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名張市

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平成30年度教育行政の方針と施策

更新日:2018年6月7日

はじめに

 平成30年度の教育行政の方針と施策を申し述べ、議員の皆様、市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。 

 昨年4月から、名張市では、教育委員長と教育長を一本化する新たな教育委員会制度に移行し、本年が2年目となります。引き続き教育の政治的中立性、継続性、安定性を確保しつつ、市長とのさらなる連携強化を図り、地方教育行政における責任の明確化、迅速な危機管理体制の構築に努めていくことといたしております。

 平成29年3月に新学習指導要領が告示されました。これまで積み上げてきた我が国の学校教育の実践や蓄積を生かしながら、子どもが未来社会を生き抜き、切り拓くための資質・能力を一層確実に育成し、その際、子どもに求められる資質・能力とは何かを社会と共有し、連携する「社会に開かれた教育課程」が重視されています。

 本年度から2年間はその移行期間となりますが、今後の国の動向を注視するとともに、市長部局や関係機関と緊密に連携・協調しながら、「第二次名張市子ども教育ビジョン」に掲げた各分野の教育施策を着実に推進し、その重責をしっかりと果たしてまいりたいと考えております。

《新たな取組》

 平成30年度の教育委員会の新たな取組としましては、児童生徒の学校生活での快適な学習環境を確保するため、小・中学校の普通教室と特別教室の空調設備整備の工事に着手いたします。

 また、平成33年に開催する第76回国民体育大会のホッケー会場として、また、「ホッケーのまち名張」の実現のための活動拠点としてのホッケー場の整備に着手いたします。

 さらには、ふるさと名張を理解し、誇りや愛着をもち、ふるさとを語りリードすることができる子どもの育成を目指したふるさと学習「なばり学」の、学習資料集上巻が完成し、本年度より小学校1年生から4年生で試行してまいります。小学校5年生から中学校3年生までが使用する下巻につきましては、本年度中の完成を目指して準備を進めております。

 それでは、平成30年度の教育行政の方針と施策を市総合計画「新・理想郷プラン」に定める施策毎に申し述べます。

 

第1節 生きる力を育む教育の推進

《施策1 学校教育》

(1)幼児教育

 平成28年度より文部科学省から委託を受け、「幼児教育の推進体制構築事業」を市長部局と連携して進めております。幼児期から児童期への接続をより円滑に行うことを目的に、幼児教育アドバイザーが市内の小学校や幼稚園、保育所(園)、認定こども園等を巡回して、助言・指導を行うとともに、「しっかりつなぐ育ちのバトンカリキュラム(試行版)」に続いて、昨年度は「実践事例集」を作成しました。本年度は幼児教育アドバイザーを増員し、「実践事例集」の活用により、カリキュラムに基づく実践をさらに広げ、カリキュラムの確定版を作成してまいります。

 また、「ばりっ子ピカピカ小1学級体験プロジェクト」として、教職員のOBが「ピカ1先生」となって各園等を巡回し、カリキュラムに基づく保育実践を行うとともに、幼児教育の成果を小学校での学びにつなげる一体的な指導方法の充実を図ります。

 

(2)義務教育                      

自ら学び、考える力を育てる教育

 本年度は、新学習指導要領の本格実施を見据えた移行期間として、カリキュラム・マネジメントによる組織的・計画的な教育活動の質の向上を図るとともに、主体的・対話的で深い学びであるアクティブ・ラーニングの視点から、さらなる授業改善を図ります。

 また、新学習指導要領に基づく、小学校における移行期の英語教育を着実に推進するとともに、平成29年度に策定した「名張市小中一貫英語教育カリキュラム」に沿って、小学校低学年から中学校卒業までの系統性・連続性のある指導を実践してまいります。


心を大切にする教育

 本年度より本格実施される「特別の教科 道徳」においては、「考え、議論する道徳」への質的転換を図り、生命を尊重しよりよく生きるための基盤となる道徳性を養います。また、自己を見つめ、物事を多面的、多角的に捉え、自己の生き方について考えを深める学習を通して、道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度を育てるための学習を進めます。

 学校教育における人権教育では、子ども一人ひとりの存在や思いが大切にされる、人権感覚あふれる学校づくりを進めます。

 また、子どもの豊かな情操と道徳心を育み、すべての教育活動を通して「いじめは絶対に許さない」という土壌を醸成するとともに、いじめ事案の未然防止、早期発見、迅速で適切な対応に努めます。

 不登校をはじめとする長期欠席者への対策につきましては、不登校対応マニュアル等を活用し、未然防止と早期対応に努めるとともに、不登校の子どもの学校生活への復帰や、社会的自立に向けたきめ細かな支援を実施していきます。

