、病院経営の合理化というのは非常に複雑な面があるということでした。確かに数字的な目標達成というのも大事ですが、サービスと合理化とをどのようにバランスをとっていくか、病院機能評価の評価項目の中でも、我々が一番目標にしている部分でもある「病院運営管理の合理性」という項目がありますが、これと患者の安全やサービス、地域性、診療の質等とのバランスをどのようにとっていくか、この審査を受けて病院側がどう現状を再認識したのかというあたりをお聞きしたいのですが。

会長
この機能評価については、経済的な効果よりもこれはこうあるべきということを厳しく審査するものであり、それをきっちりやっていればそこそこの経営は成り立つであろうということです。

委員
合理性とサービスのバランスについてどう考えるかということです。

会長
病院を経営していく上での一番の課題は人材をどうするかです。医師や看護師など、最低限確保しなくてはならない定数がありますが、実際に日常運営をしていく上では、それだけでは絶対に業務が回りません。必要な職員を、余分な人数ということになるのですが加配することになります。それをどこまでに抑えていくか、本当はある程度余分に配置した方がよいのですが、あまり抑えすぎてミスが起こったら大変なことになります。そのこととあわせて、業務の一つ一つについても、いろいろな合理化を進めていく必要があります。

委員
当然、そういったソフト面もあわせて報告していただかないと説得力がありません。やはり、努力目標は、目標数値もソフトの部分も一体なのですから、並列して示しておく方がよいと思います

委員
私は、病院の黒字は後からついてくるものであると思います。いろいろな友達の話を聞くと、少し市立病院に行くのをためらってしまうという部分もあるわけです。お金がかかってもいい医師を配置してくれることによって、「何かあったら、市立病院に行った方がいいよ」ということになれば、それでまた病院は患者さんを受け入れて経営が良くなっていくのではないかと思います。経費節減、経費節減と進めていくこと自体への不安というものもあり、努力していただいていることは十分理解できるのですが、私は「これで本当に病院は大丈夫かな、どんな病気でもきちんと対応してくれるのかな」というような気持ちがして仕方がないです。

委員
病院機能評価について、「病院ISO版」という表現がありますが、これはISOの一種なのでしょうか。

担当部長
ISOではありません。第3者による客観的な評価ということで、「病院ISO版」というのは通称のようなものです。

委員
ISOというのは、経営者が目標を決めて、その目標に向けてどのように見直し改善をして運営をしていくかということです。経営者の立場からいうと、今までであれば口で言ってもダメだったが、目標を文面化して取り組めば職員を動かしやすいということが最大のメリットになります。
市立病院では、15年度から取り組みを始めて、後は審査を受けて、その結果を受けて認証しますよという状況にあるのだと思いますが、自分が直接経験した中では、病院の全部がそうではありませんが、救急部門、特に救急窓口については、評価的にいえばひどいの一言であるというのが現実です。
実際のところ、経営の観点でいえば、「救急」という何時あるかわからない患者のためにどれだけの設備をして、人員を配置してやっていくかということは非常に難しい問題であることは確かです。しかし、民間でも窓口はお客様に対する接客の部分で一番大事ですし、特に病院の受付窓口というのは、患者さんは不安な気持ちで来るということもあるし、また救急の窓口であれば受付の段階で「一体この患者はどのように処置していくのか」というようなことを判断していくことが非常に重要なことであると思います。
市立病院では、その窓口をすべて民間委託しており、今後も随意契約を競争入札に切り替えて経費を節減していくという説明でした。個人的に感じることは、現状でも救急の窓口を民間に任せてそのまま運用しているというのは非常に問題があると思いますし、今後どのような基準で競争入札で評価をしていくのか、値段だけでいくのか、それとも病院側でこういう業務をやってくださいというようなプロポーザル方式等でいくのか、医療事務はそれなりのシステムや能力があれば対応できると思いますが、やはり救急窓口という部分まで民間に任せるのはどうかなという思いがあるのですが。

会長
救急部門の窓口には1人ぐらいは専門の職員を置くということも大切なのではないでしょうか。そういった対応にいくら経費がかかっても、それは市民の満足度からいうと必要なことであり、的確に救急に来た人の状況を見分けて、適切な対応をするという体制が必要ではないでしょうか。

委員
余分な経費というのは努力して節減しなくてはなりませんが、必要なところには財源をつぎ込んでもよいと思います。最終的には、窓口対応のあり方で市民が満足度を得る部分も大きいと思います。私自身も経験しましたし、中には2週間前に入院の手続きをしてあったが、病院に行ってみたら話が通っていなくて1時間待たされて、それでは入ってくださいということになって入ったら、今度はベッドが無いといわれて帰されたとかそういった話がよくあるんです。普通の会社であれば大変なことです。

委員
他の業種でも新しくオープンしたらいろいろなトラブルがつきもので、あっても許せる範囲ですが、病院ではそれは最低限にしておかなくてはなりません。

会長
私が聞いたところでは、医師の感じもいいし看護師も非常に対応が良かったしということでした。看護師も看護師としてのレベルだけではなく、社会人としてのレベルもある程度必要であると考えます。そういった部分がしっかりした看護師は患者を十分満足させることができます。ちょっとした心遣いで患者を安心させることができるのですが、そのあたりはそれぞれの個人の持っている能力にもよります。
対応のよい職員はものすごくよい。ごく何人かの対応の悪い職員がいることで、
「100引く1は99」ではなしに、「100引く1はゼロ」ということになってしまいます。

委員
病院にはそんなにしょっちゅう行きませんから、たまたま病気で病院に行って、その職員にあたって、運が悪かったらそれがすべて、100%その人のイメージになってしまいます。

