令和元年度決算

令和元年度水道事業の決算概況

　名張市の水道事業は、昭和40年2月の給水開始以降、公衆衛生の向上と生活環境の改善を目的として、平成22年度まで4次にわたる給水区域の拡張事業を実施し普及率が100％近くに達した後、平成23年度からは、令和2年度までの10年間を計画期間とする名張市水道ビジョンを策定し、水質管理体制の強化や施設及び管路の更新・改良による「安全で安定した水の供給」、基幹施設の耐震化等による「災害に強い水道」、「健全で持続可能な水道」等を目標に掲げ、市民のライフラインの確保に努めています。

業務量等

　令和元年度の年間有収水量は、9,371,678立法メートルと前年度に比べ44,471立法メートル（0.5％）の減となりました。業務用で23,944立法メートルの減、家事用で20,860立法メートルの減となりました。家事用で減少した要因は、家事用の一人当たりの使用水量は0.3％（平成30年度249.7ℓ/日、令和元年度250.4ℓ/日）の増となったものの、給水人口が77,612人と前年度に比べ675人（0.9％）の減となったためです。
　一方、年間配水量は、9,971,828立法メートルと前年度に比べ317,529立法メートル（3.1％）の減となり、配水量に占める有収水量の割合である有収率が前年度91.5％に対し、2.5ポイント増の94.0％となりました。

経営状況

　令和元年度の収益的収支については、事業収益が1,761,761,442円（税込額1,881,180,602円）で前年度比較1.3％（23,672,522円）の減収となりました。主な要因は、給水収益や受託工事収益、長期前受金戻入が減収となったことによるものです。
　また、事業費用は1,780,892,417円（税込額1,844,333,523円）で前年度比較3.1％（57,071,256円）の減少となりました。これは、減価償却費等が増加したものの原水及び浄水費、配水及び給水費などの施設維持管理に係る費用や資産減耗費等が減少したことによるものです。
　これらのことから、収支差引額19,130,975円が当年度純損失となりました。
　次に、資本的収支（税込額）については、収入が309,431,826円に対し、支出が929,764,268円となり、収支差引不足額の620,332,442円は損益勘定留保資金等で補てんしました。

建設改良の状況

　建設工事については、老朽施設の更新・改良として、上三谷・竜口系機械電気設備更新工事（97,524,000円）を実施しました。このほか、滝之原第1 ポンプ所外電気設備等更新工事（90,310,000円）等を実施しました。
　管路についても、老朽管の更新及び耐震化として、県道上野名張線配水管更新工事（125,742,240円）や国道165号配水管更新工事（116,265,240円）等を実施しました。
　なお、市道桔梗が丘3の36号線配水管更新工事や市道富貴ケ丘3号線配水管更新工事等について、次年度へ280,000,000円を予算繰越しました。

水質管理

　水質検査の適正な実施及び情報提供のため「水質検査計画」及び「水質検査結果」を公表するとともに、安定供給のリスクに対し、迅速な対応ができるよう策定している「水安全計画」により、安全で良質な水の供給に努めました。