 子どもの安心安全の確保では、学校と適応指導教室やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーとの連携強化を図るとともに、本年度新たに配置した名張市地域福祉教育総合支援システムによる、教育分野のエリアディレクターを効果的に活用して、家庭や地域、関係機関等との連携をより密にし、子どもが安心して安全な生活を送ることができるよう支援を行います。

 さらには、本年3月に、「第三次名張市子ども読書活動推進計画」を策定したところですが、子どもの読書への意欲を高め、学びを支援するために、教育センターの学校司書と各学校の司書教諭が一層連携・協力するとともに、コミュニティ・スクールと連動させ学校と家庭・地域が協働した読書活動充実の取組を推進します。


健やかな体を育む教育

 子どもが生涯にわたって健康な生活を営めるよう、各教科や特別活動等を通して健康教育を推進します。また、学校関係者、学校医、学校歯科医、学校薬剤師等で組織する学校保健委員会の一層の充実を図り、食事、運動、休養や睡眠等の規則正しい生活習慣を確立するため、引き続き家庭と連携した取組を進めます。

 特に食育につきましては、体験学習や栽培活動を通して、食への関心を高めるとともに「名張市ばりばり食育条例」に基づき、食の安全を学び、新鮮で、安心、安全な地産地消などの「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができるよう、関係機関と連携して推進します。

 

地域等と連携した魅力ある学校づくり

 未来を担う子どもの豊かな成長のために学校、保護者や地域が連携・協働し、それぞれが当事者意識をもって子どもを支えていく仕組みである、コミュニティ・スクールを市内全ての小中学校に設置し、コミュニティ・スクールを基盤とした小中一貫教育を実践する中で、地域とともにある学校としての取組を推進していきます。

 また、コミュニティ・スクールを支えていただくボランティアやコーディネーターの養成、学校とボランティアをつなぐ場としてのボランティア・サロン、退職教職員による教育センターアドバイザー事業の継続、家庭教育の充実のために各地域や学校に派遣するスタッフの養成など、保護者や地域の皆様とより一層の連携、協働に向けた取組を進めます。

 

教育環境の整備等

 子ども教育ビジョンの基本理念を踏まえ、平成32年度から市内全中学校区で小中一貫教育の本格実施を目指します。各中学校区においては義務教育9年間を見通した「めざす子ども像」を掲げ、系統性・連続性のある教育課程を編成し、一貫した指導や支援を行うことで、子どもの「学び」や「育ち」に合った教育の体制づくりを進めているところです。

 教育の質の向上、教育の機会均等や教育水準の確保を目的に進めております学校の規模・配置の適正化につきましては、昨年8月に後期実施計画の一部を見直しましたが、引き続き保護者や地域の皆様をはじめ、関係する皆様と丁寧な協議を重ね、ご理解をいただけるよう取り組んでまいります。

 開設から6年目を迎える教育センターは、子どもの育ちを支援するための拠点施設として、本年度は、新学習指導要領の平成32年度からの本格実施を見据え、外国語教育やプログラミング教育等、主体的・対話的な深い学びの実現に向けた授業改善、学習評価等、教職員向けの研修を一層充実します。また、子育て支援研修会などの保護者のニーズに応じた研修にも積極的に取り組んでまいります。

 

学校施設の整備等

 学校施設は、快適で衛生的な環境を備え、安全性・防災性・防犯性に配慮した施設とする必要があります。

 このことから、子どもの安心・安全な学校生活と、快適な学習環境を確保することを目的に、本年度より小中学校の教室に空調設備の設置を最優先して取り組んでいくこととしております。

 しかしながら、中学校給食の導入、トイレの洋式化や老朽施設の改修等、本市の教育施設の整備につきましては、計画的に整備を進める必要があることから、昨年策定した「名張市学校施設整備の方向性」に基づき、市長部局との連携をさらに密にして整備を推進してまいりたいと考えております。

 また、平成32年度から導入されるプログラミング教育を市内全小中学校で実践できるよう、教員の指導力向上や学校のICT環境の整備充実のために、教育委員会事務局内において調査・研究を進めているところです。

 

(3)特別支援教育

 特別な支援を必要とする児童生徒が増加傾向にある中で、障害のある子どもも、ない子どもも、共に学べる環境を整備するとともに、生活面・学習面で困難やつまずきを感じている子どもへの支援として、特別支援学級及び通級指導教室における自立活動や、各学校で取り組んでいる授業のユニバーサルデザイン等を推進できるよう、教職員向けの研修を充実していきます。

 また、個別の教育支援計画・指導計画を作成、活用するとともに、パーソナルカルテの利用を促進し、保護者と連携して、保育所(園)、幼稚園、認定こども園、小中学校を通した途切れのない支援を一層進めてまいります。