会長
今あったような意見は、帰られたら徹底的に職員に伝えていただきたいと思います。また、救急の窓口ぐらいは、しっかりした看護師を1人配置する等の対応をしてはどうでしょうか。

委員
今言っているようなことをしたからといって、また経費が逆戻りで増えるというようなことはないように思います。

委員
私も救急窓口で2時間待たされて苦しみながらこれはひどいなと思いましたが、医師や看護師の対応が非常に良かったもので、病院現場も大変なんだなと思っていました。
しかし、いまどき道端で人が苦しんでいたら、私でも「どうなされましたか、大丈夫ですか」と声をかけますが、不思議なことに市立病院へ行って七転八倒して苦しんでいても「どうしましたか」の一言もなかったということは、現実的に考えてみると非常に恐ろしいことです。

委員
先ほど説明していただいた中で、材料費、経費が目標の割合に達しているけれども、なおかつ目標年度の目標数値を上げてさらにがんばるということで、その対策の1つとして17年度から競争入札を導入するということでした。以前の説明で、エレベーターや空調などの設備のメンテナンス管理に何億という単位の費用がかかっているというような説明をしていただいたのですが、これもずいぶん削減効果が期待されるのですが、そのあたりの対策は考えておられるのでしょうか。
これからは、材料費については大変苦しい節減となってくると思いますが、目標年度における損失額を2億円以下にすることを目標とされているので、なお一層設備メンテナンスの経費削減に努力されると、概算では目標年度以前に目標値が達成できるようなことになってくるのではないかと思うのですが。

担当部長
ご指摘のとおり、18年度を目標年度として目標数値を掲げておりますが、1日でも早く、これを前倒しで達成するべく現在努力をしているところです。
委員の皆さんから様々な意見をいただきましたが、市立病院は8年目を迎えたということで、ここで一旦これまでを振り返るということからも、現在経営健全化計画や病院機能評価などを通じて様々な見直しをしているところです。
市民の皆さんにご理解いただきたいことは、市立病院は2次病院ということで機能を分担しており他の病院とは違うということ、それとやはり自治体病院であり、民間病院では取り組んでくれない不採算な部門をやっているというようなこと、特に24時間365日の救急というのは三重県では尾鷲市と名張市しかやっていません。このことが大きな課題となっているということです。当然財源も必要ですし、私も病院に着任して驚いたのですが、救急医は連続32時間の勤務体制となっており、これは日本全国同じような医師の勤務体制であるということです。そういった状況ですので、深夜に患者が一時にたくさん来た時には、当直医師が精神的にも混乱してしまう、そういった点が非常に問題になっています。医師が足りない、特に伊賀地域は三重県でいうと過疎地域ということで、医師が行きにくい、行きたくない地域ということで、今年になってからも整形外科医を1人減らされましたし、放射線医も減らそうとか、小児科医も減らそうとかいうことで、名張への来手がないという過疎地になっています。けれども、市立病院の特徴は24時間365日の救急ということですので、この体制を維持・継続していかなくてはなりません。ご意見にあったような対応はあってはならないことですが、残念ながらそういった話はよく聞きくわけです。患者が待っている時には、まず様子をお聞きするのが一番先であると思うのですが。

委員
医師が少ない、その中で一時に患者が集中したらということについては十分理解していますが、窓口業務の中でそれを少しでもカバーできる体制がとれないかということです。

委員
順番にということであれば1時間でも我慢しますが、そういうことではなく受付業
務のあり方をもっと柔軟に考えてはどうですかということを言わせていただいているのです。

委員
病院の経営は先ほどからお話がありましたように、単純に儲ければよいということではないと思いますので難しいのではないかと思いますけれども、数値目標を立てておられますので、多分、どういう項目が、どのぐらいの比率で、どのぐらいの効果があるだろうということで、そういう積み上げはされていると思うんですけれども、例えば医療材料班でいきますとたくさんの取り組みがありますがどれが本当に効果があったのか、そのあたりの実効性の検証もしていただきたいと思います。
また、職員が少ないということも聞かせていただきましたが、本当に全員が今
の病院経営の全体を把握して同じようなレベルになっているのかなということで、推進プランの中で班をいろいろ作っておられますが、それが上滑りした取り組みになっていないか、全員が意識を持ってやっていただいていると思うのですが、そのあたりの取り組みは徹底されているのでしょうか。10人が10人とも目標を共有し、それぞれのミッションがきちんとあればよいと思うのですがどうでしょうか。
機能評価の取り組みを進められるのは結構なことだと思いますが、先ほどから
あったようにこれからいかに顧客満足度を上げていくかなど、次のステップに向けたプログラムも重要かと思います。

担当部長
職員の意識改革についてですけれども、我々公務員にとりましては一番苦手な分野といいますか、経営とか患者サービスというような視点が非常に欠如しています。
しかし、病院での職務を与えられた以上はそうはいきませんので、職員が一丸となって、今説明したような班を編成して、他の自治体病院の経営状況や近隣病院の状況を調査し、18年度の目標値に到達するように努力しております。
しかしながら、他の要因といいますか、例えば庶務改善班におきましては、光熱水費の縮減に取り組んでおりますが、水道料金を1つ例に出しましたら、平成13年度は903万円であったものが15年度は786万円に下がったというようなことですが、市が水道料金を4割値上げしましたので、これはまた900万円程度にいくら努力しても戻るというような予想外の事態もありました。
また、医療費の自己負担割合が3割になったこと等により、やはり自分で自分の健康を守るといいますか、例えば本日の病床利用率は80%、160床となっており、最近はそういう状況が続いております。このことについては、どうしたらよいかなかなか苦慮しますが、市民にとって病院にかからないことは好ましいことであるのですが、我々にとりましては、4年前からと比べると病床の稼働率が過去にない、非常に苦しい数値になっています。

