第1次地域福祉計画の概要
更新日:2015年3月19日
地域福祉計画の趣旨
1. 背景
我国においては、かつての伝統的な家庭や地域の相互扶助機能は弱体化とともに、地域住民の相互の社会的な繋がりも希薄化するなど地域社会は変容しつつあります。これに、少子高齢化の急激な進行や成長型社会の終焉や近年の低経済成長と厳しい環境におかれています。当市においても同様、この厳しい社会環境のもと、核家族や共稼ぎ家庭の増加、住民の生活スタイルや地域社会の変容などにより、昔ながらの地域での助け合いの機能が薄れつつあります。 このため、高齢者や障害者等に対する生活に係わる支援を必要とする人々は、一層厳しい状況に置かれています。
こうした状況下、共に生きるまちづくりの精神を涵養し、人々が手を携え、生活の拠点である地域に根ざした助け合いにより、安心で充実した生活が送れる地域社会の構築、いわゆる地域福祉の推進が必要となっています。
2. 趣旨
本地域福祉計画は、新しい社会福祉の観点から地域福祉の推進により、福祉はもとより保健、医療、生涯学習などの関連分野を包含した地域の自立支援と、地域社会の一員としてサービス利用者を支える福祉コミュニティづくりや、地域福祉推進のためのネットワークづくりなど、住民参加による横断的なサービスを軸に、行政と市民のパートナーシップにより計画を策定します。
これにより、幅広い市民の参加と住民、行政などの協動のもとに「一人ひとりが尊厳を持って生きていける社会、人々を支えようとする人づくりや心豊かな福祉文化を創造する」ことにより、まちづくりの目標である「福祉の理想郷」をめざします。
計画の性格の位置付け
この計画は、名張市総合計画における福祉分野の施策を更に具体的に進める福祉の総合的な計画と位置づけ、既存の老人保健福祉計画(介護保険事業計画)、同時に策定する第二次障害者福祉計画、次世代育成行動計画、健康なばり21計画の個別計画と充分に調整を図った計画とします。
また、地域の生活課題解決のために、名張市社会福祉協議会が策定する地域福祉活動計画と連携、連動を図ります。
併せて、住民の協動意識を醸成する等、地域の福祉力を積み上げる住民参加型の計画とします。
計画の基本目標
社会福祉法の理念に基づく地域福祉を実現するため、次の基本目標を掲げ推進します。
- 生活課題達成への住民等の積極的な参加
- 利用者本位のサービスの実現
- サービスの総合化の確立
- 保健・福祉とまちづくりなどの生活関連分野との連携
この基本目標実現のため、次の事項を計画に盛り込みます。
1 地域における福祉サービスの適切な利用の促進に関すること
- 目標の設定
- 目標達成のための戦略
- 福祉サービスの利用に関する情報提供、相談体制の確保
- 社会福祉従事者の専門性の向上、ケアマネージメントやソーシャルワーク体制の整備サービス内容の開示等による、利用者のサービス選択の確立
- 利用者の権利擁護
- 権利擁護事業の推進
- 苦情解決制度など適切なサービス利用を支援する仕組みづくり
2 地域における社会福祉を目的とする事業の健全な発達に関すること
- 多様なサービスの参入促進およびこれらのサービスの連携による協動の実現
民間の新規事業の開発やコーディネート機能への支援 - 福祉、保健、医療と生活関連分野との連携方策
3 地域福祉に関する活動への住民参加の促進に関すること
- 地域住民、ボランティア団体、NPO法人等の活動への支援
- 活動に必要な情報や知識、技術の取得活動の拠点に対する支援
- 地域住民の自主的な活動と公共サービスの連携
- 住民等の意識の向上と主体的参加の促進
- 地域住民サービス利用者の自立
- 住民の理解と地域の構成員としての意識の向上
- 住民交流会、勉強会の開催
- 地域福祉を推進する人材の養成
- 活動専門員や社会福祉従事者等による地域組織化の推進
計画の期間
平成17年度から平成21年度の5ケ年とします。
計画の進行管理と評価
3年次(平成19年度)に、計画の実施と継続性を確保するため、課題の達成について有効度や満足度を評価し、問題点の改善を図るため見直しをおこないます。
計画策定方法および体制
1.画策定にあたっての基本的な考え方
地域福祉等社会福祉の専門高等教育機関である皇學館大学の社会福祉学部(地域福祉文化研究所)の協力を得、地域福祉の実施機関である名張市社会福祉協議会および市の間で、計画に必要な調査や分析を共同でおこなうなど連携協力体制を構築し、基本目標の具体化に向け取り組みます。また、住民と行政のパートナーシップにより地域福祉の推進を図るため、広い分野から構成する策定委員会等を設置すると共に、地域懇談会やアンケート調査、パブリックコメントなどによる住民の意見を反映した計画策定をおこないます。
2.定体制
- 地域福祉計画策定委員会
学識経験者、福祉関係団体の代表者など幅広い分野から構成し地域福祉計画を検討します。 - 計画検討会(ワークショップ)
大学、社会福祉協議会、社会福祉事業者、地域の代表等の参加のもと、幅広く懇談会等を通じての地域(3)懇談会 地域ワークショップ - 市内14地域(地域づくり委員会・地区社会福祉協議会等)で懇談会を実施し、計画の啓発や地域課題の把握とその解決する手法等を検討します。
- 三者協議会(プロジエクトチーム)
市、社会福祉協議会、大学との横断的チームを設置し、大学の専門的なアドバイスを得ながら策定の協議をおこない、各組織(策定委員会、計画検討会、懇談会)の連携をとり、円滑な活用を図ります。 - 庁内計画検討チーム
健康福祉部、企画財政部(総合企画室)、生活環境部(まちづくり支援室、男女共同参画室)、産業部(農林振興室、商工観光室)、教育委員会(生涯学習、青少年室、人権啓発室)の他、必要に応じ庁内関係室により組織し、懇談会への参加や計画検討会における作業をおこないます。