 小学校低学年を対象とした発達支援教室「ばりっ子チャレンジ教室」や、小学校中学年の特別支援学級に在籍する児童を対象とした体験宿泊学習「ばりっ子わくわくキャンプ」を平成26年度より実施しており、教育センターでの体験を学校生活につなげることで、一定の成果を上げております。本年度も引き続きこれらの事業を進め、子どもの自立や、就学、進学、就労にもつながるよう支援します。

 

(4)高等教育

 生徒の個性や創造性をのばし、社会の変化に対応した多様な選択ができるよう、市内外の高等学校等との積極的な連携を引き続き推進してまいります。さらには、奨学金制度等の活用により、教育の機会均等を図り、次世代育成に積極的に取り組みます。

 

《施策2 青少年健全育成》

(1)社会参加活動の促進

 子どもの居場所づくり、体験活動、地域の皆様との交流を目的とした放課後子ども教室については、事業開始以来10年目を迎える中で、実施地域については活動が定着し内容の充実が図られています。引き続き、未実施地域での事業着手について積極的に支援してまいります。

 地域における健全育成活動等で指導者として活躍できるジュニアリーダー養成講座を、引き続き青少年育成市民会議と共催し、青少年の社会参加とボランティア意識の向上を図ります。また、養成講座を修了した多くのジュニアリーダーが所属する「名張Kidsサポータークラブ」の活動機会の提供とボランティアとしてのスキルアップを推進します。

 

(2)健全な環境づくり

 青少年の健全育成につきましては、青少年健全育成団体や地域と連携した取組を引き続き推進するとともに、青少年補導センターが窓口となり、学校・警察・関係団体と連携し、不審者への対策を推進してまいります。また、本年度も引き続き「校外生活指導連絡協議会」を組織するとともに、関係機関の相談担当者が集う打合せ会や、「要保護児童対策及びDV対策地域協議会」との連携により、情報の収集と集約を行い、迅速な対応が図れるよう取り組んでまいります。

 また、青少年育成推進員や青少年健全育成団体・関係機関等に対して近年におけるネット社会の現状やスマートフォン等の利用についての研修会を開催します。

 地域ぐるみで子どもを守る取組として、子どもを守る家事業の普及による不審者対策や、「名張少年サポートふれあい隊」による重点的な夜間パトロール等を引き続き行い、地域ぐるみで非行や犯罪から子どもを守る体制の充実・強化に努めます。

 

第2節 生涯学習・生涯スポーツの推進

《施策1 生涯学習》

(1)学習機会の総合的整備

 地域住民の学習意欲を支え、学習のための環境を整備し、自己及び地域の豊かな未来を築くことができるよう、「地域生涯学習推進指針」を平成28年3月に策定したところですが、この指針に基づいて、多様な学習機会の提供や学びを通じた地域コミュニティの活性化に取り組みます。地域の自然、歴史、文化を学習資源として活用し、豊かな知識、経験、能力を持った人材を発掘する仕組み作りを確立するとともに、地域の力として次世代につないでいく生涯学習社会の実現に向け取り組んでまいります。

 生涯学習における人権教育の分野では、従来から取り組んできた部落差別をはじめとする人権課題に加え、いじめや体罰、児童虐待といった子どもの人権に関する問題、インターネットを悪用した人権侵害、さらには性的マイノリティの人権問題や外国人の人権問題など、社会構造の変化に伴い課題の多様化、複雑化が顕著になっています。

 本市では、こうした状況に対応するため、平成30年度を初年度とする「第3次名張市人権施策基本計画」を策定し、人権教育・人権啓発の推進を計画の柱に位置付けました。この計画に基づいて、誰もが自らの日常生活と様々な人権課題とが深く結びついていることを実感し、人権についての正しい理解と知識を基に、課題解決に向けて主体的に行動できるよう、人権センター、人権・同和教育推進協議会等の関係機関との連携を密にして取組を推進してまいります。

 

(2)学習成果を生かす仕組みづくり

 史跡・文化財・伝承行事などの郷土資源を活用し、市民がふるさと「なばり」への愛着と誇りをもつことのできる事業を、生涯学習講座の受講者や各種団体との協力・連携を図りながら展開していきます。

 また、各種講座を通して、受講生間のネットワークの形成と、学んだ知識を生かす活動や本年度から試行しているふるさと学習「なばり学」の講師として活躍できる仕組みを構築していきます。

 