会長
看護師が足りないからではないのですか。

担当部長
看護師も補充しましたが、40床程度の病床が空いてきています。それでも、経費は同じように必要です。

委員
市立病院の規模で40床も空いているのですか。厳しいですね。

委員
改善できるところを改善することは大事なのですが、今の問題点の説明にもあったように、実際の問題点は、医師が少ない、職員が少ない、病床の稼働率が悪いなど、これは本当に経費とか赤字・黒字とかいうようなことで議論する問題かということの前提があるのだと思います。

委員
今お話のあったようなことは、経営に関わることとして問題にすべきかどうか分かりませんが、診療科目によって患者数が増えているのか減っているのか、例えば専門外来、循環器内科を開設して患者にたくさん来ていただくとか、MRIも週2回から3回に増やすとかそういう努力もされているとしたら、やはり診療科目によってもいろいろなことを分析する必要があると思います。資料では、外来患者をひとまとめにしてありますが、どういうところが多くなっているのか少なくなっているのか、その辺の分析は必要であると思うのですがどうでしょうか。当然分析しておられるんでしょうけれど、数字として示していただいていないので分かりませんが、循環器内科を開設されたら増えてきたのかどうかとかね。

委員
24時間365日の救急は尾鷲市と名張市しかやっていないので厳しい環境だ、職員も少ない、医師も削られているという問題は分かっているわけで、最終的に市民の皆さんに大赤字になっても何をもって納得してもらうかといえば、市民の皆さんの安全を守っているというニーズの部分で、顧客満足度というところで評価が出てくるわけです。税金で痛みを伴っても維持していこうという話が出てくると思うのです。
ただ、部長もこういう現状は認識されていると思いますし、今話を聞かせていただいた中でも問題点は十分にお分かりになっていると思います。それを認識されている中で、どう改善していくかという点が一番大事な問題なのではないでしょうか。

担当部長
私も異動になってまだ3月ですが、病院の経営はやはりもともとは命とお金という関係ですけれど、市立病院ができるまでは、名張市内には例えば交通事故で頭を打った、脳内出血したら応急処置をしてもらえる病院がなかった、上野市とかよその病院で対応していました。
今年度は約8億ぐらいの財源を市の一般会計から病院会計に補填してもらっていますが、市税全体で95億ほどですので、95分の8は病院に支援してもらっている、それが高いか安いかという議論です。市民1人当り1万円の負担が高いか安いかという議論を徹底的にしておいていただきたいし、救急についても、例えば夕方の6時から朝8時まで医師2名と看護師4~5名、受付2~3名、レントゲン技師など、あわせて十数名が待機しているわけです。しかし、患者は12時までは30~40人おりますが、12時を越えたら2~3人です。そのために、12時から8時まで十数人が待機しています。果たして、その費用対効果はどうかということになりますが、安全性の確保も必要で単純にお金だけではいかない部分もあります。

会長
市立病院がそういう対応をしているから赤字でよいというわけではなしに、やはりみんなが努力し考えながら、合理化するところは合理化していくということでしょう。

委員
この部分は市民の安全・安心を確保するために経費がかかるんです、片や備品であったり維持管理の部分についてはこれだけ節減努力をしています、ということでよいのではないでしょうか。逆にいうと、今の現状で市民に満足されていないという認識があるのであれば、それなりのお金をかけてもそのことへの対応をきちんとすべきであると思います。

委員
病院スタッフの方々には、非常にがんばっていただいていると思いますが、先ほどお話のあった外来患者数の減少は投薬の期間が2倍になったこと等の影響で、成果としては上がってこないというようなことですが、いずれにしても減少しているわけです。この原因はどこにあるのか、本来なら13年度よりも経営も安定して、信頼を深めて、もっと皆さんが利用するという形になっているのが理想だと思いますが、外来患者は逆に減っているという事実があります。このあたり、どういったところに一番問題があるのかということを常に考えながら、職員が真剣に経営改善に取り組んでおられたらよいなと思います。
病床の稼働率が80%ということで、私も開業医に勤めておりよく市立病院に照会もしますが、「ベッドがありませんので」ということで断られることが結構あったのですが、今はそういった状況なんですね。

会長
診療科目や男女の別によっても、病床の使い方も難しい部分があります。

担当部長
市立病院は2次医療を担っているということや、入院については医師の判断により、それなりの理由が必要であるということから、病床の稼働率の問題も課題となっています。
外来の数につきましても、例えば連休明けなどは待合室が飽和状態、これ以上受け入れられないという状況になっています。現在28名の医師がおりますが、あまり外来患者が増えても患者1人当りの診察時間が短くなるといった弊害も出てきます。また、自己負担が3割に増えたということもいろいろ関係あるようですが、私が見る限りでは、外来は待合室が満席という状態が毎日続いています。

会長
医師の確保も大変です。今、研修医制度ができて、大学病院が医師を引き上げています。特に自治体病院はその傾向が強いのですが、あと3~4年はそういう状態が続きます。研修期間が終ったら、ある程度また大学から派遣されるようになるでしょうが、今は特に田舎とかそういうところは医師を集めるのが大変なんです。

