新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置について

1．イベントを中止等（中止、延期又は規模縮小）した主催者に対する払戻請求権を放棄した場合の寄附金控除の適用

概要

　新型コロナウイルス感染症の拡大防止のための措置により、中止等となったイベントのチケット等を購入していた個人が、その払戻しを受けることを辞退した場合に、当該辞退した金額のうち年間合計20万円までの金額について、他の寄附金と同様の税優遇（所得控除又は税額控除）を受けられる新たな措置が創設されました。

寄附金控除までの具体的な流れ

　1．主催者からの申請に基づき、文化庁・スポーツ庁が対象イベントを指定（注）
　2．参加者が対象イベントの主催者に払戻しを受けないことを連絡。
　　　主催者から、指定行事証明書と払戻請求権放棄証明書を入手
　3．令和2年分（令和3年度）確定申告の際に、上記2点の証明書と共に申告
　　　（e-TAXでの申告も可能）
　　　⇒寄附金として税優遇の対象となります
　
　※所得税については、（対象チケット代金合計－2,000円）×40％が税額控除されます（税額控除を選択した場合）
　※住民税については、（対象チケット代金合計－2,000円）×10％が税額控除されます。

（計算例）10,000円のチケット代金の払戻しを受けずに寄附した場合
　所得税：（10,000円－2,000円）×40％＝3,200円の減税
　住民税：（10,000円－2,000円）×10％＝　800円の減税
　となり、最大4,000円の減税となります。
　※1例ですので、状況により異なる場合があります。

（注）対象となるイベントについては、文化庁・スポーツ庁のHPに順次アップされますので、ご確認ください。
　

対象イベントの考え方

　1．文化芸術又はスポーツに関するものであること
　2．令和2年2月1日から令和3年1月31日までに開催された又は開催する予定であったものであること
　3．不特定かつ多数の者を対象とするものであること
　　（広く一般にチケット等が販売されており、数名以上の参加が想定されていたものを指します）
　4．日本国内で開催された又は開催する予定であったものであること
　5．新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置の影響により、現に中止・延期・規模縮小されたものであること
　6．5の場合に払戻しがされたもしくはされる予定であること（注）
（注）既に中止等が決定されたイベントで、払戻を行わないことを決定、公表している場合は、寄附金控除の対象となりません

　対象イベントは、文化庁・スポーツ庁のHPに順次アップされますので、詳細も含め下記リンクをご覧ください
　（文化庁）チケットを払い戻さず「寄附」することにより,税優遇を受けられる制度
　（スポーツ庁）チケットの払戻請求権の放棄を寄附金控除の対象とする税制改正

この制度に関する問い合わせ先
　文化庁　03-5253-4111（内線：4764）
　スポーツ庁　【観戦チケットの払戻しについて】　03-5253-4111（内線：2686）
　　　　　　　【イベント参加料の払戻しについて】03-5253-4111（内線：2688）

2．入居が遅れた場合の住宅借入金等特別税額控除の特例

　消費税率の引き上げに伴う駆け込み需要への対策として、消費税率10％が適用される住宅取得等については、所得税の住宅ローン控除の適用期間が3年間延長（控除期間10年⇒13年）となります。これについて、令和元年10月から令和2年12月31日までの間に入居することが要件となっておりましたが、次に掲げる要件を満たした場合は、令和3年12月31日までに入居した場合に制度の対象となります。
　ア．新型コロナウイルス感染症の影響によって新築住宅、建売住宅、中古住宅又は増改築等を行った住宅への入居が遅れたこと
　イ．一定の期日（注）までに、新築、建売住宅・中古住宅の取得、増改築等にかかる契約を行っていること
　ウ．令和3年12月末までの間に上記イの住宅に入居していること
（注）「一定の期日」・・・新築の場合　　　　　　　　　　　　　　　　令和2年9月末     まで
　　　　　　　　　　　　　建売住宅・中古住宅の取得、増改築等の場合　令和2年11月末　まで
　
　この制度に関する問い合わせ先
　　上野税務署　0595-21-0950

※住宅ローン控除の拡充については、令和2年度（令和元年分）から個人住民税に適用される税制改正のページをご覧ください