(3)高等教育機関等との連携

 「なばりカレッジ」は、ふるさと名張の歴史や文化等を学ぶ講座として開催しており、これまで多くの市民の皆様に受講いただいております。本年度も引き続き、皇學館大学や近畿大学工業高等専門学校をはじめとする高等教育機関等と連携して、市民の学びのニーズに適応した講座を開催します。

 

(4)図書館サービスの充実

 市立図書館は、子どもから大人まで全ての年齢層の市民の身近な情報拠点として、また、自由に読書に親しめる場として重要な役割を担っています。「第三次名張市子ども読書活動推進計画」の着実な実現に努めるほか、さらなる図書館資料の充実のための財源確保に努めるとともに、県内外の図書館とのネットワークを活用した資料の相互貸借を推進するなど、図書館サービスの向上を図ってまいります。

 また、平成31年度に予定している、図書館の蔵書や利用者の貸出・返却に関する情報等を管理する図書館情報システムの更新に向けた準備作業を進めてまいります。

 

《施策2 生涯スポーツ》

(1)スポーツ活動等の充実

 平成28年度に導入した健康づくりポイント制度「名張ケンコー!マイレージ」等の活用により、子どもから高齢者まで一人でも多くの市民がスポーツに親しむことができる機会を提供します。

 また、本年3月に百合が丘地域に「総合型地域スポーツクラブ」が設立されましたが、市民が身近な場所でスポーツ活動ができるよう引き続き新たなクラブの設立に努めるとともに、既存のクラブと連携を図りながら市民のスポーツ活動の一層の充実を図ります。

 

(2)スポーツ施設等の整備充実

 利用者の安全を確保するとともに、利用者のニーズに応じた利便性の向上を図るため、指定管理者等関係機関との連携により、誰もが安心してスポーツに親しめる環境整備に取り組みます。

 平成33年の第76回国民体育大会及び第21回全国障害者スポーツ大会開催に向けて、また、多くの市民が安心安全にスポーツに親しんでいただけるよう、さらには、スポーツを身近に感じていただけるよう財源確保を含め計画的に施設及び環境整備を進めます。

(3)三重国体開催に向けた取組

 第76回国民体育大会及び第21回全国障害者スポーツ大会の開催に向けて、実行委員会を立ち上げ、組織体制の整備を図り、市民がこぞって参加、盛り上げられる仕組みを構築してまいります。また、本年度に三重県を中心として開催される全国高等学校総合体育大会や2020年の東京オリンピック・パラリンピックとスポーツビックイベントが続く中、市民のスポーツへの関心高揚を契機として、本市のスポーツ振興に取り組んでまいります。

 

第3節 市民文化の創造

《施策1 文化振興》

(1)市民文化の創造

 美術展覧会や市民文化祭の開催を通して、芸術文化活動の発表の場や文化に親しむ場を提供するとともに、文化協会等文化団体とも連携し、市民の芸術文化を育みます。

 本市の芸術文化活動の拠点となる青少年センター(ADSホール)は、施設設備の一層の安全・安心と利便性の向上を図るため、昨年度に吊天井落下防止対策工事及び音響設備の改修工事を実施いたしました。今後も、指定管理者との連携を密にして、多くの市民の皆様にご利用していただけるよう、積極的な事業展開を図ります。

 

(2)文化資源の保護と活用

 昨年度、郷土資料館(埋蔵文化財センター)の整備が完了したことから、郷土資料館を拠点として、関係図書の閲覧や埋蔵文化財等の企画展示や市民対象の学習講座・体験活動を開催するとともに、夏見廃寺展示館や名張藤堂家邸等の文化施設の活用を促進します。また、本年度からスタートするふるさと学習「なばり学」の取組とあわせて、郷土への愛着や誇りを醸成し、地域の担い手となる人材の育成にも努めてまいります。

 

(3)なばりの文化の振興

 「観阿弥創座の地なばり」として、能楽のふるさとづくりを推進するため、観阿弥祭、名張能楽祭、名張子ども伝統芸能祭り、市内の舞踊団体による伝統文化親子教室等を開催し、伝統芸能に触れる機会を多く持つことで、子どもの情操を豊かに育み、創造性を高めていきます。

 

《おわりに》

 本市の教育は大きな変革の時を迎えており、それを踏まえ、教育環境の整備が急務となっております。引き続き、名張市の未来を担う子どもの健やかな成長と教育の充実を目指して、教育委員会事務局職員が一丸となって、本市の教育課題解決のために邁進してまいりますので、皆様の一層のご支援とご協力をお願いいたしまして、平成30年度の教育行政の方針と施策といたします。

 

このページに関する問い合わせ先

教育委員会事務局 教育総務室
電話番号:0595-63-7849(総務担当)・0595-63-7873(施設・学事担当)
ファクス番号:0595-63-9848
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