委員
やはり市民が安心できる病院にしてほしいと思います。
会長
私が知っている市立病院の看護師さんもいますが、年次休暇一つ使うにしてもいろいろやかましく言ってやっていますというような話を聞いています。職員それぞれがかなり意識をもっているんだろうなと思います。赤字だとかそういったことばかり言われていると、市立病院で一生懸命働いている職員が気の毒ですね。

委員
市政一新の取り組みの中で、経費を下げたことによってサービスのカットになるということになれば、何をしているのか分からないということになりますし、現在の厳しい環境の中で、もう限界まで努力しているのであれば、経費がかかってもみんな納得してくれると思います。アンケートとか意見箱の設置という話もありましたが、今、市民が市立病院をどのように評価しているのか、どのようなニーズがあるのかをきちんと認識してやっていくべきだと思います。そういった中で、ニーズが高い部分については、「経費がかかりますが市民の皆さんどうですか」という形で進めれば、皆さん納得すると思います。

委員
経費とサービスの質ということなのですが、サービスの質をどのように確認して、確保して、フィードバックするのかということをきちんと示していかないと、「経費は落としてもサービスの質は確保しなければならない」という言葉が空文になってしまいます。この病院機能評価というのもその1つの方法でしょうし、やはり大切なのはいろいろな患者の方々の声を聞き集めて、それをどう反映して返していくかということで、今のところそういった仕組みがなかなか見えてこないのかなという印象を受けました。
また、「悪いこと、こういうことがあった、だからいけませんね」ということだけではなしに、よいことがあって誉められたりすることというのは人間にとって一番大切な動機づけですので、病院によいことがあって、お医者さんや看護師さんに対しての感謝の声が聞かれたら、それは病院では当たり前のこととして処理するのではなくて、そういったことも同じぐらい大切なことであって、そういうことも職員に伝えられる仕組み、減点主義だけではなく加点主義、できれば"加点主義を中心とした減点の是正"というような形で、しっかりとした標準を持った質の担保をしていく必要があります。
経費のところで分けて考えなくてはいけないところは、やはり自治体病院としてのミッションというのは当然あって、だからこそ一般財源の繰出し基準というのが総務省で認められているわけですから、そういうところははっきりとおさえながら、確認しながら、経費を削減すべきところは削減していただきたいし、そのあたりの整理の仕方を間違えずに取り組みを進めていただきたいと思います。一般財源の繰出しも認められているということを市民に分かりやすく説明する努力がないと、市民の方も疑心暗鬼が生じたりすることもあるのではないかと思います。

会長
意見も出尽くしたようですので、病院の件についてはこれで終わります。市民にとって本当に大事な病院であるという認識を忘れずに、がんばっていただきたいと思います。ありがとうございました。

保育所の民営化推進および統廃合の検討について

事務局説明
(健康福祉部長より資料に基づき説明)
4月から実施している保育業務の民間委託の状況および今後の方針などについて説明。

意見・質問

会長
保育所の民営化については様々な議論がある中で、最終的に何園まで民間に委ねていくのかも現時点では明らかになっていません。そういったことについてご意見があればお願いします。

委員
保育所の民間委託についても学校給食の民間委託についても同様ですが、現時点での方向性や諸問題への対応策などの報告はしていただいていますが、将来的な保育所運営や給食調理のあるべき姿を見据えて、経営効率やサービス水準などを考慮した上で、まずどこまで民営化を進めるのかを明らかにして、それにより発生する余剰職員の問題等の課題に市役所全体でどのように対処していくかを整理していくことが重要であり、その方が分かりやすいのではないでしょうか。担当部局だけではなく、市全体で一定の方向性を出すべきです。

委員
今のところモデル園として1園の民間委託を実施していますが、それから後のことについてはまだ具体的に決まっていないのですね。何園まで民営化して、経済的効果はどれだけあるかというような試算はまだしていないのですか。

担当部長
保育所は保育に欠ける子どもへの対処のほか、就学前期間の一定の教育を行う役割も担っており、現在まで教育委員会と連携しながらこの2つの役割を果たしてきました。就学前の人間形成の重要な時期の教育を担っていることから、現在ある15保育所のうちどれだけの機能をただ単に民間に委託するかという議論だけではなく、委託の受け皿には、人間形成を担うという点できちんとしたノウハウを持った団体を選定していきたいと考えています。小規模保育所や障害児保育の問題、地域性や交通の利便性なども視野に入れ、検討委員会の中で1つの基本的な考え方を導いていただきたいと考えています。

委員
検討委員会の中でとのことですが、担当部門としてどうしていきたいかの私案も必要です。また、モデル園の民間委託については、4月から3か月が経過し成果が出ている、成功に近いと評価されていることと思いますが、(自然とふれあえるなど)地域的な特色があるから成功しているとするのかどうか。例えば、市街地の保育所でも特色を活かして保護者の理解が得られるということも十分考えられると思いますが、独自の民営化ストーリーが事前に作られるべきではないでしょうか。

