平成26年度決算

平成26年度水道事業の決算概況

　名張市の水道事業は、昭和40年2月の給水開始以降、公衆衛生の向上と生活環境の改善を目的として、平成22年度まで4次にわたる給水区域の拡張事業を実施し普及率が100％近くに達した後、平成23年度からは、平成32年度までの10年間を計画期間とする名張市水道ビジョンを策定し、水質管理体制の強化や施設及び管路の更新・改良による「安全で安定した水の供給」、基幹施設の耐震化等による「災害に強い水道」、「健全で持続可能な水道」等を目標に掲げ、市民のライフラインの確保に努めています。

業務量等

　平成26年度の年間有収水量は、9,489,226立方メートルと前年度に比べ217,773立方メートル（2.2％）の減となりました。減少した要因は、給水人口が80,526人と、前年度に比べ497人（0.6％）の減となったことや、家事用の一人あたりの使用水量が1.8％減（平成25年度253.3ℓ/日、平成26年度248.7ℓ/日）となったためです。使用水量の減少要因としては、節水意識の浸透や節水機器の普及に伴う水需要の減少傾向に加え、夏場の天候不順が考えられます。
　また、年間配水量が、10,162,920立方メートルと前年度に比べ301,730立方メートル（2.9％）の減となりましたが、水道ビジョンに基づく老朽管の更新・改良や年次的に進めてきた漏水調査の結果、配水量に占める有収水量の割合である有収率が前年度92.8％に対し、0.6ポイント増の93.4％となりました。

経営状況

　平成26年度の収益的収支については、事業収益が1,818,238,437円（税込額1,923,508,759円）で前年度比較25.3％（367,591,565円）の増収となりました。主な要因は、新会計基準の適用により、減価償却費に見合う長期前受金戻入を計上（資産取得時の財源とした工事負担金等を収益化）したことによるものです。
　また、事業費用は2,137,313,871円（税込額2,190,832,118円）で前年度比較35.7％（562,157,632円）の増加となりました。これは、減価償却費等の営業費用の増加や、新会計基準への移行時に必要な退職給付費引当金等を計上したため、特別損失が増加したことによります。
　これらのことから、収支差引額319,075,434円が当年度純損失となりました。
　次に、資本的収支（税込額）については、収入が298,442,374円に対し、支出が1,520,948,749円となり、収支差引不足額の1,222,506,375円は損益勘定留保資金等で補てんしました。
　なお、今後の事業経営については、料金収入の増収が見込めないことから厳しい経営環境が続くことが予想されるなか、引き続き経営効率化の推進と経費節減等の経営努力をしていく必要があります。

建設改良の状況

　建設工事については、老朽施設の更新・改良として、長瀬浄水場高度浄水施設整備工事40,219,200円をはじめ、赤目浄水場計装設備更新工事21,060,000円等を実施しました。なお、継続費予算を組んでおります富貴ヶ丘浄水場の機械電気設備更新事業については、平成27年度から平成29年度の工事実施に向け、機械設備更新工事、電気設備更新工事及び監視制御設備工事の契約をそれぞれ締結しました。
　管路についても、老朽管の更新・改良及び基幹施設の耐震化として、県道蔵持霧生線送水管更新工事34,541,640円、平成25年度から予算繰越をした桔梗が丘地内送配水管更新工事134,501,520円等を実施しました。なお、桔梗が丘第3配水池防食工事及び配水管更新工事（公共下水道事業同時施行分）につきまして、次年度へ155,000,000円を予算繰越しました。
　さらに、地震災害等における給水用水を確保するため、配水池への緊急遮断弁設置工事64,692,000円を実施しました。

水質管理

　水質検査の適正な実施及び情報提供のため「水質検査計画」及び「水質検査結果」を公表するとともに、安定供給のリスクに対し、迅速な対応ができるよう策定している「水安全計画」により、安全で良質な水の供給に努めました。