委員
民営化の論議が起こった背景には、一昨年の財政非常事態宣言があり、民営化すればどれぐらい経費が浮くか、経費が浮く理由は何か・・・ということを順々に議論していくと、最終的には職員の人件費が高いから民営化するという結果に行き着きます。それを民営化の一番の目標だとする考え方が一方にあり、もう一方では、先に説明のあった人間形成期の保育の重要性から、やはり熟練した市職員たる保育士が必要であろうという考え方があります。
その2つを比較検討すると、退職者は補充しない、それを市職員で補充するので
はなく、民営化により対応するという、まさに今市が進めていることにしかなりま
せん。他市でも公立保育所を民営化している事例もあるので、それは何を狙ってやっ
たのか、余剰職員への対応はどうしたのか等について研究し、十分な議論をした上で、全保育所をいずれは民営化していくという目標を立てるのか、退職者を補充せずに民営化を進めるのか、その2つを結論付けてはっきり示した方が良いのではないでしょうか。
市としては退職者を補充せずに、年次的に民営化を進めるという方針のようですが、それならばそれで結論付けた方がすっきりすると思います。民営化を進める上で、いろいろな大義名分をつけていますが、民間の職員だから質が悪いとか、危ないとかいうことは絶対に無いと思います。名張市の民営化の方針は、退職者不補充による民営化の推進であり、それによりコストを削減していくということを明確に示せばよいのではないですか。それがないから、スケジュールも立ちません。
民営化の推進にはこんなにメリットがあるから、職員の退職とは関係なしに、何年度まで目標を立ててずっと民営化していくんだという方針とするのか、退職者を補充しない形の、これは改革ではなくて改善なんだとするのか、その2つのどちらを選択するのかをはっきり示す必要があります。

会長
民営化の話は、年間3億円近い赤字を解消するために業務の転換を図っていくというところからはじまっています。極論すれば、内部改革で合理化を進めて赤字を解消すれば民営化しなくてよいということですが、それが無理であれば民営化にしっかり取り組む必要があります。

事務局
民営化、民間委託というのは市政一新プログラムの中でもかなり重要な部分を占めており、まさに行政の転換であると捉えています。どのような形で民営化を進めていくのかということについては、職員の処遇を含め、従前からご議論いただいているところですが、特にこの問題については、全市的に統一した考え方の構築が必要であると認識しており、これまで庁内でも議論を進めてきました。
まず、基本的な考え方として、公務員の雇用関係と民間における雇用関係は異なるということが大前提にあります。公務員は法律で定められた事由以外には免職できないということとなっており、全国の流れを見ても行財政改革によって職員の免職を行った事例はありません。そういったことからも、現時点での市の考え方としては、職員の免職を生じさせない退職者不補充による民間委託を基本に据え進めていくこととしています。しかしながら、同時に早期勧奨退職や任用替え・配置替えの制度化、再任用職員の活用などを進めていきます。また、臨時職員や嘱託職員の効果的な配置についても検討を進めたいと考えています。

委員
そういう方針であれば、職員の定年退職時期は事前に分かっているのであるから、自ずとスケジュールが立てられるのではないですか。もう少し計画を具体化して、委託する保育所の候補ぐらいは挙げながらスケジュールが組めると思いますがどうでしょうか。

事務局
保育所は臨時職員の割合が高いなど様々な要因がありますが、今ご説明した基本的な人事の考え方も踏まえつつ、何年計画で、どの保育所を、何園まで民間に委ねるのかということについて、これから検討を進めていく方針です。

委員
プログラムの計画の段階からもう2年が経過しています。そのことを方針の中で明確に示していないから何回も同じ議論をしなくてはなりません。

委員
退職者不補充により委託を進めるのであれば、その方針を明確に示すべきです。
保育所における人間形成、給食調理における食育などと民間委託を関連付けること
は、どこかで話の論点をずらしているような気がします。市としてはこういう方針
です、その枠の中で一生懸命努力しますということを明記すれば、それ以上の議論
は必要ないと考えます。

事務局
市が民営化を考えていく上では、職員数を削減しコストを低下させるという一方で、サービスの質の維持・向上という大きな命題も抱えています。そのために、保育や食育の考え方などを議論し、努力を行っているところです。民営化の取り組みは、単に市の職員を民間の職員に転換するというだけのものではありません。

委員
いつも議論となる点であり、厳しい表現を使いたくないということは分かりますが、「公務員制度の枠内では、民営化を進めていけるかどうかのファクターは退職者の人数である」ということを市民にも明らかにして、この市民会議の場だけではなく、広く市民の意見も聞くことで、確固とした方針が決まるのではないですか。

会長
行政側の民営化、民間委託の提案に対して、市民会議として民の視点で「こうしてはどうか」ということを提案していますが、それに対して行政で「ここまでできる、これ以上はできない」ということを明確に示して、1つの方針を見出していかないと、市民会議が一方的に意見を言うだけでは考え方が収斂していきません。行政側の意思をはっきりと示していただきたい。

担当部長
保育士の退職者については、既に新規採用による補充をしていません。皆さんがおっしゃるとおり、退職者を補充していこうという考え方は持っていません。その一方で保育ニーズは年々増加しています。そのニーズへの対応に精一杯の努力をしていますが、少子化への対応など定員を拡大するとなるとそれに伴う保育士が必要となります。こうしたニーズに対応した定員の拡大も視野に入れ、民営化を進めていく必要があると認識しています。

委員
保育所の民営化については、他の自治体でも多くの先進事例があります。そういった事例も十分に研究した上で、名張市の方針を確立していくべきです。その上で、方針はきちんと示し、市民に広く問うべきです。そのことを通じて、どのように民営化を進めるのかが明確になると思います。
事務局
市の方針を明らかにしていくことの必要性は十分認識しています。民営化の推進と連動して、職員を6年間で100人削減していくという定員削減目標があります。この計画の具体的な内容についても、明らかにすべき時期に来ていると考えていますが、それと同時にそれぞれの担当部署で、目指すべき市民サービスのあり方や民営化における公民の役割分担等について課題を整理し、推進計画を早急に策定していく必要があります。それを市民の皆さんにお示しして、ご理解をいただきながら進めていきたいと考えています。

担当室長
そのための市としての案を持っていますが、それを検討委員会でご議論いただき、官民の役割分担を含め、どのような形で民営化を進めるかについて本年度中にまとめ上げたいと考えています。

委員
私たちは、市政一新市民会議として民間の視点で、経営が優先であればこういう方法がありますというような議論をしてきました。その中で、保育についても民営化して若いフットワークのある職員でやれるとしたら、給料の高い高齢の職員は配置転換するというような方策もあるといった議論など、市民会議でも様々な議論をしてここまで至っています。しかし市としては、公務員としての形があるから、配置転換までして一気に民営化するのではなく、経営理論だけではなくもっといろいろな考え方もあって、退職者不補充で順次やっていくんだという、その方針、骨子を示してくださいとお願いしているのです。それがないと、市民会議で2年間議論してきても、その部分は絶対埋められるところではありません。きちっと方針に示してはどうですかということを言わせていただいている。

委員
民営化と民間委託とはきちんと使い分けて考えられていると思いますが、民営化のモデルになぜ民間委託という方式を選んだのでしょうか。民営化のモデルとして実施するのであれば、いきなり民営化することを考えてもよいのではないでしょうか。例えば、国の三位一体改革により、公立保育所運営費等にかかる国庫負担金が一般財源化されましたが、この措置により公設民営であればこれまでどおりの財源が必ず確保できるとは限りません。民設民営であれば、民間保育所分の補助金制度は残されたため、財源は今までどおり民間事業者に入り、市の負担も軽減されることから、「モデル園が民間委託で、進む方針が民営化」というようなことがどうして出てくるのかなという素朴な疑問があります。
また、現在行っている委託は地方自治法に基づく指定管理者制度の義務規定に該当するのではないでしょうか。現在は管理委託の体制をとっていると思いますが、平成18年8月末までに指定管理者に管理を委ねるか否かを判断していかなくてはならない状況にあって、あえて1園ずつ民間委託を実施していくのはなぜでしょうか。

担当室長
1園の民間委託からスタートしたのは、民営化を進める前段階として、1つには効率性だけではなく、民間委託をしても保育がきちんと担保されるんだということを市民や保護者に実証したかったということからです。それを受けて、いま申し上げているような計画を立てて、民営化を順次進めていきたいと考えています。本来我々が見据えているのは、財産譲渡等を含めた民設民営による保育所運営です。

委員
そうすると、例えば市民の皆さんからやはり民間委託をしたらだめじゃないかといわれた時に、公設公営に戻せる形で、まずは公設民営をモデルとしてやった、民設民営にしたものを公設公営に戻せないじゃないかということなのでしょうか。公設民営をモデルとして民設民営の保育所運営を進めるというのは、石橋を叩いて渡るということであり、気持ちとして理解できなくはないですが、名張市が全国に先駆けて保育所の民営化を行うのであればまだしも、全国的に民設民営の先進モデルがたくさんあり、私の知る限りでは公設公営に見直せというような訴訟も起きていない状況で、なぜあえて公設民営でのスタートなのでしょうか。改革のスピードという点からいってもどうなのでしょうか。

担当室長
改革のスピードという点も含めて、「16年4月に1園民営化」という目標に対し、スケジュール的な制約の中で、民設民営でのスタートは困難であったということです。

委員
17年度民営化モデル1園実施とありますが、今から検討を進めるということであれば、これは民設民営方式とすることも可能ですね。

担当室長
保育所、幼稚園の入所希望は毎年10月に募集をしますので、その時点ではっきりと委託先も決まっていなくてはならないということになります。モデル園の運営状況もきちんと分析しながら、本年度については今後のスケジュール等も含めて計画をまとめることとしています。従って、17年4月には民営化はできません。18年4月からの実施を予定しています。

委員
そうすると、これから検討委員会等での検討が行われていって、民設民営で1園ずつ民営化していくという方針ができたとして、初めて民設民営の保育所がこの名張市に登場するのはいつなのでしょうか。

担当室長
平成18年4月ということになります。

委員
ひとつひとつの順序を踏むと、民設民営というのはかなり調整しなくてはならない事項がたくさんあるということですね。そういうことの説明がないと少し分かりづらいかも知れません。私も保育については素人で分からない点も多く、民営化を実現するためにはどういうステップがあって、公設民営であれば今回のようにある程度のスピードをもって実現できるけれども、民設民営になると非常に多くのステップを踏まなくてはいけない、そのためにはこういうスケジュールが必要でこうなって・・・という細かい具体的な説明をしていただいたく必要があるのではないでしょうか。「改革か、改善か」という本質の議論と、実際のプログラムの進捗状況をウォッチするというこの市民会議の使命からいっても、今日の資料説明では少し不満かなと思った次第です。

委員
蛇足ですが、今お話のあったような今後の方針の内容を、エッセンスとしてプログラムの実施計画書の中に加えておいてほしいのですが。

事務局
実施計画書は5月の時点で作成したものですので、その時点では今日説明したような方針は実施計画書に記載できませんでした。それ以降実施計画書の内容はどんどん進行しています。

担当室長
名張市の保育所運営は、370名の職員で行っていますが、うち96名が正規職員であり、多くの部分を臨時職員が担っているという特性があります。効率性の観点だけからいうと、臨時職員を雇用する方が民間に委託するよりも経費的に安くつくという一面がありますが、それで果たして安定的な運営ができるのかどうか議論していかなくてはいけません。また、逆に民間に委託することによって、臨時職員が(民間に身分を移して)正規の職員として働くことができるというような一面もありますので、どこまで民営化していくのかという議論も含めて、臨時職員を活用する部分と民営化していく部分を、公民の役割分担のあり方を踏まえ議論していきたいと考えています。

委員
以前、西松屋とトイザらスの例を挙げて、今後も幼児の数が増えていくのではないか、もしその推移を明確に調べられるのであれば、民間の保育所ができてくるのではないかということをお話させていただきました。手順を踏んで、民設民営にどう移行していくかが、6か月の間で徐々に明確になってきました。きちっと見ていれば分かってくるということではないでしょうか。

会長
かなりの議論が今後必要になってくると思いますが、大体の市の考え方も分かってきたと思いますし、我々の意見を踏まえて、もう少し具体的な内容を明示しながら進めていただけたらと思います。他に意見がなかったら、この件についてはこれで終わりたいと思います。

委員
先ほどの議論の中で、民営化などによる余剰人員の配置転換はしないというようなことであったと思いますが、そんなことはないですね。やっぱり、必要に応じてキャリアアップや研修などを通じて配置転換も行っていくということですね。

事務局
そのことは、先ほど説明させていただいたように、考え方の基本のひとつとして任用制度の弾力化ということで、任用替え、職種替えといった制度も検討していくこととしています。現行そういった制度はありませんが、例えば、ある職種の職員が試験によって職種を替えるというようなことも考えられます。そういったことの検討を進めたいと考えています。

委員
当然、採用されて定年までその仕事があるとは限りませんので、任用制度のあり方についても人事制度改革の中でぜひとも検討を進めてください。

会長
議論も出尽くしたようですので、これでこの項目については終わります。

小学校給食業務の民間委託推進について

事務局説明
(教育次長より資料に基づき説明)
小学校給食業務の民間委託に関する基本方針および平成16年度小学校給食業務委託実施計画などについて説明。

意見・質問

委員
自校調理方式ということは、市と民間の調理員が共存して給食調理をするということですか。

担当部長
給食調理業務は民間に委託するので、委託校では民間の調理員が給食調理をすることになります。百合が丘小学校には、現在正規職員2名、臨時職員2名計4名の給食調理員が配置されていますが、正規職員は配置転換し、臨時職員は雇用期限の到来により退職となります。

委員
学校栄養職員は、県の職員ですか。
かなり慎重な進め方であると考えますが、調理業務だけの委託であるのに、どうしてもっと大胆にスピードを持って進めることができないのでしょうか。

担当部長
学校栄養職員は、県の職員です。学校給食は教育の一環であるということから、国が学校栄養基準等の中で「献立作成や食材の発注、検食等は、教育委員会が責任をもって行う。」という役割分担を明確にしています。このことにより、安ければよいだろうという食材の提供に一定の歯止めが利くという点もあるのかもしれませんが、安全面・衛生面等の管理は直営の位置づけとなっています。委託可能な範囲の中で、何が具体的に委託できるかを検討するということにならざるを得ません。

委員
この委託の進め方については、異論はありません。退職者不補充により委託を進めるということが明確に示されており、義務教育施設であることから業務委託の範囲にとどまる(民営化できない)ということも理解できます。可能な範囲でやっていくという方針でよいと思います。もちろん、給食調理員を一気に配置転換してしまうという改革の案も考えられるのかもしれませんが、大規模校を中心に進めるという計画も策定されており、後戻りすることもしないという方針であれば、市民会議としてはそれを後押しするということでよいのではないでしょうか。市民の目からいうと、総論賛成、各論反対の部分があるので、計画を進めるにあたっては細心の注意をもって臨んでください。

担当部長
基本方針に位置づけた、委託を退職者不補充により進めて行くという考え方は、ある意味では消極的推進であると思いますが、他の民間委託とも共通の問題ですが、人事制度の基本的な考え方をどこまで給食業務の民間委託に反映させていくかということは結論が出ていません。そういった中で、現時点では、退職者不補充による委託を進めるという方針にしております。任用替え等を柔軟に行っていくことができれば、民間委託のスピード化も図れるのではないかと考えています。

委員
委託する百合が丘小学校も他の小学校も給食は統一献立ということですね。

担当部長
大規模校6校には県派遣の栄養職員が配置されており、それを総括する市の栄養職員がおりますが、これらの職員が協議して献立計画を立て、それに基づき各学校で調理いただくという形になっています。民間委託してもこの方式は変えず、市の献立により民間業者に調理していただくということになります。

委員
調理を誰がするかというだけの違いということです。

委員
基本方針の中で、百合が丘小学校を委託校に選定した理由に、既に学校栄養職員が配置されているということが挙げられていますが、配置されていなくても委託できないことはないということですね。

担当部長
委託校においては、より学校栄養職員の果たす役割が大きくなってくるだろうということで、できればまず配置されている学校から優先的に実施していくことがよいだろうと判断しました。

委員
今年百合が丘小学校の委託を実施し、来年度も1校民間委託していくのですか。最終的にはすべての学校の給食調理を委託するのでしょうか。

担当部長
現時点では未定ですが、方針としては1校ずつ進めていきたいと考えています。退職者との関係もあり、毎年度1校ずつ必ず民間委託していけるという見通しまではつかない部分もありますが、数年は年次的に進めていけると考えています。

担当室長
基本方針にも掲げたように、当面は大規模校6校を委託していくという方針です。中規模以下の学校になると市負担で学校栄養職員を配置することも必要になるほか、給食調理員も2人から3人程度となるなど、コスト面での比較検討が必要となってきます。

委員
学校栄養職員は、常駐でないといけないのですか。 担当部長
調理業務を民間に委託することによって、調理の内容等については委託業者側で責任を持ってやっていただくということになり、市としてはその監督を学校栄養職員が担っていくということになるので、やはりいないよりはいる方が望ましいということです。ただ、小規模校においては調理員も少ない中で、常駐の栄養職員を配置するということが合理的かどうかという問題もあり、例えば中規模校以下の学校については、2~3校合同で栄養職員を配置するといったことも可能であるかもしれません。今後検討していかなくてはいけない課題が残っています。

委員
そのことは、今でも課題なのでしょうね。大規模校だけに栄養職員がいて、他の学校にいないということであれば、作り手が市の調理員であれ、民間の調理員であれ、今も同じ話ではないですか。

担当部長
中規模校、小規模校については、市の調理員は市の職員として、現実には学校栄養職員的役割を担っている部分があるであろうと考えています。それを民間に任せるということになれば、若干そのあたりの監督体制が違ってくるだろうと思います。

委員
センター方式で給食調理を行う場合でも、学校には栄養職員を配置する必要があるのでしょうか。

担当部長
法律上、学校に栄養職員を置かなくてはならないという強制規定はありませんが、センター方式の場合でも、センターでの給食調理を管理する栄養職員は必要です。

担当室長
栄養職員は、ただ単に調理を監督するということだけではなく、子ども達の食教育にも携わっています。センター方式にしたからといって、単純に栄養職員が必要でなくなるということではありません。

委員
委託を受けた民間業者は食の安全を確保するという責任を負いますが、委託校の調理設備の補修等は行わずに、現状の設備で調理委託をするということになるのでしょうか。業者側から衛生面等で要望があれば補修するのですか。

担当部長
現実に、今、直営方式で調理業務を行っていますが、特に支障は認められません。そのことを前提として委託をお願いしていますので、欠陥があると市で認知している部分があれば当然補修して対応しますが、問題のない学校でお願いするということですので、現状の調理設備でお願いすることになります。

委員
当初市長は、中学校給食を民間委託で実施していくという方針であったと思いますが、途中で小学校給食の民間委託の話になりました。その経緯をお聞かせいただけますか。

担当部長
中学校給食の実施は市長の公約でもあり、システム検討委員会を立ち上げ、具体的な検討が始まりましたが、その後に、市の財政状況を踏まえた行財政改革の取り組みが始まりました。そういった状況から、まず優先課題として小学校給食の民間委託についての議論を進めることに変更させていただきました。引き続いて今夏より中学校給食の検討に入る予定です。

2.平成15年度改革実績(概要)について

事務局説明
(行政改革評価室長より別紙資料に基づき説明)
平成15年度の行財政改革の実績(概算)について、市政一新プログラム、財政健全化緊急対策による主な取り組み内容を報告。

意見・質問

委員
この件と直接関係ないのですが、先ほどの小学校給食の民間委託の中で、入札にプロポーザル方式を取り入れたということでしたが、それはとてもよいことだと思っています。
少しだけ今の現状をお話したいのですが、多くの自治体で、例えば入札制度を電子入札みたいなものに変えてきています。そうするとものすごいダンピングが起きていまして、入札が不調に終わるのは昔は高すぎて不調に終っていたのですが、今は下回って不調に終わるという、業者にとっては悲惨な状況になっています。
それが、市役所の方では「これぐらいでできるのではないか」という風にコストを判断しているんだとすると、これは大変な問題だなという風に民間人として思うのです。そして、ある日突然業者を決めるのにプロポーザルを取り入れる。私はどちらかというと、ある程度ノウハウを必要とするもの、安全を必要とするものについては、あまり入札でたたいたりするのではなくて、やはりプロポーザル方式などがいいのではないかと常々思っているわけで、この市民会議に直接関係はないかも知れませんが、こういった方式も選択できるのであれば、条件付一般競争入札を行っている他の部分についても一度考察願いたいと思います。公は常識価格というものをもう少し研究していただいて、プロポーザル等で業者を選んでいただいて、みんなが健全に生きられるように考えていただきたいと思います。

3.その他

事務局
次回は、前回の会議での皆さんの意見もお聞かせいただいた中で、市長も出席できるような日程でということで、9月7日(火曜日)午後4時から開催をお願いしたいと思います。
もう1点、来る9月16日をもって委員の皆様方には2年間の任期を終えていただくということになるわけですが、これに伴いまして市長は新しい市民会議委員の委嘱をしなくてはならないということになります。これについての現時点での考え方ですが、まず市政一新プログラムでは、改革推進の中で改革の進行状況の評価や監視を行うために市民会議を設置するといった考え方で進めております。ですから、改革の実施段階にあっては、現在の改革が当初の理念とか目標に沿っているか等の評価、監視が主な役割であるというようなことから、プログラムの策定経過や内容に熟知した現委員による継続性を重視した編成を基本としたいと考えております。簡単に言えば、何とか再任をお願いしたいというのが基本でございます。ただし、これを基本としつつ、3人の公募委員の皆様につきましては2年間の任期ということで広く市民の皆様から公募した経過もございますので、新しく再公募をさせていただきたいと考えております。他の団体代表の委員の皆様には、再任を妨げないという規定もございますので、継続性を重視するということで、なんとか再任でお願いしたいという考えでございます。
また、新たな分野でご参入いただく委員も検討しているところです。その部分については、若干の交替もあるかも知れません。

以上

このページに関する問い合わせ先

なばりの未来創造部 行政・デジタル改革推進室
電話番号:0595-63-7302
ファクス番号:0595-61-0815
メールでお問い合わせ

このページに関するアンケート

情報は役に立ちましたか?
このページは探しやすかったですか?
このページに対する意見等を聞かせください。